機内持ち込みの充電器と電子タバコが発火 搭乗客が緊急脱出(ギリシャ)
今月17日、ギリシャからイギリスへ向かう旅客機で離陸準備中に搭乗客のバッグから煙が発生した。機内に持ち込んだ充電器と電子タバコが原因とされており、現場では緊急脱出スライドが起動され、機内にいた搭乗客や客室乗務員が避難した。搭乗客の1人が当時の機内の様子を撮影しており、その映像を見た人からは「電子タバコの機内持ち込みは禁止すべきだ」という意見が寄せられた。英ニュースメディア『Metro.co.uk』などが報じた。
【動画】パニックに陥った搭乗客たち。当時の機内や脱出する様子はこちら
アクシデントは今月17日午後、イギリスの格安航空会社「イージージェット(easyJet)」が運航する機内で発生した。ギリシャのクレタ島北部イラクリオン市の空港から、英ロンドンのガトウィック空港に向かうフライトで、当時は離陸準備が行われていた。
機内には236人の搭乗客がおり、ちょうど搭乗客たちが荷物をしまい、席に座ろうとしているところだった。目撃者の証言では、バッグを持った1人の女性が急いで機内から出ようとしていたという。そのバッグから突然火が出て、女性はバッグを通路に落とした。
別の搭乗客からは、「非常に大きな赤い閃光と炎を見た」「黒煙が上がっていた」などの証言もあった。煙は鼻をつくような刺激性のあるもので、何かが弾けるような音を聞いたという搭乗客もいた。その後、機内には煙が充満し、搭乗客らは叫び声をあげてパニックに陥った。
同フライトに搭乗していたマラキ・グリフィスさん(Malachi Griffith)は、当時の機内の様子を撮影していた。荷物棚はすべて開いており、荷物はほとんど取り出されて、多くの搭乗客が通路に立っている様子が映っていた。
客室乗務員らにより緊急脱出スライドが起動され、搭乗客らは順番にスライドを滑って外へ脱出した。その過程で、搭乗客の1人が負傷したと報道された。また、代替機が用意され、同日午後11時、振替便で搭乗客らはロンドンへ向けて出発した。
関係者は、搭乗客の1人が持ち込んだ充電器と電子タバコが今回の発煙・発火の原因であると判断している。また、消火後に充電器と電子タバコが入ったバッグの写真が公開された。
イージージェットは、今回の件について「消防隊が旅客機に駆けつけ、客室乗務員は手順に従って避難誘導を行いました。代替機と新たな客室乗務員を用意して、お客様が同日中に出発できるように手配しました。私たちは、安全を最優先事項にしています」とコメントした。
機内の様子を捉えた動画が公開されると、「電子タバコが機内に持ち込みできるなんて知らなかった」「電子タバコの機内持ち込みは禁止にした方がいいね」「保安検査で水が持ち込めないのに、電子タバコは許可されているのはおかしい」「これからすべての充電器の持ち込みが禁止されるかもね」など、充電器や電子タバコの機内持ち込みに関する疑問の声が寄せられた。
なお、今年7月には中国で、初めて飛行機に乗った女性が、トイレと間違えて緊急脱出用ドアを開けてしまい、フライトがキャンセルされたケースが発生し、「間違えて緊急脱出用ドアを開けるなんてあり得ない」といった声があがっていた。
画像は『abc7NY 「EasyJet plane evacuated after passenger’s vape explodes」』『Metro.co.uk 「‘Bag of vapes’ explodes on EasyJet flight forcing evacuation」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)