2025年2月に刊行されたオススメ4冊<サカナ本> 海に広がるさまざまな世界
出版の世界では毎月、魚をはじめとした水生生物に関する本が多数刊行されています。
そのテーマは実にさまざまですが、今回はサカナに特化した小さな本屋『SAKANA BOOKS(サカナブックス)』(東京都新宿区)のスタッフ・川村さんに2025年2月刊行のおすすめ本を聞いてみました。
まるで自分も深海探検をしているかのような気分にさせられる臨場感満点の絵本から実録ノンフィクションまで、海や生き物に関する多様な本をピックアップ。気になったら、ぜひお手に取ってみてくださいね。
不思議を知ることには驚きと喜びがある!絵本『深い海の伝説をさがして』
『深い海の伝説をさがして』(撮影:SAKANA BOOKS)
深海調査の心細さやどきどきワクワクを、美しいイラストとともに体験できる素敵な絵本『深い海の伝説をさがして』(作:クロエ・サベージ、訳:よしい かずみ/ビーエル出版)。
アート好きの方はもちろん、深海生物やその雰囲気が好きな方、イカタコ好きの方にもおすすめ。
先日放映されたシーラカンスを追ったNHKドキュメンタリーで登場していた深海探査船にも似た、球状の窓が印象的な探査船が登場します。
まるで主人公の海洋生物学者と一緒に乗船したような冒険気分になれますよ。部屋に飾っても表紙の美しさが際立ちます。プレゼントにもおすすめ。
既刊『まぼろしの巨大クラゲをさがして』も一緒にぜひ!
昨年からYouTube・SNSで話題沸騰!『まいごのアザラシをたすけて! -よごれた海とたたかうアザラシ病院の人びと-』
『まいごのアザラシをたすけて! -よごれた海とたたかうアザラシ病院の人びと-』(撮影:SAKANA BOOKS)
通称「アザラシ幼稚園」。オランダのアザラシ保護施設「Zeehondencentrum Pieterburen」にまつわるノンフィクション本『まいごのアザラシをたすけて! -よごれた海とたたかうアザラシ病院の人びと-』(著:平澤一郎、絵:つだかつみ/偕成社)です。
こちらは1994年に偕成社から出版され、未収録の写真等を増補し今年復刊されました。
設立された背景から活動内容・働いている人の話まで…アザラシ好きはもちろん、アザラシ幼稚園をもっと知りたい方・動物保護や看護に興味をもっている方には特におすすめ。スタッフのアザラシ保護への熱い想いが深く伝わる1冊です。
お子さんから大人まで、彼らの仕事に勇気づけられる人も沢山いるのではないでしょうか。
全国各地の現地取材や様々な文献から迫る!『日本の人魚伝説』
ドラマでも一時期話題になった「人魚」の肉を食べて不老長寿になったとされる「八百比丘尼」の伝説をはじめ、欧米由来のマーメイド型人魚(人魚姫)とは違う、日本固有の人魚(怪物)の実像に、全国各地の現地取材や様々な文献から迫るのが『日本の人魚伝説』(著:髙橋大輔/草思社)
ジュゴンだけでなく、実はオオサンショウウオやリュウグウノツカイ、アザラシなども人魚のモデルだったのでは…という面白い話も。
「リュウグウノツカイ型人魚」など気になる人魚たちも江戸時代や当時の図版入りで紹介されていますよ。
海獣研究や飼育展示の裏側『海獣水族館の素顔』
水族館で「イルカ」といえば、彼らのパフォーマンスを思い浮かべる方も多い昨今。
「調査・研究」という水族館の一面にフォーカスし、イルカをはじめとした海獣研究や飼育展示の裏側を紹介するのが『海獣水族館の素顔』(編著:村山司・中原史生/東海教育研究所)です。
水族館職員、研究者それぞれの立場から語られる苦労や工夫、気づきなど興味深いエピソードが多数。全国各地、有名水族館の例が挙げられています!
あなたの好きな水族館やイルカが登場するかも?
海に広がるさまざまな世界
海に広がるさまざまな世界。その一端を知ることのできる本たちがラインナップしています。
ぜひ手に取って、自分の知らない海について学ぶきっかけにしてみてください。
(サカナト編集部)