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【大人の沖縄】本当は教えたくない沖縄の小さな宿おすすめ8選。宿主の顔が見える唯一無二の楽園へ

さんたつ

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限られた客室数だからこそ、宿主の個性とおもてなしが光る小さな宿。秘密にしておきたい気持ちをぐっとこらえて。地元を知りつくした沖縄在住のライターさんや『旅の手帖』編集部が選んだ、とっておきの宿を案内しちゃいます!

陽瑠寝~hirune~(ひるね)

人懐っこい宿主が家族のようにお出迎え『宇望庵(うぼうあん)』【今帰仁村古宇利島】

“わが家の別荘”気分でくつろげる空間が評価され、旅行新聞新社主催の2025年「日本の小宿」10 選の1つに。“古宇利ブルー”を横目にベッドでごろり。
宜名真盛男さん・幸子さん夫妻のかけ合いも楽しい。「私たち自身が一番人との出会いを楽しんでいます」。

エメラルドブルーの海に囲まれた古宇利島(こうりじま)。夏にはヤドカリが100匹近く訪れるという宿の敷地に足を踏み入れると、不思議な懐かしさを覚える。

コンドミニアムタイプの客室には、のんびり島暮らしを満喫できる設備が充実。バルコニーに出ると、海の近さに思わず声を上げた。周辺離島を結ぶフェリーが行き交うシーンも優雅だ。

生まれも育ちも沖縄の宿主・宜名真(ざなま)盛男さんは、「この部屋があるおかげで、全国から来る人たちと友だちになれるわけさ」と笑う。

サービス精神が旺盛な盛男さん。初来島と聞けば、はりきって島内ツアーに連れ出してくれるはずだ。神話の伝説が残る洞窟や神聖な御嶽(うたき)、崖下のシークレットビーチと、隅々までガイド。

さらにバーベキューの炭おこしやマリングッズの用意まで。常連ゲストとは、夕食や周辺観光をともにすることも多いらしい。そんなおもてなしの数々に、ふわっと心が解ける。

見送り時には「髪飾りに」と真っ赤なハイビスカスをくれた。

帰りの車内では「あ〜、楽しかった」とひとり言をポツリ。すでにあの笑顔が恋しくて、本当に素敵な時間を過ごせたのだと実感した。また会いに行きますね!

一杯で1日寿命が延びる!? 長命草スムージーが出ることも。
敷地内のプライベート釣り場。
妻・幸子さんの美容室兼陶芸ギャラリーものぞいてみて。

『宇望庵』施設詳細

宇望庵(うぼうあん)
住所:沖縄県今帰仁村古宇利31-1
/アクセス:那覇空港から車1時間28分

特別なことをしなくても心が静かに満ちてゆく『海坐(かいざ)』【南城市】

簡単なトレッキングコースも整備されている裏山の中間に、ガジュマルのツリーテラスを発見。沖縄の精霊・キジムナーになったよう!
本館の朝食は焼きたてパンが評判の洋食または和食を提供。
本館は水回りが共用。肘掛け窓から夕焼けや月を眺め、朝は高窓から差す光で目を覚ます。

沖縄県南東に位置する南城市。地元で「さちばる(岬の原)」と呼ばれる、地域を見晴らす小高い丘に、その宿はひっそりと佇む。

琉球石灰岩の階段を約70段上った先には、島ぞうりが並んだ縁側が。さらに奥へ進むと、貸切制の露天風呂、鳥や虫たちが集うプライベートな森が広がる。

もともとここを見つけたのは、初代宿主の中野健二さん。鬱蒼とした森林の間にぽっかり視界が開けた場所があり、まるで海に座っているように見えたのだとか。

その後、職人が手作業で資材を運ぶなど、傾斜地ならではの課題を乗り越え、2008年に本館をオープン。日々愛情を込めて手入れされており、いまも凛とした美しい空間に保たれている。

本館の4室には、テレビや冷蔵庫、時計すらも置かず、日常を極力排除。ゆえに、窓辺で奥武島(おうじま)一帯を囲む海をぼーっと見つめ、鳥の歌や葉擦れの音にじっと耳を傾ける余白のひとときが生まれるのだろう。

「毎年『ただいま、帰ってきたよ』と、うちの父と母を訪ねてくる方もいるんですよ」と話すのは、2代目夫妻。都会の喧騒を忘れられるシンプルだけど贅沢な時間を気に入り、常宿にする人が多いのにも納得だ。

自炊可能な別邸(上写真も)には地元陶芸家の器も。
中庭には南国植物がいっぱい。

『海坐』施設詳細

海坐(かいざ)
住所:沖縄県南城市玉城玉城56-1/アクセス:那覇空港から車30分

もふもふ接客&美食に誰もがにっこり『FOUR ROOMS』【本部町瀬底島】

角部屋の2方向に開けた窓や、ハンモックが揺れるバルコニーから、平たい形の瀬底島全 体を見渡せる。空と緑と水平線の大パノラマを独り占め。
のどかな島景色とハイレベルな料理を満喫しよう。

世界中を旅した“ナベさん”こと渡邉修一さんが、「自分が泊まるならこんなところ」と理想を形にした宿。ここ瀬底島(せそこじま)で目にした夕日に心奪われたことがきっかけだ。

当初は4室でスタートしたが、現在は基本的に1室、場合によっては2室までを開放する。

宿に到着するや、ゴールデンレトリバーのインディ君が駆け寄りお出迎え! さすが3代目看板犬、ゲストのツボをしっかり心得ている。一緒に朝の散歩をするのも楽しそうだ。4匹のニャンズも館内を巡回しており、客室でよく添い寝をしてくれるとか。

夕食はアジアンな空間で、イタリア×沖縄のフュージョン料理に舌鼓を。ナベさん・久美子さん夫妻、友人が交代で腕を振るい、日替わりメニューを提供する。

ある日のコースでは、本部町産マグロやパインなどで仕立てた前菜を堪能。一日の締めくくりに、絶景ジェットバスで満天の星を仰ぎながらワインをごくり……も叶う。

うちなー家庭料理や異国感漂うカレーが登場する朝食も評判だ。

日中は野鳥を観察したり、島随一のサンゴ礁やウミガメが生息する秘密のビーチをシーカヤックで探訪したり。島内だけで豊かな滞在時間を過ごせるはず。

屋上のジェットバスは利用時間を予約すれば、湯を張ってスタンバイしてくれる。
猫・寅次郎君と看板犬のインディ君にやさしいまなざしを向けるナベさん。「犬猫好きの方が自然と集まってきます」。
トイレ・シャワーは部屋外に。

『FOUR ROOMS』施設詳細

FOUR ROOMS(フォー ルームス)
住所:沖縄県本部町瀬底4588-1/アクセス:那覇空港から車1時間32分

自然体でのびのび。広い空と海に憩う『沖縄のひとつ宿tinto*tinto(ティント ティント)』【今帰仁(なきじん)村】

デッキテラスでゆ~らゆら。オーシャンビューがいつもそばに。今後はパーラーもオープンするかも?
「開業当初1歳だった息子を知る常連さんもいるんですよ」と、宿主の江本祐介さん・文子さん夫妻。「大人のひとり旅もファミリーも歓迎です♪」。

横浜出身の江本夫妻は、ふんわり笑顔が印象的。妻の文子(あやこ)さんは元幼稚園の先生で、オーストラリアでのワーキングホリデーが大きな分岐点に。

「子育てするなら海外のようにゆとりある環境で」と、結婚と同時に沖縄へ移住。生活の基盤を整えたのち、2010年に開業した。

宿名は沖縄方言の響きもかわいらしい。意味は「ティン(天)とティント(空)」だ。

和洋室1と和室2のいずれも「子連れにやさしい、ナチュラルテイストな空間」を意識。部屋の中からアマハジ(沖縄の民家にある軒下空間)へ、さらにその先の古宇利島が浮かぶ海へとひと続きにつながった、とびきりの開放感を味わえる。

サンライズも感動的なので、滞在中に一度は早起きしたい。

朝、太陽の光を浴びてうんと背伸びしていると、ルームサービスが届く。「天然酵母豆乳パンサンド」や「ポークたまごおにぎり」などが日ごとに提供されるので、当日木箱を開けるまでお楽しみに。

「沖縄に根ざしたいいものを届けたい」という思いから、食材や器も丁寧にセレクトしているとか。

お腹を満たしたら「ウッパマビーチ」の散策や、夏は海遊びをするのがお決まりの楽しみ方だ。

起きたら窓を全開にして、さわやかに食事を。
ショップには朝食でも使われている『双子堂』のやちむんや『彩砂(るり)』の琉球ガラスなど、人気工房の作品が並ぶ。一点もののお土産をお買い逃しなく。

『沖縄のひとつ宿tinto*tinto』施設詳細

沖縄のひとつ宿tinto*tinto(ティント ティント)
住所:沖縄県今帰仁村渡喜仁385-1/アクセス:那覇空港から車1時間30分

いい気に包まれて自分時間を過ごす『muchos.vientos(ムチョス ヴィエントス)』【読谷(よみたん)村】

1階のレンタルスペースでは、朝に無料提供するコーヒーとフルーツを味わえる。

宿主夫妻が温かく迎える宿の名は、スペイン語で「たくさんの風」の意味。

体に負担のない建材で造られた空間には、紅型(びんがた)作家・新垣(あらかき)優香さんの作品などが配され、こだわりが満載。

時おりチリン……と鳴る風鈴の音、鳥のさえずり、海と緑の眺めに心癒やされる。

3つの客室はテレビやWi-Fiもつなげておらず、デジタル機器から離れた滞在が叶う。

「宿周辺をめぐる“欲張らない旅”がおすすめ」と、妻のミツヨさん。

以前ここで大量の本を読み耽って過ごしたという男性客に倣って、ゆったり好きなことを堪能できたらどんなに素敵だろう。

アーユルヴェーダのトリートメント、ヨガ、石鹸の手作り体験も。沖縄素材を使った夫・ガクさん特製の石鹸はお土産にぴったりだ。

『muchos.vientos』施設詳細

muchos.vientos(ムチョス ヴィエントス)
住所:沖縄県読谷村瀬名波714-1/アクセス:那覇空港から車1時間

ディープな体験が旅慣れた人を魅了『海ぶどう農園 海ん道ゲストハウス Uminchi Sea Side House(ウミンチ シー サイド ハウス)』【糸満市】

海ぶどう摘みとり&すくい体験は、「生海ぶどうソフトクリーム」付き、宿泊とは別で中学生以上3300円。「朝採れぷちぷちの海ぶどうがたまらない」。

「海ぶどうの魅力を届けたい」という理念のもと、養殖場を始めて以来、次々とユニークなコンテンツを生み出している複合施設。

木造のゲストハウスは、ビーチまで徒歩数十秒! 自然との調和を大切にした、内と外との境界を感じさせないシームレスな造りが特徴だ。

客室内キッチンで自炊をするもよし、地元スタッフとの交流も楽しい併設店で、海ぶどうの卵かけご飯や沖縄そばなどを味わうもよし。

砂浜でドラマチックな光景を目の前にシェフの料理を堪能するサンセットディナーや、木造漁船・サバニ乗船ツアーなど、プレミアムなプランも。

宿泊は2組まで受け入れ。
無人島近海でのSUPやカヤックのほか、海辺のディナープランも人気。

『海ぶどう農園 海ん道ゲストハウス Uminchi Sea Side House』施設詳細

海ぶどう農園 海ん道ゲストハウス Uminchi Sea Side House(ウミンチ シーサイド ハウス)
住所:沖縄県糸満市真栄里1931/アクセス:那覇空港から車18分

生きた木の中にある、旅人の休息地『ツリーハウスホテル 森の巣箱』【今帰仁村】

やんばるの木に抱かれて“泊・食・癒”を楽しめる空間。
カフェとサウナは宿泊客以外も利用でき、カフェではひよこ豆のペースト「フムス」や、シェフの佐藤雄治さんが選んだ珍しいお酒などを提供。

先代のおじぃの思いを受け継ぐツリーハウスの中には、一日1組を迎える秘密基地のような客室が。

真っ先に目に入るのが、床から屋根まで突き抜ける巨木だ。太くたくましい木の幹は春には新芽をつけ、夏に向かって大きく葉を広げていき、四季折々の表情を見せてくれる。

穏やかな羽地内海(はねじないかい)を見下ろすバルコニーは、朝日を望む特等席に。夜に星を見上げてグラスを傾けるのも一興だ。

併設するカフェでお腹も満たし、サウナでは“ととのう”こともできる。

せっかくなら長めに休暇をとって、木の中に籠りながらゆっくりと羽を休めていくといい。

サウナは一日2枠貸切制で宿泊者は8000円~。

『ツリーハウスホテル 森の巣箱』施設詳細

ツリーハウスホテル 森の巣箱
住所:沖縄県今帰仁村湧川699/アクセス:那覇空港から車1時間22分

“何もない”がずっと心に残る思い出に『陽瑠寝(ひるね)~hirune~』【本部町】

宿名は「太“陽”と“瑠”璃色の海、畳で“寝”るひとときを体感してほしい」と命名。

むかしの面影を残しながら、ほぼ手作業で改修した築70年の琉球古民家は、最大6名まで宿泊可能。

部屋にテレビがなく、過ごし方はシンプル。ゆえに星空の下で家族や友人と語らったり、みんなで川の字になって寝たりと、そんな何げない瞬間が愛おしく思えるだろう。

「人とのふれあいこそ旅の醍醐味」と話す上地(うえち)さん夫妻が、初日の挨拶や最後の見送りに来てくれるのもうれしい。

便利な生活に慣れすぎると、一見何もないように映るかもしれない。けれどここで暮らすように過ごすうち、普段見逃していた小さな宝物があふれていることに気づく。

ウッドデッキや屋根付きバーベキュースペースもあり。
約200坪の庭にブーゲンビリアやバナナの花などが美しく咲き誇る。

『陽瑠寝~hirune~』施設詳細

陽瑠寝~hirune~(ひるね)
住所:沖縄県本部町謝花121/アクセス:那覇空港から車1時間36分

取材・文=喜屋武ゆうな
撮影(『海ぶどう農園 海ん道』『ゲストハウスUminchi Sea Side House』『ツリーハウスホテル 森の巣箱』『陽瑠寝~hirune~』を除く)=松本佳恵
『旅の手帖』2025年6月号より

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