通院だけじゃない!猫の『受診スタイル』4選 困ったときの選択肢として知っていると便利かも
1.一般的な「通院診療」
最も一般的な受診スタイルは、やはり「通院診療」です。診察設備が整っており、直接猫を診てもらいながら、獣医師さんとコミュニケーションが取れるという安心感があります。
ただし、移動や待ち時間が大きなストレスとなる猫も、少なくありません。
できるだけストレスを最小限にできるよう、電話やSNS経由での事前予約に対応している病院を選ぶのも得策です。
来院自体に強い抵抗を持つ猫向けに、「ドライブスルー診療」を実施している病院もあります。
長く付き合っていく存在だからこそ、猫が元気なうちから、信頼できるかかりつけの病院を見つけておきましょう。
2.移動が難しい猫も安心「往診診療」
移動が難しいシニア猫や、キャリアがある猫の場合は「往診診療」という選択肢もあります。
特に、自宅での緩和ケアを主体的に考えている場合には、猫も飼い主さんもストレスが少なく、比較的穏やかな時間を過ごせるでしょう。
いつも暮らす自宅で診察してもらえるため、環境の変化に苦手意識を持つ猫にもおすすめです。
とはいえ、獣医師さんや動物看護師さんが持ち込める検査機器には、限界があります。
検査や処置に制限がかかる可能性があるため、急変などの緊急時に備え、近隣の病院にも通える体制を整えておきましょう。
3.手軽さが魅力「オンライン診療」
体調の異変に気づいても「本当に今すぐ受診させるべきか?」と迷ってしまう飼い主さんも少なくないでしょう。あるいは、仕事などの事情で、すぐに病院に連れていけないケースもあるかもしれません。
そんなときの、いざという手として「オンライン診療」があることも、知っておいて損はないでしょう。
専用アプリやビデオ通話ツールを使って、画面越しで診療を受けたり、チャットで相談したりすることができます。
なお、国が発表しているガイドラインでは、一部例外を除いて、初診でのオンライン診療は原則NGとされていますので、サービス内容を事前に確認する必要があります。
4.緊急時に抑えておきたい「夜間救急診療」
猫の体調が急変した場合に、慌てずに落ち着いて対応できる心構えとして、かかりつけとは別に「夜間」対応が可能な病院も把握しておきましょう。
夜間という特性上、通常の受診時よりも料金は割高となりますが、お金には変えられない価値があります。
獣医師の有志で設立しているケースもあれば、その病院自体で夜間対応を実施しているケースもあります。
地方では都市部に比べて対応できる病院に限りがあるため、緊急時の動き方は、事前にかかりつけの獣医師さんと話しておくと安心かもしれません。
まとめ
猫の受診スタイルとして「通院診療」「往診診療」「オンライン診療」「夜間救急診療」の4つを解説しました。
それぞれの特徴を理解し、猫の性格や体調に考慮した最適な方法を選ぶことが大切です。
例えば、オンライン診療は手軽な一方で、初診には適さず、対面での処置が必要なケースには不向きです。
困ったときにも冷静に対応できるよう、日ごろから情報収集を行い、猫を守るための準備を整えておきましょう。
(獣医師監修:加藤桂子)