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令和6年度 支え合いのまちづくりフォーラム(2025年2月22日開催)~ ボランティアや地域活動のヒントがいっぱい

倉敷とことこ

令和6年度 支え合いのまちづくりフォーラム(2025年2月22日開催)~ ボランティアや地域活動のヒントがいっぱい

地域の役に立てる私にもできることはないかな?
どんなボランティアがあるのかな?

そんなことを考えたことはありませんか。
相談に訪れた倉敷市社会福祉協議会で、「ボランティアや地域活動のヒントがいっぱいのフォーラムがあるので、ぜひ!」とチラシをもらい、当日参加してきました。

「支え合いのまちづくりフォーラム」とは

倉敷市では、誰もが住み慣れた場所で自分らしくいきいきと暮らし、その人らしく活躍できる地域の実現への取り組みを進めています。

そのカギが「支え合いのまちづくり」です。

・人と人
・人と活躍の場
・人と支援
・人と居場所
・人と情報
・個人と専門家
・個人と企業

これらが「まるっと つながっている支え合う まち」は、土台としての地域力が強く、災害時にも強いはず。

「支え合いのまちづくりフォーラム」は、講演や実践発表をとおして、支え合い活動の魅力と効果を一緒に考える集いです。

倉敷市と倉敷市社会福祉協議会の主催により、2016年からほぼ年1回開催されています。
令和6年度は2025年2月22日(土)、くらしき健康福祉プラザ(倉敷市笹沖)で開催されました。

以下は、開催案内のチラシです。

当日のようす

会場の5階プラザホール前のロビーには、さまざまな活動の報告パネルや参加を呼びかけるチラシなどが展示されていました。

シニア世代のサバイバル男料理の会
互近助パントリーと絵手紙を送る活動
真備町の今を伝えるパネル

会場全体がとてもなごやかな雰囲気だったのが印象的でした。
参加者のなかには、すでに活動している人も多いようで、会場のあちこちで社会福祉協議会の生活支援コーディネーター談笑しています。

笑顔は地域に肥料をまいている

講演は2つありました。
最初の講演「身近なことから始まる支え合いの活動」は、mottoひょうご事務局長 栗木剛(くりき つよし)さんです。

「楽しくなくっちゃ 講演会じゃない!」がモットーで、関西弁もあいまって、会場からの笑いが絶えない楽しいお話でした。

印象に残った言葉を紹介します。

・昔は専門家育成に力を入れていたんです。でも災害が起こってわかった。少ない専門家より、ちょっとわかる人がたくさんいるほうが、災害時に活躍してくれて力になる
今日はちょっとええことした~、あの人にありがとう言うてもろた、と笑顔でいることもボランティア活動
・地域活動をしているかたは、謙遜して「たいへん、しゃあないから」と言うのでなく、楽しそうなオーラを出して!
あの人楽しそうにやっているなあ~と周りに思ってもらえたら、後継者や仲間も増える
笑顔は地域に肥料をまいているんです

「ごちゃまぜ」に暮らせる地域をめざす

次の講演「多様な協働から広がる支え合い活動」は、大阪市住吉区のお寺、願生寺住職大河内大博(おおこうち だいはく)さんです。

お寺を地域に開き、「“もうひとつの”地域包括ケアをお寺に!」をスローガンに、誰もが「ごちゃまぜ」に暮らせる地域をめざし活動しています。

活動を始めたきっかけは、「風景としてのお寺でなく、地域にとってメリットのあるお寺であれば、お寺も活性化するかもしれない」との思いだったそうです。

特に私が印象深かったのは、「地域のこどもたちと医療的ケア児との交流プログラム」。

防災プロジェクトの一環での取り組みで、最初の構想は「医療的ケアが必要な子どもたちを災害時にお寺で看ること」だったそうです。しかし、検討を重ねた結果、人工呼吸器や胃ろうなどを使用する子どもたちを看ることは、医療設備が整っていなければ無理と判明します。

しかし、「相手のことを知らないから何をやったら良いのかわからないのであって、普段から知り合っていれば、できることがわかり手伝えることもある」と大河内さんは考えました。

その発想から、医療的ケアの必要な子どもと必要でない子どもや地域住民みんなが一緒に過ごし出会うごちゃまぜ」の機会を設ける取り組みをはじめたそうです。

29年続くボランティアグループ

続いて実践発表が2つおこなわれました。

最初は、気心の知れた仲間で無理なく一歩踏み出したボランティアグループ、「ブーケの会」です。

29年続くボランティアグループ「ブーケの会」のメンバー 画像提供:ブーケの会

愛育委員を一緒に務めた仲間と地域のために何かできないか……、と始めて29年続いている活動です。

メインの活動は月1回の「お食事会&ふれあいサロン」。
「一人で食べるより誰かと食べて温かいものを食べる幸せを提供しよう」と、メンバーの話し合いのなかで自然に出たアイデアです。

できたてを食べてもらえるように もりつけは直前に 画像提供:ブーケの会

29年続いているコツを次のように明るく発表していました。

・できないこと・やりたくないことはしないという基準と、あきらめない気持ち
・お互いを認め合って各自の特技を生かす
献立が得意、もりつけが得意、場を盛り上げるのが得意、いろいろなメンバーがいます

食材を提供してくれる協力者も多く ボリュームまんてん 画像提供:ブーケの会

信用金庫が学童保育?

実践発表の2つめは企業の活動事例です。企業の得意な分野や資源を生かして地域の課題に向き合いニーズに応えている玉島信用金庫が紹介されました。

地域によって住民の年齢層や抱える課題はさまざまです。

20の支店がそれぞれ独自に企画・実行し、2024年度は9月末までに41件の企画が実行されたそうです。
そのなかから2例の紹介がありました。

船穂支店のマルシェ

支店の広い駐車場を活用。出店者も増えてにぎやかなマルシェに 画像提供:玉島信用金庫

船穂地区にはスーパーマーケットなどがなく、高齢者は買い物に行くにも不便です。

そこで、支店の広い駐車場を利用して、食品を販売する店に出店してもらうマルシェを企画。
ほぼ毎月の定期開催により、今では若い世代も増え、人が集まるコミュニティになっているそうです。

八王寺支店の「たましんサマースクール」

学童保育がお休みとなるお盆、支店2階の広い部屋を活用。スイカわりもやりました! 画像提供:玉島信用金庫

倉敷市八王寺は子育て世代が多い地区ですが、お盆は学童保育がお休みです。保護者からは「仕事があるから子どもを一人で家に置いておくのが不安」という声。

そこで、「信用金庫にお盆休みはない。2階に広いスペースがある。たましんでお子さんをお預かりすれば保護者のかたも安心して仕事にいけるのでは」と企画しました。

参加した子どもたちからは「いつもと雰囲気が違って楽しい」、「信用金庫の人が一緒に遊んでくれて楽しかった」と好評だったそうです。

生活支援コーディネーター

人と人・場所・情報などを「つなぐ専門職」として、生活支援コーディネーターの紹介がありました。

生活支援コーディネーターは、倉敷市を5つの地区に分けて、各地域に1名と全市の担当者がいます。

会場では、担当地区名と名前を大きく書いたカードを首から下げて 参加者との交流を深めていました。

自分の住んでいる地域の活動について知りたい、ボランティアに興味がある、近所のあの人が困っていることをなんとかしたい……そのような段階から相談にのってくれる頼りになるかたがたです。

おわりに

フォーラムにはいろいろなヒントがあり、刺激と元気をもらいました。

一人で悩まなくていい、一人でがんばらなくていい、自分でいきなり始めなくていい。
「どうしようかな?」と思ったら、倉敷市社会福祉協議会の生活支援コーディネーターに相談できることも教えてもらいました。

私は最近「おそらくずっとこのまちに住むんだろうな」と思うようになってきました。今後も地域活動まちづくりに注目していきたいと思います。

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