犯人の特定だけじゃない?!犯人の居住地などを推定する地理的プロファイリングとは?【図解 犯罪心理学】
犯人の居住地などを推定する地理的プロファイリング【図解 犯罪心理学】
犯人の拠点と犯行現場の関係性
プロファイリングは、犯行を行った人物の特定だけでなく、その居住地(拠点)や次の犯行地の推定にも使うことができます。それが、地理的プロファイリングです。こちらもリヴァプール方式と同じく、カンターによって開発されました。
この方法の基本的な考えは、連続犯罪の犯行地点を結ぶもっとも長い線を直径とした円を描いたとき、犯人の拠点はその中に存在するというものです。これを円仮説と言います。連続放火事件に関しては、約70%がこの仮説に当てはまるとされています。
この仮説の問題点は、探索しなければならない地点が広大になってしまうことです。そのため、犯人の拠点を推定することが重要になります。ここで用いられるのが、その円の中心に犯人の拠点があるとする円心仮説や、犯行地点の偏りを考慮した重心仮説などです。また、犯人は自身の拠点の周辺では事件を行わないとされています。このエリアをバッファゾーンと言います。つまり、犯行が行われるのは円仮説の範囲内で、かつバッファゾーンに含まれないドーナツ状のエリアということになります。
地理的プロファイリングでは、犯人の拠点特定に加え、次の犯行地点を予測することなども行われています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』