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介護職は副業できる?収入アップと両立のコツを徹底解説

「みんなの介護」ニュース

藤野 雅一

介護職の副業の実態と背景

介護職の給与水準と副業の役割

介護職の給与水準は、近年着実に改善傾向を見せています。

2024年の賃金構造基本統計調査よると、10人以上の企業規模において、介護職の給与額は271,000円となっています。

さらに、厚労省の発表によれば、2025年度には2.0%のペースで給与アップが見込まれているとされています。

こうした給与の上昇傾向は、国や自治体による処遇改善への取り組みが背景にあり、介護現場の待遇は徐々に改善されつつあるのです。

しかし、こうした処遇改善の取り組みがあるにもかかわらず、副業を選択する介護職員も少なくありません。その理由は単に生活費を補填するためだけではなく、以下のように多様な動機が考えられます。

将来のための貯蓄を増やしたい 趣味や特技を収入につなげたい 新たなスキルを身につけてキャリアの幅を広げたい 介護以外の分野に興味があり、挑戦してみたい

このように、副業は介護職員にとって経済的な安定だけでなく、自己実現や将来のキャリアアップにつながる機会としても捉えられています。

副業を通じて得られる多様なスキルや経験は、本業である介護の質の向上にもプラスの影響を与える可能性があるのです。

介護職の副業実施状況と業界の受け入れ態勢

副業を行っている介護職の割合は、徐々に広がりを見せています。パーソル総合研究所の調査によると、福祉系専門職(介護福祉士やヘルパーなど)の約10.2%が副業を行っていることが明らかになっています。

この数字は、全業界の正社員の副業実施率9.3%をわずかに上回っています。

介護業界では、働き方改革や人材不足への対応として、副業を容認する流れが少しずつ広まっているのです。

また、医療・介護・福祉業界は、副業として働きたい人の受け入れに積極的な業界でもあります。

2023年に行われた調査では、副業者の受け入れが「ある」と回答した割合は45.4%となっており、全業種の中で最も高い数値です。

これは、介護業界が深刻な人材不足に対処するため、多様な雇用形態を柔軟に受け入れる姿勢を持っていることを示しています。

こうした状況から、介護業界では本業に支障がない範囲で副業を認める傾向が強まっていると言えるでしょう。

副業を始める介護職員の主な理由

介護職員が副業を始める理由はさまざまですが、最も多いのは収入増加です。

厚生労働省の調査によると、介護・保健医療サービス職業従事者の60.5%が「収入を増やしたいから」という理由で副業を選択しています。

さらに、「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて、生活自体ができないから」と回答した人も37.9%に達しています。

これは、介護職の給与水準が向上しつつあるものの、依然として生活設計や将来への備えに不安を感じている職員が多いことを示しています。

一方で、収入面だけでなく自己成長や将来のキャリア形成を目的とした動機も見られます。

介護職の経験を活かしつつ、新たな分野にチャレンジすることで、自身の市場価値を高めたいと考える職員は少なくありません。

「自分で活躍できる場を広げたいから」(20.9%)や「現在の仕事で必要な能力を活用・向上させるため」(13.0%)など、スキルアップやキャリア形成のために副業を選択するケースも増えているのです。

介護職に適した副業の種類と始め方

介護スキルを活かせる副業

介護職の方が持つ専門的なスキルや経験を活かせる副業には、さまざまな選択肢があります。

例えば、以下のような仕事は、介護の知識を活用することで本業にもプラスの影響を与えることができるという特徴があります。

介護関連ライター 介護に関する記事やコンテンツを執筆する仕事です。現場経験を持つ介護職の方は専門的な視点から質の高い記事を提供できるため、需要が高まっています。
特に介護施設やサービスの紹介、介護技術に関する情報など、専門知識が求められる分野での執筆は、ほかのライターとの差別化ポイントになります。 講師活動 介護福祉士や実務者研修の講師として、介護の知識や技術を教える仕事です。実務経験が豊富な介護職員は、受講者に対して実践的なアドバイスを提供できるため、信頼性が高いという強みがあります。 登録ヘルパー 訪問介護の登録ヘルパーは、短時間での勤務が可能であるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
本業の介護施設とは異なる環境で働くことで、新たな知識や技術を身に着けるチャンスにもなるでしょう。

このように、介護職のスキルを活かしながら収入を増やす手段はいくつもあります。自分に合った働き方を選ぶことで、キャリアの幅を広げることができるでしょう。

介護業界外の副業オプション

介護業界以外にも、副業の選択肢は数多く存在しています。

パーソル総合研究所の調査によると、正社員の副業内容としては「WEBサイト運営」(第1位 12.6%)や「ライター・WEBライター」(第3位 8.6%)が人気となっています。

シフト制が主となる介護職の場合は、特にこれらの仕事が両立しやすいでしょう。

Webライター 在宅でできるため、時間の融通が利きやすい副業です。特に、介護職の経験を活かして介護関連の記事を書くことも可能です。
自分のペースで進められるため、シフト勤務との両立がしやすく、ライティングスキルを磨くことで、より高単価の案件を受けられるようになります。 動画編集 YouTubeやSNSでの動画コンテンツ需要が増えており、動画編集のスキルが求められています。
介護職の方では、介護に関する情報を動画で発信することで、専門性を活かしつつ新たな収入源を得ることもできます。 オンラインで学べるスキルのため、空き時間を使って技術を身につけられるのも魅力です。 配達業務 短時間での勤務が可能で、シフトの自由度が高いのが特徴です。 特に、フードデリバリーや宅配サービスは、介護職の勤務後や休日に働くことができるため、収入を増やす手段として適しています。 eコマース インターネット通販やネットショップ販売は、自分のペースで商品を出品・販売できるため、介護のシフトに合わせた働き方が可能です。趣味や特技を活かした商品販売も選択肢の一つで、調査では副業内容の第4位(7.7%)となっています。

これらの副業を選択肢に入れることで、新たなスキルや経験を得ながら収入増加を目指すことができるでしょう。

副業を始めるためのステップ

副業を始めるためには、計画的なアプローチが欠かせません。

まず、自分のスキルや興味、得意分野を明確にすることが重要です。介護の経験を活かせる分野や、新たに挑戦したい分野を整理し、優先順位を決めることで、副業の方向性が定まります。

また、副業を通じて達成したい目標を具体的に設定することも大切でしょう。例えば、毎月の収入額や習得したいスキルを明確にすることで、モチベーションを維持しやすくなります。

次に、スキルアップや資格取得を検討しましょう。介護職の資格を持っている場合は、その資格を活かせる副業を選ぶとスムーズに始められます。

さらに、専門的なスキルを磨くことで、副業の選択肢を広げることが可能です。例えば、Webライティングの基礎を学ぶことで記事執筆の仕事ができるようになったり、動画編集の技術を身に着けることで、オンラインコンテンツの制作に携わることができます。

副業を始める前には、市場調査を行い、収入の目安を設定することも重要です。自分が選んだ副業の分野では、どのくらいの収入が見込めるのかを調べ、現実的な収入目標を立てることが成功の鍵となるでしょう。

副業を始める際は、一度に大きく始めるのではなく、小さなステップから進めていくことが大切です。

最初から高収入を狙うのではなく、まずは経験を積みながら、自分に合った働き方を模索し、徐々に副業の規模を拡大していくことで、長期的に安定した副業を続けることができるでしょう。

介護職と副業の両立のポイント

副業の時間管理と体調管理のコツ

介護職と副業を両立するには、効率的な時間管理と適切な体調管理が欠かせません。

以下のポイントを意識することで、無理なく継続できる働き方を実現できます。

効率的なスケジュール管理 週単位で計画を立て、本業と副業の時間を明確に区切ることが重要です。タスクの優先順位をつけ、集中できる時間帯に重要な作業を配置すると、効率的に進められるでしょう。
また、カレンダーやアプリを活用し、予定を可視化することで管理しやすくなります。通勤時間や休憩時間を有効活用する工夫も、副業との両立につながります。 睡眠と体力管理の工夫 毎日の睡眠時間を確保し、就寝・起床時間を一定に保ちましょう。短時間でも質の高い休息を取るために、リラクゼーション方法を身に着けると効果的です。
また、栄養バランスの良い食事を意識し、手軽に作れる健康的なレパートリーを増やすことで、忙しい日でも食生活を整えられます。 軽い運動や散歩を日課に取り入れ、体力と免疫力を維持することも欠かせません。 過労を防ぐセルフケア 副業の労働時間を定期的に見直し、負担が過剰になっていないか確認することが重要です。体調に違和感を感じた際は、無理をせず休息を優先しましょう。
また、趣味や入浴、音楽鑑賞などを日常に取り入れ、心身をリフレッシュする時間を意識的に設けることも大切です。月に一度は生活リズムを振り返り、必要に応じて調整することで、長期的に無理のない働き方を維持できます。

副業との両立を図る際には、自分の心身の状態に常に注意を払い、持続可能なペースを維持することが長期的な成功につながります。

無理なく続けられる範囲から始め、徐々に調整していくことが賢明でしょう。

本業と副業の相乗効果を生み出す方法

介護職と副業の両立では、単に収入を増やすだけでなく、両者の間に相乗効果を生み出すことが理想的です。

副業で得たスキルや経験が本業にプラスとなり、同時に介護職としての専門性を副業に活かすことができれば、キャリア全体の価値が高まるでしょう。

例えば、人と接する機会が多い副業を選ぶことで、利用者や家族との円滑なコミュニケーションにつながります。

カスタマーサポートやオンラインカウンセリングの経験は、相手の意図を正しく汲み取る力を養うため、介護現場での信頼関係の構築にも役立つはずです。

また、ライティングやデータ入力の副業を通じて、文章を簡潔にまとめるスキルが向上すれば、介護記録の作成がより的確になり、情報共有の質が高まります。

介護用品のレビューやモニター業務を経験すれば、最新の技術やサービスについての知識が深まり、本業でのケアの向上につながるかもしれません。

将来的なキャリアを考える際は、施設運営に関心がある人は経理や人事関連の副業を選ぶと良いでしょう。また、介護教育に興味がある人は講師業を選ぶことで、目指す道に必要なスキルを得ることが可能です。

さらに、副業収入を資格取得や研修費用に充てることができれば、長期的なキャリア形成が可能になります。

このように、副業を単なる収入源と捉えず、本業との相乗効果を意識することで、介護職としてのスキル向上や成長にもつながるでしょう。

法的・倫理的な注意点と収入管理

副業を行う際には、まず自分の職場の副業に関する就業規則を確認しましょう。

パーソル総合研究所の調査によると、医療、介護、福祉業界では企業の56.7%が全面容認または条件付き容認で副業を認めていますが、全面禁止としている企業も43.3%存在します。

多くの介護施設では、副業に関する規定が設けられているため、事前に確認しましょう。

また、労働時間の制限についても注意が必要です。過労を防ぐために、本業と副業を合わせた労働時間を適切に管理しましょう。

次に、副業で得た収入は税務上の申告が必要です。副業の収入が一定額(年間20万円)を超える場合、確定申告を行う必要があります。

節税対策としては、副業に関連する経費(パソコン代、通信費、資格取得費用など)を把握し、必要な書類を整えておくことが大切です。

これにより、税負担を軽減し、より効率的に副業を行うことが可能になります。

適切な法的対応と収入管理を行うことで、安心して副業に取り組むことができるでしょう。

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