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【伊東】次から次へと仰天ゴミ 潜水禁止の港に潜ってみたら! ダイバーが海底清掃

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

静岡・伊東市を拠点とする環境活動団体「MORE企画(もあきかく)」が、伊東港の海底清掃をしました。参加者は100人を超え、ダイバーが次々と大型のゴミを引き上げました。MORE企画は、「ゴミ拾いを仕事に!」をスローガンに、継続できる清掃活動を目指しています。

【画像】まだまだ出てくる仰天の海底ゴミ! この記事のギャラリーページへ

3人のダイバーが立ち上げた「MORE企画」

MORE企画は「ゴミと呼ばれる物のない世界」を目標に活動しており、「伊豆半島の海ゴミ一掃プロジェクト」として、下田港や伊豆マリンタウンなど5カ所の海底清掃をしてきました。

MORE企画のメンバー 左)大石 彩夏さん
中央)代表:白井 ゆみさん
右)有森 南央さん(画像提供:MORE企画)

MORE企画は、伊東市在住または伊東市に職場のある3人のダイバーが立ち上げた団体です。

Mountain(山)・Ocean(海)・River(川)・Earth(地球)の頭文字を取ってMORE企画。「もっと、更に!」の意味合いも込めて名付けました。

急な山の斜面で清掃活動(画像提供:MORE企画)

海のゴミの多くは陸から来ているため、活動エリアは海だけではなく山や街中にも広がります。清掃のほかイベントの開催や、環境をテーマにした講演会など活動は多岐にわたります。

「海底には何が?」伊東港を清掃

3月18日に伊東港で行われた、海底清掃を取材しました。

海底清掃前のミーティング

海底清掃では、水中でゴミを拾うダイバーと、ゴミを陸上へ引き上げる人に分かれます。

参加者が伊東港の魚市場に集合し、清掃前のミーティング。

水中清掃するダイバーに危険がないかどうか、海上保安庁のダイバーや自衛官が、水面または陸上から見守ります。

海底清掃に協力する海上保安庁のダイバーと自衛官(画像提供:MORE企画)

グループごとに分かれ、いよいよゴミ拾いスタートです。約3mの高さから、器材を背負ったプロダイバーたちが飛び込みました。

やや高いところから入水 人によっては少々勇気が必要

水深は約3m。

下見で目星を付けたゴミには、ペットボトルの浮きが目印として付けられています。

ダイバーたちはペットボトルの浮きを目指し、ロープ付けて海底からゴミを引き上げます。

ゴミを引き上げるダイバー(画像提供:MORE企画)

水中の様子について、実際に潜ったダイバーに話を聞きました。

参加したダイバー:
水の透明度が3mくらいだったのですが、ゴミを引き上げた瞬間に海底のヘドロが舞って、まったく見えなくなってしまいました。ほかのダイバーさんも、ゴミを手探りしながら悪戦苦闘していました

ゴミの様子から、最近海へ落ちた物なのか、長い年月が経過した物なのかが分かります。

古いゴミと新しい空き缶(画像提供:MORE企画)

プロダイバーでも、海底のヘドロによって視界が遮られた水中での作業はかなり大変だったようです。

当日は太陽が出ており、水中にもそれなりに光が入っていたようですが、ゴミを引き上げた瞬間にヘドロで視界が暗くなったそうです。

それでも何人かで協力し、どんどんゴミを引き上げていくところはさすがプロダイバー。

視界不良のなか大きなゴミにロープを巻き付ける(画像提供:MORE企画)

人力ではとても持ち上がらないゴミは、浮力を利用して回収します。風船のような袋をロープでゴミに巻き付け、下から空気を入れることで、重いゴミをプカプカ浮かせます。

ゴミを水面へ引き上げ陸上で待つ参加者へバトンタッチ! みんなで力を合わせて引っ張り上げます。

魚を入れておくカゴも

水中からはさまざまなゴミが引き上げられました。

魚を入れておくためのカゴ、缶・ビン、自転車、掃除機、ボウリングの玉など。

掃除機や自転車といった家庭ゴミから漁で使う物まで

それでも、海底清掃を担当したダイバーのプロフェッショナルな技術と、陸上班の活躍もあり、約1.5tものゴミを引き上げることができました。

最も引き上げが大変だったのは、船のタラップと思われる金属版で、ダイバーと陸上係の男性が数人がかりで引き上げました。

船のタラップと思われる金属板

海底清掃は、一切ケガも事故もなく無事に終了。

引き上げたゴミを見て、多くの参加者が「こりゃひでえな~」と驚き、帰り際「また活動に参加したいけど、次はいつやるの?」とたずねていたのが印象的です。

合計2時間で引き上げたゴミ 重さは約1.5t

活動自体が楽しかったこと、そして引き上げたゴミを間近で見たことで、自分にも何かができると感じたのではないでしょうか。

地元のお店・ダイビングショップ・自治体など、あわせて100人以上が一丸となった海底清掃は、お互いに助け合ったり笑いあったりして、大変ながらも雰囲気が穏やかで、大成功に終わりました。

最後に記念撮影

ゴミ拾いを仕事に! MORE企画が目指す姿

多くの団体は無償で清掃活動に取り組んでいます。しかしMORE企画は、ゴミ拾いを仕事として確立させ、継続できる仕組みづくりを目指しています。

実際に今回の海底清掃では、さまざまな協賛金や助成金を獲得して、参加したプロダイバーに謝礼を支払いました。

伊東港海底清掃の受付

自治体・ダイビングショップ・地元のお店・漁業関係者など、いろいろな立場の人を巻き込んでいるのも特徴です。

伊東ロータリークラブ(画像提供:MORE企画)

自分たちが出したゴミを拾ってきれいにすることは、とても大切なことであり、継続すべき活動です。しかし、ゴミを拾ったり処分したりするにはお金がかかります。

またゴミを拾うためには、現地の方の許可を得たり廃棄する方法を決めたり、非常に多くの手間がかかるのです。

無償で続けていくには、どうしても限界があります。

大活躍したプロダイバー

そこで代表の白井ゆみさんは、ゴミ拾いをすることで謝礼を受け取り、ゴミ拾い自体を仕事にして継続できる仕組みづくりを構築しようと考えたのです。

「伊豆半島 海ゴミ一掃PROJECT」

清掃ボランティア活動・講演活動・海底清掃を学ぶ学校の運営など、実に多彩な活動を並行して進めているMORE企画。

参加者に説明するMORE企画のメンバー(画像提供:MORE企画)

今回の伊東港海底清掃でも、本当に多くの協力者や協賛企業が集まりました。

なぜそこまで多彩な活動ができるのか、代表の白井ゆみさんに活動を始めたきっかけや、その原動力について聞きました。

右)代表・白井ゆみさん

MORE企画・白井ゆみ代表:
仕事で沼津の潜水禁止区域に入る機会があり、ゴミがたくさん沈んでいるところを目の当たりにしたのがきっかけです。加えて、以前の仕事で営業や企画にも関わったことがあったので「潜れる・企画できる・営業できる」という武器を持っていることに気づきました。そこでゴミ拾いが仕事になり、かついろいろな人や団体を巻き込めるような、ステキな仕組みづくりができるのではないかと思ったんです

協賛企業やお店から提供されたお菓子で休憩

これまでに実施した下田港や伊東マリンタウン、そして伊東港は潜水禁止区域だったため、苦労もありました。

MORE企画 代表 白井 ゆみさん:
潜水禁止区域に潜らせてもらうには、ある程度の実績や企画書を提示したうえでの交渉が必要です。現在も一般企業で働いているので、段取りから営業の仕方まで、経験を生かして柔軟に対応できたところが非常に大きいと思っています

「マンガの主人公のように困難を解決していく存在になりたい」と話す白井さん

ゴミ拾いも大切ですが、そもそもゴミをこれ以上出さないようにすることも大切。MORE企画は、「ゴミの蛇口を閉める」活動にも取り組んでいます。

また白井さんは自分が活動できなくなっても次世代へバトンタッチができるように、ゴミ拾いを仕事にして継続するための仕組みを構築しようとしています。

MORE企画の考えに共感した人は、ぜひ一緒に「ゴミと呼ばれる物のない世界」を実現させませんか。

■団体名 MORE企画
■問合せ sea.ocean.beach.2086@gmail.com
     070-7542-7902

取材/奥村奈央

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