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中国の友人と本場を食べに広州旅行、順徳グルメとスイーツを紹介します

東京ディープチャイナ

中国の友人と本場を食べに広州旅行、順徳グルメとスイーツを紹介します

私が広東料理を意識したのは池袋の民記煲仔飯で「广式酱香牛雜(広東風もつ煮込み鍋)」を食べた時。

味付けに地元愛知の甘味噌文化に通ずるものを感じ、不思議な親近感を抱いたのがきっかけでした。広東料理を調べるうちに、ガチ中華にハマりきっていない大学院時代に、広州出身の友人から広州のグルメ事情をよく教えてもらったことを思い出し、現地で食べてみたい気持ちが強くなりました。

今回一緒に行った雲南出身の親友の「中国国内で広州グルメは有名。だけど本場で食べたことがない、行きたい」発言が決め手となり、2024年2回目の中国は「広州」に決まりました。

今回は広東省の広州を拠点とし、中国に住む友人に会う以外はノープラン、食べることを中心に動きました。

親友と食べたいものをリスト化し、広州出身の友人からお店を教えてもらい食べる準備万端で旅に行きました。

本レポートでは、そんな食い倒れ旅の中から広東省の順徳で出会ったグルメを紹介します。順徳での滞在は半日ほどでしたので、”順徳で”食べたいものを中心に食べてきました。

順徳といえば食!

順徳は広東省仏山市に位置し、北は広州、南は香港マカオと接しています。

順徳といえば食! 順徳料理!

「食在广州,厨出凤城(食は広州にあり、調理人は順徳から出る)」と言う格言があるほどで広東省の中でも特に食で有名なエリアです。それでは早速紹介して行きます。

「凤城魚皮」

最も衝撃を受けた「凤城魚皮」。「凤城」は順徳の別名で「魚皮」は魚の皮、名前の通り「魚の皮」が主役の食べ物です。

作り方は大変シンプルで魚の皮とその他食材(生姜、ネギ、パクチー、揚げ春雨、ピーナッツ、ゴマ)と特製のソースと和えるだけ。魚の皮って美味しいか?と半信半疑でしたが、これが癖になる美味しさ。

魚の皮は臭みがなくプリプリで弾力があり、そこに甘辛いソースや香草類の香り、更にはピーナッツや揚げ春雨のカリカリの食感もプラスされ豊かな味わいです。お酒のおつまみにも良さそう。観光エリアには沢山のお店があり、今回購入した店は常に行列ができる人気ぶりでした。

魚の皮の種類をチョイスできる店もありました。

店の名も「凤城鱼皮」。屋台に近い形でカジュアルなお店。オーダーしてその場で作って貰えます。店内にテーブルもありますが、食べ歩き(立ち食べ)をしている人も多くいました。

「煲仔饭」

昼食は地元の人に愛される「红星光发煲仔饭」で広東料理の中でも有名な「煲仔饭」を。

煲仔饭は広東語で「煲」は鍋、「仔」は小さなものを意味し、小さい鍋で米を炊き、炊き上がる直前に具材を乗せて作られます。具材は肉やウナギ等、多様な選択肢から選ぶことができ、今回は広東式腸詰(味付けをしたミンチ肉を小腸に詰め干したもの)と腊肉(干し肉)、腊排骨(スペアリブ)をチョイス。

運ばれてきた瞬間、美味しそうな湯気がモクモク。土鍋で炊かれた米は粒がしっかりしており、おこげはカリカリで香ばしい。ご飯が見えないほど沢山の具材で、腸詰や腊肉は甘みがあり、滲み出る脂や旨みと米の相性が抜群でした。

因みにこちらのお店では「滚生菜鲮鱼球汤」(ケンヒーと言う鯉科の魚のツミレとレタスのスープ)もいただきました。魚の臭みはなく、旨みが詰まった優しい味のスープでした。

红星光发煲仔饭の店内は2フロアの広々空間。大人数用の丸テーブルが沢山あり、昼過ぎにも関わらず賑わっていました。複数の煲仔饭を頼んでいる人が多くいました。

「双皮奶と蒸牛奶」

順徳は水牛乳が名物。創業100年の老舗のスイーツ店「民信老铺」で水牛乳スイーツ「双皮奶と蒸牛奶」を楽しみました。

旧马路店は広くはありませんでしたが、古風な雰囲気で清潔感がありました。テーブルにはメニューと注文用QRコードが置いてあり注文がスムーズにできました。

「双皮奶」は順徳発祥のスイーツ。水牛乳を使ったミルクプリンで、水牛乳を蒸して表面に皮が張った後に皮を破り水牛乳を出し、卵や砂糖と混ぜて再度蒸して作られます。2度段階の蒸し工程で薄い膜が2枚できるため「双皮(2枚の皮)」と名付けられています。

双皮奶には沢山の派生メニューがあり、温/冷の他に様々なトッピングを選ぶことができます。今回は紫米がトッピングされた「紫米双皮奶」をチョイス。日本のミルクプリンと比べると甘さが強く、軽やかで食べやすいです。水牛乳の主張が強すぎないため、色々なトッピングが合うと感じました。

「蒸牛奶」も水牛乳を使ったスイーツ。名前の通り水牛乳を蒸したもので味は双皮奶同様に甘味が強くありつつ軽やかで、食感は羊羹に近く、弾力とずっしり感がありました。

また水牛乳スイーツではありませんが「杏仁芝麻糊」も注文。こちらは胡麻ペーストの上に杏仁ペーストがかかったスイーツ。口に入れると胡麻の濃厚な香りが口いっぱいに広がります。温かいものを注文したので体が温まりました。

帰りに広州のスーパーで水牛乳を購入しました。当たり前ですが、双皮奶の独特な甘味が濃縮されていて水牛乳が原材料だとよく理解ができました。日本の牛乳よりも甘味が強く、さらっとした口当たりでした。

「伦教糕」

「伦教糕」は順徳区伦教の特産品でお米と白砂糖等を蒸して作ったケーキのようなもの。

今回訪問した「欢姐伦教糕」は白糖と紅糖で作られた2種類の伦教糕を楽しめました。そのまま食べることもできますが、揚げたら美味しそう!と思い、香脆伦教糕(揚げ伦教糕)をチョイス。食べてみると甘味の中に少し酸味を感じ、食感はお餅ではなく黒糖蒸しパンに近く柔らかいです。揚げたてで衣のサクサク感と伦教糕の食感のバランスが面白かったです。

お土産コーナーが主で一部が飲食コーナーになっているお店。待ち時間にお土産を見たり、お土産を買う前のお試しができるので良いと思いました。

「エッグタルトと鸳鸯奶茶」

エッグタルトの人気店「圍苑飯堂」へ。平日の朝に訪れましたが多くの人がいました。

この店の売りはエッグタルトとコーヒータルト。重量があり、生地は多層でサクサクのため優しく持たないと形が崩れそうでした。食べてみると卵の風味が口いっぱいに広がり感動。多層の生地が口当たりがよく、中身は濃厚でトロトロ。珈琲はプレーンのものと比べると甘さが控えめの大人な味でこちらもまた癖になりそうです。

飲み物は「鸳鸯珈琲」を。一見普通のミルクティーに見えますが、香港を中心に流行しているコーヒーとミルクティーのミックスドリンク。「鸳鸯」は中国では「半分」という意味だったりします。コーヒーの苦味や香りと紅茶の香りもしっかりと感じますが、味同士が喧嘩することがないので面白い味です。鸳鸯珈琲は中国で人気なようでスタバでも提供されていました。

圍苑飯堂の店内の席数は少なく、待っている人も多数。持ち帰り、オンライン注文も多く来ていました。焼き上がりと同時に提供されるため、タイミング次第では待ち時間があります。

最後に

滞在は半日程度でしたが、色々な順徳グルメと出会えて大満足な旅でした。順徳には美味しいものが溢れており、胃を何で埋めるかを真剣に考えながら過ごしました。様々な料理を食べましたが味付けはシンプルなものが多く、素材の良さを最大限に活かした調理方法が模索されていると感じました。

(文香)

店舗情報

凤城鱼皮

广东省佛山市顺德区金榜上街27号

红星光发煲仔饭(文海店)

广东省佛山市顺德区容桂街道文海西路7号(丽枫酒店旁)

民信老铺(旧马路店)

广东省佛山市顺德区东风居委会旧马路151之一号铺

欢姐伦教糕(大良华盖路商业步行街店)

广东省佛山市顺德区大良街道华盖里直街44号

圍苑飯堂

广东省佛山市顺德区东苑路东12座101号

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