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バツイチ女一匹、大学院での「ポンコツ商店会研究」が高評価! 学問と実践、どっちがムズイ?

コクハク

先日、京都の「城南宮」で見た満開の枝垂れ梅。まるでおとぎ話の世界。雨の日だったけど、おかげで地面の苔が濡れて艶やかになり、美しさ100倍でした。(写真:フィッシュバーン真也子/無断転載禁止)

 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりで…。

商店会活動と大学院の研究がごちゃまぜの日々

【「ポンコツ商店会」お預かりしました】

 以前にも触れましたが、わたくし、つい先日まで大学院生でした。3月15日に無事修士課程を修了し、楽しかった研究生活ともおさらば。色々学割も使えて幸せな日々でしたが、今は一般人に逆戻り…嬉しいような悲しいようなwww

 大学院での研究テーマは、このコラムの主役「ポンコツ商店会」を事例とした、商店会活性化のためのコミュニケーションデザイン。この1年、修士研究として商店会と地域の問題点や再起動への道を、客観的かつ論理的に探る傍ら、ポンコツ商店会の会長として、地道に立て直し活動を日々行っていた。

「こういう地域問題は、問題点の客観的な洗い出しをして、その解決策は、立体的っていうか多面的に考えないと、絶対途中で行き詰まるんだよねー」と、つい研究視点の発言を、商店会の助さん(元酒屋)と角さん(床屋)の前でしてしまい、「は? なに言ってんの?」とお2人から指摘されたりして。

 商店会に関する研究と商店会での実際の活動は、同じようで、実は全く異なるもの。研究には、色々な人の多様な思考が入り込まないので、結論を導きやすい。でも、実際の活動になると、十人十色の意見があっちからこっちから「ぶっ込まれてしまう」ので、いつも想定外だらけ…。

 角さんの屁理屈や助さんの能天気行動と、地域の客観的事実がごちゃまぜになって、論文を書きながら、時々何やってるかわからなくなったりwww

【初回はこちらから】“幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

会員同士のコミュニケーションの機会を増やすゲームを制作

コミュニケーションを取るってむず(写真:iStock)

 春から始まった研究も、秋になるとかなり精査されてきて、最終的にどう締めくくるかも見えてきた。机上だけでなく、日々の商店会活動のおかげで、この「ポンコツ商店会」がスムーズかつ持続的に活性していくためには「何が必要なのか?」がわかり始めた。

「会長、大学院で商店会のこと研究してるって言ってますけど、何やってるんっすか?」と角さん。

「皆さんのコミュニケーションと地域活性かな」と私。

「俺らは、結構コミュニケーションしてるよね! よく会合やってるし」と助さん。

「んー、そういうコミュニケーションじゃなくてねwww この商店会って結局コミュニケーション不足で10年止まって、色々問題が山積みになっちゃったじゃないですか!? そういう社会課題化したことをコミュニケーションをデザインすることで解決しよう、的な…」と、できるだけ簡単にわかりやすく説明したつもりだったが、「よくわかんないっすけど、で、なんなんですか?」と角さん。話聞いてなかったんかーい。

 一言にコミュニケーション不足といっても、その理由は色々。でも大抵の場合、互いの理解不足。というか、相手のことを知らない、知ろうとしない。知らなかったら、理解なんて到底無理。

 他者に興味を持ち、まずは相手を知ろうとするマインドに変換させ、そして行動変容へと導くデザインを研究していたが、これ、助さん角さんに説明してもわかんないだろーなー。

「ま、論文の他に、商店会会員がお互いのことを理解しあうための作品として、地図模型とボードゲームを作ったのよ」と私。

「大学院でゲームつくるの? なんか小学校みたいだね!」と助さん。あー、そう理解しちゃうかー、がっくし。

助さん角さんには理解不能、でも大学院では優秀作品に選出

何はともあれ、頑張った!(写真:iStock)

 お2人には、まったくわかってもらえなかったけどwww、大学院では優秀作品の一つに選ばれ、卒業制作展では代表作の一つとして展示された。その上、卒業式では代表として壇上で修了の辞も読んだ。

 人生で、晴れの舞台的なものに選ばれたのは初。修了の辞も、心を打つ内容だったと皆様に褒められ、こんなに褒められたのは小学生で読書コンクールで入賞したとき以来。

 にもかかわらず! 助さん角さんにはまったくスルーされた…まだまだ修行の足りない私だな。

助さん角さんあっての良き結果だったのか?

 ポンコツ商店会活動は、一年を経過した今もなかなかに手がかかるが、これを「研究」という形にして、違う角度から取り組んだおかげで、皆さんに認めてもらえる(助さん角さんは除く)素晴らしい成果を残すことができた。いやー、ポンコツ商店会に感謝(拝)。

 考えてみれば、コミュニケーションに問題のある商店会の張本人たち(助さん角さん)を相手に試行錯誤したからこそ、良き研究に導けたのかもしれない。ん、こういう思考回路でいくと、私が最も感謝すべきは助さんと角さんということになる?

 うわー、やだやだ、それだけはどうしても認めたくない…。

学生生活は修了、そしてこれから

 と、書くほど、なんの野望もない。ポンコツ商店会は段々と会員数も増え、皆でイベントを開催するまでになった。もはやポンコツじゃないのかも? と思う時もあるが、助さんと角さんと話すたび「これじゃダメだ」と感じる。組織のポンコツ感は、これが元凶なんだろうなー。

 これからは「役員のポンコツ脱却」が目標だな、うん。

(フィッシュバーン真也子/コラムニスト)

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