【相模原市】 子どもたちに本を届ける CFで寄付呼びかけ 12月まで
30冊ほどの本を1つの箱にまとめ、子どもたちが集まる公共施設へ定期的に提供・循環させる事業「くるくるとしょかん」(子ども読書資料循環制度)の充実化へ向け、相模原市はインターネット上で協賛者を募るクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税で寄付を呼び掛けている。12月14日(日)まで寄付を受け付け、集まった支援金は新たな図書の購入などに活用される。
自宅の近くに図書館や公民館がない子どもや、1人で図書館を訪れることができない子どもは本に触れる機会が少ない。「くるくるとしょかん」は、そうした子どもたちに本と出合う機会を創出しようと3年前に始まった。現在、市立保育園や児童クラブ、こどもセンターなど約120の施設で2カ月に1度、30冊から35冊の本が収まった箱が循環している。
届けられる本は図書館司書が選定しているほか、アンケート調査で子どもたちが求めているジャンルを把握し、選書に生かしている。図書館では、本のセットを保育園児向け、児童向けといった具合で160ほど用意している。
今年度の事業予算は約350万円。その大半が、本が収まった箱を次の施設に運ぶ際に発生する運搬経費として委託民間事業者へ支払われる。図書の購入は2年に1度。昨年は100万円ほどの予算で850冊ほどの本を新たに購入した。
多くの子どもたちに本を手にしてもらうという本来の主旨が進むにつれて、書籍の破損も増えている。「嬉しい悲鳴」ともいえる状況だが、買い替えには予算が必要。また事業を効果的に持続させるためには、一定数の本の入れ換えが必要で、新たな財源確保が課題のひとつだった。
そこで、自治体や返礼品ではなく寄付の使い道から寄付先を選ぶ「クラウドファンディング型ふるさと納税」に活路を見出した。
100万円を目標に、9月中旬に寄付の受付を開始。12月中旬まで受け付け、集まった寄付金は同事業用の図書購入費などに充てられる。