全九州高校体育大会 ホッケー男子 悔しさ胸に刻み、玖珠美山が再起誓う 【大分県】
全九州高校体育大会 ホッケー
6月16日 玖珠町メルヘンの森スポーツ公園
男子3位決定戦
玖珠美山7-2玄界(福岡)
全九州高校体育大会のホッケー男子で玖珠美山は3位に食い込み、全国高校総体の切符をつかんだ。目指していたのは優勝だった。だが準決勝で川棚(長崎)に、サッカーでいうPK戦にあたるシュートアウトの末に敗れた。翌日の3位決定戦では玄界(福岡)を相手に7-2と快勝したが、選手たちの表情に笑みはなかった。「九州三冠(全九州、国スポ九州ブロック、全国高校選抜九州予選)を目標に掲げてきた。悔しさしかない」。財津侑生主将(3年)は唇をかんだ。
玖珠美山のこれまでの道のりは、決して順風満帆ではなかった。新チームの始動時、現2、3年生合わせてわずか8人。人数不足の苦境からの出発し、守備を軸に徹底したチームづくりに取り組んだ。春に実力のある1年生が加わると、そのスピードと技術を武器に堅守速攻の形を築き上げた。
3位入賞したが、選手たちに笑顔はなかった
攻撃の中心は、U-18日本代表候補のエース清竹雄飛(3年)。圧倒的なスピードとテクニックで相手の守備を突破し、ゴールを量産する。中盤には、1年生ながら全国的にも注目される渡辺侑真を配置する。清竹とのホットラインは、このチーム最大の武器だ。強度の高い守備で構え、ボールを奪ってから一気に仕掛ける。それが玖珠美山のスタイルである。
今大会も予選リーグ2試合で19得点・無失点。文句なしの戦いぶりで準決勝に駒を進めた。しかし、川棚戦では流れをつかみながらも勝ち切るには至らなかった。1点を先行されるも追いつき、粘り強くゲームを支配したが、あと一歩届かなかった。高橋伸介監督は、「接戦をものにできなかったのが課題。だが手応えもあった。全国では天然芝のピッチが主になる。ボールをつなぐチームより、縦に速くを追求するチームが有利になる」と語る。
全国高校総体の舞台では、環境も相手も大きく変わる。そこでは「一瞬の判断」と「局面を動かす個の力」が問われるだろう。玖珠美山もその舞台に向けて準備を整えている。悔しさを原動力に変えたチームは、速さと結束力を武器に、全国での上位を目指す。
点取り屋でエースの清竹雄飛
(柚野真也)