【聖地巡礼】喜多方ラーメン坂内の原点「坂内食堂の支那そば」はシンプルにして究極だった / 福島県喜多方市
北は岩手県から南は福岡県まで約70店舗を展開しているラーメンチェーン「喜多方ラーメン坂内」。その原点にして聖地と呼ばれるのが、福島県喜多方市の坂内食堂である。ラーメン好きなら1度は訪れてみたいと夢見る場所ではないだろうか。
そんな憧れの地に……ついに足を運んできたぞ! 果たして坂内の聖地はどんな空気をまとい、どんな体験を与えてくれるのか。究極の一杯をすすってきたので報告したい!
・喜多方ラーメン
坂内食堂は、JR磐越西線(ばんえつさいせん)の「喜多方駅」から徒歩でおよそ15分、磐越自動車道の「会津若松インター」から車で約22分ほどの場所にある。
今回は車で訪問したのだが、平日の16時過ぎという時間帯だったこともあり、行列に並ぶことなく入店できた。休日や昼時や長蛇の列ができると聞いていたので幸運だったと言える。ここが坂内の「はじまりの場所」か……とても感慨深い。
暖簾には「坂内食堂」「支那そば」の文字……昭和から続く老舗の風格をこれでもかと漂わせている。長年の歴史が静かに語りかけてくるようだ。普段は入口脇のベンチで待ち時間を過ごす人々で賑わうのだろう。
・いざ聖地へ
店内に入ると、壁一面に飾られた無数のサイン色紙が目に飛び込んできた。芸能人や著名人が取材やプライベートで数え切れないほど訪れた証であり、まさに聖地たる証だ。
テーブル席や小上がりが並ぶ昔ながらの食堂スタイルでどこか懐かしい雰囲気。厨房からはスープの香りが漂い、席についた瞬間から期待感が一気に高まる。注文したのはもちろん原点の味「支那そば(850円)」だ。
・支那そば
そして運ばれてきた1杯。澄み切ったスープに浮かぶ麺とチャーシュー。見た目は限りなくシンプルだが、旅の高揚感も相まって神々しさすら感じられる。まさにレジェンドの風格。圧倒的オーラ。
黄金色に透き通ったスープをひと口飲んでみると、あっさりしているのにコクがある……まさに「毎日食べても飽きることのない味」。雑味が一切ない。飲むほどにじんわりと身体に染み渡っていく。
そして喜多方ラーメンの命「平打ち熟成多加水麺」は、箸で持ち上げると艶やかに輝き、すすればつるりとした喉ごしとモチモチの弾力が広がる。本場はマジでツルッツル……ただのラーメンではなく、歴史そのものを食べているような感覚だ。
トロうま特製チャーシューは、名前のとおり脂がとろけるように柔らかく、それでいてしつこさがない。噛むたびに肉の旨みがじんわりと広がり、スープと麺を引き立てる役割をしっかりと担っていた。ボリュームも十分で満足度が非常に高い。
・通いたい
見た目、香り、味、食感、すべてが研ぎ澄まされていて無駄がない。坂内食堂の「支那そば」はまさに喜多方ラーメンの完成形であり、坂内の原点であった。食べ終えた瞬間から「マジで通いたい」と思わせる力がある。女性ウケもきっと良いだろう。
全国に広がる坂内の味はどこでも安心して楽しめるが、本店でしか感じられない空気と重みも確かにある。喜多方の街並みとともに味わう1杯は特別だ。聖地巡礼にふさわしい体験だったので皆さんにもぜひオススメしたい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名:坂内食堂
住所:福島県喜多方市字細田7320番地
時間:7:00〜18:00
休日:水曜・木曜(公式サイトにカレンダーあり)
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.