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先の見えない“いきみ逃し”20時間!その後は45分のスピード出産!

たまひよONLINE

一児の母でライターの宮本真知です。
妊娠して退職し、順調に妊娠生活を送っていた私ですが、唯一、妊娠中期の妊娠糖尿病検査に引っかかり再検査となってしまいました。

妊娠糖尿病の疑い!親世代と価値観が違う食生活


再検査の結果は、妊娠糖尿病の診断が下りないギリギリセーフラインの数値だったため、インスリン等の治療はありませんでした。
その分、食事にしっかりと気を使うよう厳しく指導されました。食生活で一番大変だったのが、親世代からの「食べろ」攻撃でした。義父母の近くに住んでいましたので「良かれと思って」義父母が料理を作って持ってきてくれるのですが、生の海鮮・揚げ物・サムゲタン…。「食べられない」と言うと、今度は夫が怒り出してしまいました。

時間をかけて夫と話し合い、夫の口から義父母へ説明したことで多少収まりました。

24時間おなかが痛い!“前駆陣痛”で眠れない!


妊娠糖尿病以外は、問題のない妊娠生活でした。産休に入るまでデスクワークを続けることもできました。仕事最後の2ヶ月間は、電車で座れないことや、妊婦の私が立っていると、周りの乗客に緊張が走るのが感じられたことから、有料指定席のある電車で通っていました。必ず座れるという保証があるので、とても気が楽でした。

出産予定日が近づいて、陣痛アプリをダウンロード。陣痛が10分間隔になったら病院へ行こうと身構えていました。そしてついに10分間隔!時計の針が24時を回ったところで病院へ急ぎました。しかし前駆陣痛だったらしく、1時間ほどで一旦家に帰されてしまいます。帰って寝ようにも定期的におなかの痛みで起こされる。何をやっていても不安。一日中おなかの痛みにおびえていました。

「助けてー!!!」と叫びながら、夫を蹴り倒した


翌日「もうダメ!病院に電話できないくらい痛い」と夫にすがりつくようにして、夜中に病院へリトライ。今回は受け入れてもらえました。
私は産むことよりも“いきみ逃し”がつらかった思い出しかありません。お尻が裂けるような痛みに対して「力を入れるな」っていうのは無理じゃないですかね!

「息を吐いてー」と助産師さんに指導されても「フーううううああああ!!!痛いーーー!!」となってしまい、叫ぶと力が入ってしまいます。そんなことを20時間続けているうちに、隣で夫がグーグー寝息を立て始めました。

怒りと不安と痛さから半狂乱になった私は、もう逃せない痛みを前に「助けてー!!」と叫びながら足元で寝ている夫を蹴り飛ばしていました。

担ぎ込まれた分娩室 。45分で無事スピード出産


その騒ぎを聞きつけて助産師さんが大集合。おなかにつけていたモニターからも、酸欠のシグナルが出ていたようで、分娩室への移動を勧めてくれました。分娩の前にトイレに促され、トイレに入ったらまた陣痛。足が震えて立てなくなってしまい、トイレから担ぎ込まれる形に。

分娩台に乗せられた瞬間「もうすぐこれが終わる!」という希望の光が見えた気がして、一気に正気を取り戻しました。一番嬉しかったのは、「いきんでいいですよ」の助産師さんの声。陣痛に合わせ、助産師さんの指示に従って、冷静に分娩することができました。

声も荒げず、冷静に目を見開いている私を見て、夫は「ドラマと違う…」と引いていました。

「赤ちゃんがこんなにかわいいなんて知らなかった!」
不思議なことに、子どもの顔を見ると、出産のつらさを忘れてしまうというのは本当です。無事に産んだあと、助産師さんがおなかに赤ちゃんを乗せてくれました。そうしたら生まれたばかりなのに、乳首を上手に探してすぐに吸い付いてきたのです!今まで他の赤ちゃんを見てもなんとも思ったことのない私でしたが、輝かんばかりの生命力の塊を見た気持ちで、初めて、赤ちゃんがかわいく尊く見えました。今は、世界で一番我が子が“かわいい”と公言しています!

[宮本真知 * プロフィール] 
一児の母。妊娠による退職、妊娠糖尿病、20時間の出産、母乳ノイローゼ、保活に失敗と、つまずきだらけの育児を経験。今は、子育てと仕事の両立に悩む日々です。悩んだからこそ失敗したからこそ、学べたことをお伝えします。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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