Yahoo! JAPAN

鬼退治の伝説から生まれた岩瀬の名物「飛だんご」 添加物なし味わえるのは約3か月【七福亭】伝統の味を受け継ぐ江戸末期創業の老舗店

nan-nan 富山の情報

鬼退治の伝説から生まれた岩瀬の名物「飛だんご」 添加物なし味わえるのは約3か月【七福亭】伝統の味を受け継ぐ江戸末期創業の老舗店

富山市北部の岩瀬エリア。

日本海沿岸や北海道の米や魚を上方へ運ぶ北前船の寄港地として江戸時代から栄え、明治期に建てられた廻船問屋や土蔵などが建ち並ぶノスタルジックなまちなみが観光客にも人気のスポットです。

 

そんな岩瀬には、この地域に古くから言い伝えられる話にちなんだ名物の“だんご”があります。

それが「飛だんご」です。

江戸末期創業 伝統の味を受け継ぐ「七福亭」

「飛だんご」を販売しているのは、港の灯台の役割を担っていたとされる「常夜燈」をモチーフにした富山港展望台から200mほど、富山市岩瀬港町にある七福亭です。

 

創業は江戸末期と言われ、飛だんごを作り続けて150年以上の老舗だんご店です

板塀に白い壁、昔ながらの町家風が残る佇まい。

 

店内もふらっと立ち寄ってベンチに腰かけてお茶やだんごを味わいたくなるようなすっきりした雰囲気。テーブルに置かれたうちわや季節の花々にほっとひと息つける空間が広がっています。

富山米100% 黒砂糖の風味香るあんこ&きな粉

こちらが、名物「飛だんご」。

 

名前の由来は、今から数百年前のある伝説にちなんでいると言われます。

鬼退治伝説にちなむ“魔除け”の飛だんご

言い伝えでは…

 

岩瀬の海岸にはうっそうとした松林が続いていて、恐ろしい魔物が住みついていたそうな。その魔物退治に出かけた大村城(東岩瀬地区にあった)の城主・轡田豊後守(くつわだぶんごのかみ)が、雲間から飛んできた“だんご”を食べるとたちまちに力が湧き、魔物を退治することができた…とか。

  この伝説にちなみ、岩瀬では魔除けや厄除けとして“飛だんご”を食べるようになったと言われています。

「昔は、飛びだんごを作っているお店がこのあたりに数軒あったんですけどね。今は、うちだけ」

 

こう話すのは、「七福亭」で50年以上にわたってだんごを作り続ける古部昌子さんです。

 

「だんごには地元のコシヒカリ100%、うるち米を使ってます。米粉を熱湯でこねたあと、2時間ほど蒸して、お餅にようについていきます。生地を少し休ませたあとに、もう1回、ついていきます」(古部さん)

 

手間暇をかけて丁寧に作られる飛だんご、作業は深夜2時から始まるんだそう。

 

「そうしないと、朝8時の営業に間に合わないもんだから」と、古部さんがやさしくほほ笑みます。

仕込みは深夜2時 朝の開店時からひっきりなしに

注文を受けてから、黒砂糖入りの手作りあんこときな粉をまぶして完成。

 

弾力のある食感とお米のおいしさをしっかりと楽しむことができます。

あんこもきな粉も黒砂糖のコクのある風味と甘味があり、だんごとのバランスが絶妙です。

飛びだんご 1個90円(税込)

地元の人はもちろん、市外から訪れる人も多く、朝8時の開店からお客さんはひっきりなし。

 

店内で食べることもできますが、手土産にする人も多く、中には50~60個まとめて買っていく人もいるんだとか。

添加物は一切なし やわらかさが保てる夏の約3か月だけの味覚

添加物は一切入っておらず、すぐに固くなってしまうため、冬期間の販売は行っていません。

 

「昔は5月から販売してたんですけど、体力も衰えてきたから7月からにさせてもらってます」(古部さん)

 

2025年は、7月1日から10月10日までの営業です。

伝統の味を守り続ける古部さんの地元愛もたっぷり。午前中で売り切れてしまうことも多いそうですが、港町の散策と合わせて楽しんでみては?

【七福亭】
住所 富山県富山市岩瀬港町36
営業時間 8:00~なくなり次第終了
定休日 日・水・木曜

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 8/29キックボクシングイベント『KNOCK OUT.56』開催決定! チケット販売は7/22から

    SPICE
  2. <マリンレジャーの参考に>海水浴に行きたい!おすすめのきれいな海水浴場はどこ?【東日本エリア編】

    ママスタセレクト
  3. ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2025、キャラクタービジュアル等最新情報が発表

    SPICE
  4. 朝食におすすめ。覚えておきたい「小松菜」のめちゃめちゃウマい食べ方

    4MEEE
  5. ダッフィー&フレンズ20周年の秋グッズ「ウィッシング・ウィングス」8/28発売

    あとなびマガジン
  6. 【大人の沖縄】本当は教えたくない沖縄の小さな宿おすすめ8選。宿主の顔が見える唯一無二の楽園へ

    さんたつ by 散歩の達人
  7. Netflixが体験型エンタメ施設「Netflix House」をラスベガスにも開業

    タイムアウト東京
  8. サンリオ×SWIMMER ビニール加工バッグやレトロ喫茶風コラボグッズ発売

    あとなびマガジン
  9. 夏休みは明日香村の「万葉文化館」でわくわく体験!巨大めいろにも挑戦しよう!【にぎわいフェスタ万葉 夏】

    奈良のタウン情報ぱーぷる
  10. 「アキラとして板の上に立ち、実際に動いた時、原作を愛するファンの皆さんの期待を遥かに超えてみせたい」~激情バニッシュ演劇「咎狗の血」主演・高橋祐理インタビュー

    SPICE