58歳、塾講師の《リアル貯金額》。介護費用も学費も心配……。年金受給も悩みます【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【58歳 男性】
【貯蓄額】58歳、男性の場合
プロフィール
58歳、男性
塾の講師兼人事総務経理、年収600万円
母(88歳、無職)、妻(49歳、契約社員)、長男・次男(ともに12歳、小学生)の5人暮らし
【相談内容】年金はいつから受け取ると得でしょうか?
「以前勤めていた職場のストックオプションで株を得て、それを売却したことで今の資産ができました。しかし、介護費用や家の改修費用で預金を取り崩さなければなりません。子どもが私立に進学する可能性もあります。その場合、年金はいつから受給するのが得でしょうか?」
現在の資産額の水準は?
質問者さんと同年代である50代2人以上世帯の貯金額は、平均が1,147万円、中央値が300万円です。
質問者さんの資産額は2億5千万円で、これは平均貯金額の約21.8倍、中央値の約83.3倍となります。
*……参考https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2023/23bunruif001.html
年金受取開始のベストタイミングは?繰上げと繰下げの違いを解説
質問者さんは、年金の受取開始時期についてお考えなのですね。
年金の繰上げ受給と繰下げ受給とは?
年金は通常65歳から受給が開始されますが、60歳から75歳の間で受給開始年齢を選ぶことができます。
受給開始を早める「繰上げ受給」では年金額が減少し、遅らせる「繰下げ受給」では増額される仕組みです。
繰上げ受給のメリット・デメリット
【メリット】
早くから年金を受け取れるため、資金が必要な場合や余暇を充実させたい場合に役立ちます。
【デメリット】
60歳から年金を受け取る場合、受給額は最大で約30%減少。
減額率は一度繰り上げると一生続くため、長期的に見ると年金収入が減少するリスクが伴います。
繰下げ受給のメリット・デメリット
【メリット】
受給開始を75歳まで遅らせると、年金額は最大で84%増額されます。
【デメリット】
受給開始が遅れる分、老後すぐに年金を活用したい場合には不向きです。
また、早くにお亡くなりになってしまった場合は、受け取る年金総額が少なくなります。
総額が多くなる年金受給開始年齢は?
男女ともに平均寿命まで生きると仮定した場合、最も受給年金総額が多くなるのは70歳での繰下げ受給です。
資産がある場合、70歳まで繰下げることは、受給額を最大限にして長期的な資産の安定を図るのに適した選択肢といえます。
*……参考https://moneiro.jp/media/article/pension-timing
まとめ
・質問者さんの資産額は、平均貯金額の約21.8倍、中央値の約83.3倍です。
・年金には繰上げ受給と繰下げ受給があります。
・平均寿命まで生きると仮定すると、最も受給年金総額が多くなるのは70歳での繰下げ受給です。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。