静岡知事選で有権者に調査 県政への期待リニアは3番目 投票に行かない理由のトップは?
■5月26日の静岡県知事選 政治への無関心や優先順位の低さ顕著
東京都知事選挙は小池百合子都知事が再選を果たした。選挙結果の分析や選挙戦の振り返りがメディアを賑わせる中、静岡市に本社を置く民間のマーケティング会社「HONE」が5月に行われた静岡県知事選挙に関するアンケート結果を公表した。県政への期待に関する設問では、各メディアが大々的に取り上げた「リニア中央新幹線問題の早期決着」は3位で、「地震・水害対策」がトップだった。
川勝平太知事の退任に伴う静岡県知事選は5月26日に投開票された。史上最多の6人が立候補し、立憲民主党と国民民主党から推薦を受けた前浜松市長の鈴木康友さんが当選した。投票率は52.47%で、前回2021年を0.46ポイント上回った。
HONEは静岡県内に住む20歳から79歳までの男女にアンケートを実施した。アンケートは5月30日に回収し、サンプル数は2665だった。
アンケートの回答者のうち知事選の投票をしたのは63.86%で、実際の投票率よりも10%以上高くなっている。投票しなかった人を対象に選挙に行かなかった理由を問う内容では、「あまり関心がなかったから」が28.14%で最も多かった。10%以上の回答を集めた選択肢を見ると、政治への無関心や優先順位の低さが表れている。
【選挙に行かなかった理由】
①あまり関心がなかったから 28.14%
②投票したい候補者がいなかったから 19.94%
③他のことで忙しいから 14.02%
④面倒だったから 13.6%
⑤候補者のことがよく分からなかったから 12.88%
⑥自分の1票で政治や社会は変わらないから 11.84%
※当てはまるものを全て選択
■県政への期待 リニア問題の早期決着は3位
今回の静岡県知事選は前浜松市長の鈴木康友さんが浜松の経済界や野党から支援を受けた。一方、鈴木さんに次ぐ得票数だった元副知事の大村慎一さんは自民党の推薦を受けて、静岡市の経済界が推していた。選挙の構図は有力候補2人による政党間と地域間の対立が色濃く表れた。
大きな争点の1つには、静岡工区だけ工事が進んでいないリニア中央新幹線問題が挙げられた。ただ、アンケートではリニア問題の早期決着よりも有権者の関心が高い分野があった。
県政に期待することを選択する設問では、「リニア問題」が3番目で、「地震・水害対策」が1位、「高齢化対策」が2位だった。回答が20%を超えた選択肢は以下の通りとなっている。
【県政に「特に」期待すること】
①地震・水害対策 41.24%
②高齢化対策 41.01%
③リニア問題 38.97%
④子育て支援 35.2%
⑤雇用創出 28.11%
⑥人口流出の具体策提示 22.51%
※当てはまるものを全て選択
(SHIZUOKA Life編集部)