【鎌倉 イベントレポ】なみおと盆踊り祭 ‐ 波の音とともに紡がれる、鎌倉の新しい風物詩
なみおと盆踊り祭、通称 “なみぼん” は2025年10月18日(土)に鎌倉の稲村ケ崎公園で開催されたお祭りです。2022年の第1回から数えて、今年で4回目の開催となりました。
本記事では、2025年の“なみぼん”を支えた学生たちの活動を通して、“なみぼん”というお祭りが持つあたたかさと未来への広がりをレポートします。
主催者の思いを紹介した別記事「小川コータさんにインタビュー(2025年9月25日掲載)」も、ぜひあわせてご覧ください。
海に浮かぶようなステージ
江ノ電・稲村ケ崎駅から徒歩6分。公園入口には、鎌倉竹部が製作した竹細工が揺れるゲートが迎えてくれます。
画像出典:Miki Anzai
奥に進むと、目に飛び込んできたのは江の島を背景にした、海に浮かぶようなステージで、波の音を聞き、潮風を感じながら、ライブやダンスを楽しむことができます。
会場にはさまざまなブースが立ち並び、その中でもひときわ生き生きとした表情を見せていたのが、学生たちのブース。防災、環境、救護——それぞれの専門性と想いを胸に、3つの団体がなみぼんを支えていました。
Genkai(玄海)は防災を楽しく学べるブースを提供
防災普及学生団体 Genkaiは、学生たちの「好きなこと(興味)」×「防災」をテーマに活動を行っています。
消火器の使い方体験では「ピンポンパン」のかけ声とともに、小さな子どもが楽しそうに挑戦していました。
簡易担架の実演もありました。小学校への出張授業「防災運動会」でも簡易担架リレーや消火器体験を通して、防災について楽しく学ぶ機会を提供しているそうです。
防災という“少し堅いテーマ”を、遊びながら学ぶ体験に変えていたGenkai。
楽しそうに体験する子どもたちの姿から、「防災をもっと身近にしたい」という学生たちの想いが伝わってきました。
ニューコロンブスは海の環境について考えるブースを提供
隣のブースには、学生団体ニューコロンブス。
コロナ禍で学生コミュニティが激減したことをきっかけに設立し、「学生のやりたいことを形にする」活動を鎌倉地域で行っています。
ブースでは海洋ゴミ問題でも有名なマイクロプラスチックを溶かして再利用したキーホルダーを販売していました。
画像出典:なみおと盆踊り祭実⾏委員会
ニューコロンブスの市川さんは、「このキーホルダーをきっかけに、マイクロプラスチック問題に興味を持ってくれる人が増えたら嬉しい」と話してくれました。
「環境を守る」だけでなく、「人と自然がつながり続ける未来をつくりたい」。そんな想いがにじむ学生たちのブースでした。
KANAGAWA FIRST AID TEAM(通称KFAT )は救護ブースを提供
KFATはイベント救護を行う団体で、看護学生や救命学生、看護師や救急救命士で構成されています。なみぼんでも救護ブースを提供していました。
KFATでは、移動式救護所として使う救急車も保有され、「なみぼんの会場近くの駐車場にもその救急車が待機していますよ」、とKFATの池田さんが教えてくれました。※なみぼんでは駐車場のご用意はありません。
来場者の安心を守る姿は、表には出ないけれど、お祭りを支える大切な一部。そんな支え方から、なみぼんらしさが感じられました。
イベントの運営面でも若きチカラが活躍
Genkaiやニューコロンブスの学生たちは、最寄り駅からの誘導や会場内の階段通行の整理など、会場の至る所でも活躍。
また、環境に配慮した「かまくらスチールカップ」の販売のお手伝いをする学生の姿もありました。
ニューコロンブスの市川さんが、「私たちは人材派遣をする団体ではなく、地域のつながりがあるところへボランティアとして貢献しています」と話してくれた通り、地域のみなさんといい関係を作り、発展させて行きたいというフレッシュな熱量が伝わってきました。
みんなで作り上げるお祭り、なみぼん
今回は学生団体を紹介しましたが、他にもたくさんのボランティアの方々が運営に関わり、また、地元の企業やお店が「うちわくじ」の景品パートナー、祭りの協賛パートナーとしてなみぼんを応援しているそうです。
学生たちが見せてくれた“助け合い・つながり・楽しむ心”。その姿こそが、なみぼんの本質を映しているように感じました。
その思い・熱量がどんどん地域に波及し、そして来年もよりパワーアップしたなみぼんが帰ってくることを期待しています!
画像出典:Miki Anzai
なみおと盆踊り祭
開催日時
2025年10⽉18⽇(⼟)
OPEN 11:00
CLOSE 19:00(ステージは 18:30 まで)
開催場所
〒248-0024 鎌倉市稲村ガ崎1丁⽬19 稲村ケ崎公園(鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区)
主催
なみおと盆踊り祭実⾏委員会