「猫の迷路ゲーム作って」→数分で完成!? Google社員ママが教える「Gemini」育児活用術がスゴすぎた
育児とAIについて、GoogleのGemini アプリのシニアマーケティング マネージャーで現役ママの汪斯匯(ワン スーウェイ)さんに取材。子どもとの「遊び」を中心にした活用術について伺います。
「もうプリント探しに時間を使わない」Googleの現役ママ社員に聞く 「AI時短術」ネットやテレビで話題の「生成AIツール」。育児にも役立つと聞くけれど、「どう質問したらいいの?」「難しそう……」と、どこかハードルを感じているパパママも多いのでは?
そこで生成AI「Gemini」の開発元でもある「Google」に、生成AIを育児に活用する方法を直撃取材!
生成AI初心者のママライター山口が、Googleで働きながらGeminiを実際に育児に活用している汪斯匯(ワン スーウェイ)さんにお話を聞きました。
この記事(前編)では、子どもの「遊び」や「学習」のアイデア出しにGeminiを活用し「いますぐ使える具体的なコツ」を伺います。
【スゴ技1】子どもとの「ごっこ遊び」をAIに相談!
▲Geminiアプリのシニアマーケティングマネージャーで、4歳の女の子のママでもある汪斯匯(ワン スーウェイ)さん
山口:正直なところ、生成AIツールを育児に活用するのは難しそう、どう質問するのが「正解」なのかもわからなくて……。
汪:そういった親御さんは多いと思いますが、じつは「正しい」質問文をつくる必要はありません。生成AIは日々進歩しているので、私たちの子どもに話しかけるような、気軽な質問文で大丈夫なんです。
山口:なるほど。少しだけ気持ちのハードルが下がりました。汪さんは具体的に、子育てのどんなシーンでAIを活用していますか。
汪:私は「ごっこ遊び」の内容を、Geminiに相談しています。たとえば、「娘はおままごと遊びが大好きだが、お店ごっこやお医者さんごっこは遊び尽くしてネタがつきた。新しいおままごとのアイデアを考えて」とか。
▲おままごとのアイデアをGeminiに相談した例
山口:ええっ、そんなことも相談できるのですか。
汪:娘がごっこ遊びにハマっているのですが、同じ遊びばかりで飽きてしまったときに相談しました。ぬいぐるみをつかった動物病院ごっこ、くしをつかった美容院ごっこなどを提案してくれています。
山口:こうやってアイデア出ししてくれるだけで、「味方ができた!」と心が軽くなりますね。しかもとてもラフな質問文で聞いていることにも驚きました。
汪:「~します」「~してください」などと丁寧な言葉で質問する必要はありません。状況や質問だけをシンプルに伝えるだけでOKです。最近は、音声入力もできるので、お子さんが直接Geminiに質問したり、音声で対話しながらブレインストーミングもできるんですよ。
山口:Geminiの返事を、子どものために読み上げなくていいのはありがたいですね。子どもとアイデアを共有して、一緒に何をして遊ぶのか考えるのも楽しそうです。他にはどんな質問をしていますか。
汪:娘が3歳のとき、数字に興味を持ちはじめたんです。そこで、Geminiに「数字を使った遊び」を相談してみました。
▲Geminiが数字をつかった子どもとの遊びや、声掛けのアイデアを提案してくれた回答の一部。
山口:日常でつかえる数の声掛けアイデアがたくさん出てきましたね。階段やジャンプの回数とか。たしかにうちの子も数字を覚えたてのころは、階段の数を数えるのを楽しんでいた記憶があります。Geminiは、ちゃんと育児のこと、わかっていますね。
汪:そうなんです。もちろん検索エンジンをつかって疑問を解決することもできますが、忙しいときに気軽にGeminiのアプリをひらいて聞けると楽なんですよ。スキマ時間にパッとつかえるので、私も助かっています。
【スゴ技2】Geminiの新機能でゲームが作れる!
山口:生成AIをアイデア出しとして活用する方法は分かりましたが、もっとクリエイティブに楽しむ方法はありますか。
汪:Geminiでは「Canvas」というインタラクティブな作業ツールを利用して、あっという間に無料で簡単なゲームをつくることができます。入力欄の下にある「ツール」というボタンを押して「Canvas」を選び、つくりたいゲームの内容を指示します。どんなゲームがいいですか。
山口:ええっと、迷路をつくってほしいです。息子は猫が好きなので、猫を登場させられると喜ぶと思います。
汪:では「スタートに猫がいて、猫がチャレンジする設定で迷路を作って。ゴールに大きなケーキを用意して」と依頼してみましょう。すると、ものの数分でゲームができるようになります。ほら!
山口:本当ですね! 実際にボタンを押して、猫を動かすこともできちゃいます。これは子どもと一緒にアイデアを練りながらつくったら盛り上がりそうです。
汪:最初は不具合があっても、何度でも改良を依頼してブラッシュアップすることができます。時間制限を設けるなど、自分なりのルールをつくっても面白いかもしれません。しかもサイトのURLを共有すれば、ゲームを誰かと共有することもできます。
山口:お友達や祖父母に「○○(息子)がつくったゲームだよ」といって共有したら、楽しみも広がりそうですね。自由研究として提出するのもありかもしれません。
汪:そのとおりです。「Canvas」をつかった機能には、手描きのイラストを取り込んでゲームをつくったり、言葉だけでは伝わりづらい情報をアニメーションで表現したりと、さまざまな活用法があります。他にもGeminiの新しい機能として、自分を主人公にして好みの物語をカスタマイズしてくれる「Storybook」という機能も試運転中です。テーマや年齢など、子どもに合わせた絵本を作成できます。
山口:すごいですね! 今回紹介してくださった機能は、子どもと一緒に気軽に試せるものばかりだと感じました。AIって小難しいイメージがありましたけど、汪さんのお話を聞いていて、育児の相談にのってくれるナビゲーターのようですね。
汪:そうですね。この記事で紹介したGeminiの機能は、どれも無料でつかうことができます。親御さんには遊び感覚で楽しみながら生成AIを育児に取り入れてみてほしいですね。
【子育てAI活用術について、GoogleのGeminiアプリのシニアマーケティングマネージャー汪斯匯(ワン スーウェイ)さんに伺う連載は前後編。子どもとの「遊び」を中心にした活用術についてお聞きした今回の〔前編〕に続き、次回の〔後編〕では子育ての「困った!」をGeminiで効率化する方法や、生成AIの正しい付き合い方を伺います】