<養育費は……?>バツイチ彼氏と結婚「オマエと幸せになりたい!」前妻はヒドい人?【まんが】
会社の先輩だったヨウイチ。バツイチの彼から言い寄られたことで交際を始めて、この度結婚することになりました。ヨウイチはとても楽しい人で、彼と一緒にいれば楽しい毎日が送れるんだろうなと思ったことが結婚の決め手です。「前回の結婚はとことん失敗だったから、これからはお前と幸せになりたいんだ」というのがヨウイチの口癖。きっと前妻さんにはたくさんひどいことをされたのでしょう。私は何があってもこの人のことを幸せにしてあげなければなりません。
しかし幸せなときほど気になるのが、相手の過去ではないでしょうか。特に相手がバツイチとなると、どうしても前妻さんのことが聞きたくなってしまいます。
前妻さんのヨウイチへの扱いは、きっとひどいものだったのでしょう。そして離婚後もヨウイチがこれほど会いたがっているというのに、子どもに会わせてあげようともしないなんて……。「私は何があってもヨウちゃんのことを幸せにしてあげなきゃ」と心に誓ったのでした。
ヨウイチの話を聞いて安心はしましたが、「巻き込みたくない」と言われてしまっては、それ以上踏み込めません。それにヨウイチの言う通り、たしかにわが家の家計はうまく回っています。それならこれ以上私が首を突っ込むところではないのでしょう。
憧れの先輩だったヨウイチとついに結婚した私。前妻さんやその子どもたちのことを聞くたびにヨウイチが話しにくそうにしているので、いつしか私は深く踏み込めなくなっていました。 ただ、家計から養育費を出している様子はなさそうですし、おそらくヨウイチは貯金から出しているのでしょう。 私との結婚生活を守るためにそうしてくれているのだと考えると、とても幸せに思えます。さてそんななか、私の妊娠が判明しました。そのときの私は、まさに幸せの絶頂でした……。
「ウソつきでサイテーな男!」前妻に愛する人を罵られ……カチン!
休みの日にヨウイチと2人で過ごしていると、インターホンが鳴りました。モニターを見ると、知らない女性が立っています。私が応答するや否や、後ろに立っていたヨウイチが青ざめて呟きます。「キミカ……!」と、前妻さんの名前を口にしました。
私は一瞬キョトンとしてしまいました。ヨウイチは養育費に関してうまくやっていると言っていましたし、むしろ問題は子どもたちに会わせようとしないキミカさんの方にあるはず。
私は思わずムッとしてしまいました。たしかに養育費を払っていないのはもちろんヨウイチが悪いです。しかし最愛の人をここまで罵られて黙っていられるでしょうか。私はヨウイチの代わりにキミカさんへ反論しました。
私たちの家に突然乗り込んできた女性。それはヨウイチの前妻・キミカさんでした。キミカさんの話によると、ヨウイチはまったく養育費を支払っていなかったのだそう。「うまくやっている」なんて言っていたので、てっきり毎月しっかり払っているものだとばかり思っていました。 それだけでも驚きなのに、離婚はヨウイチが子どもたちにひどい発言ばかりしていたからだというではありませんか。しかもヨウイチから「子どもたちに会いたい」と申し出があったことは一度もなかったのだそう……信じられないです。私がヨウイチから聞いていた話は、一体何だったのでしょうか。
優しい夫、実はモラハラ男だった!?「夫婦なんだからカネ貸せ!」
私たちの沈黙を破ったのはヨウイチでした。
私が何か言い返そうとしたとき、玄関に置いてあった私のマタニティマークにキミカさんが気付きました。
ヨウイチは怒りで顔がみるみる赤くなっていきます。私はそんなヨウイチの顔を見たことがなかったので青ざめました。
キミカさんは「相手のことを『お前』って呼ぶところもすぐに大声出すところも大嫌い! ほんと離婚してよかった。次に養育費を滞納したら今度は弁護士と一緒に来るからね」と、ハッキリ言いました。
キミカさんはそれだけ言うと、帰っていきました。残された私たちは呆然と立ち尽くしました。私にはまるで悪夢のようです。
私は一瞬ヨウイチが何を言っているのか理解できませんでした。私の独身時代の貯金。それはこれから結婚式を挙げたり、マイホームを買ったりするために貯めておこうと思っていたお金です。なのにすべて、私とはまったく関係のない子どもたちのために払ってくれと言われるだなんて……。
自分に対しての初めての暴言に、私はびっくりしてしまいました。ヨウイチの本性がここまでひどいものだとは、全く知りもしませんでした。しかも自分が見下されていたと知って、サッと顔が青くなるのを感じます。 私に対して、「ヨウイチは子どもが生まれたら本性をあらわすから気をつけてね」とアドバイスをくれたキミカさん。キミカさんからの話を受けて、私は呆然としてしまいました。 私のお腹にはすでに赤ちゃんがいるというのに、どうしたらいいのでしょうか……。しかも養育費を要求されたヨウイチは、なんと私の貯金から払ってくれとお願いをしてきました。断ったらひどく逆ギレされて、私はようやくヨウイチの本当の姿に気づいたのでした。
「お金はオマエが払え!」夫の本性にゾッ……!母になった私の選択
私はまるで魔法が解けたかのように、ヨウイチへの気持ちが薄れていくのを感じます。あんな姿を晒したのに、それでも機嫌をとればお金を出してもらえると考えている姿にゾッとしてしまいます。
きっと普段大人しい私がこんなにも荒々しく大声を出したことに驚いたのでしょう。ヨウイチは驚いたまま立ちつくし、それ以上は何も言いませんでした。私は荷物をまとめると、家を出て実家へ帰ることにしました。両親は驚いたものの、私の話を聞くとすぐさま受け入れてくれました。一度だけヨウイチが私を連れ戻そうと実家にやってきましたが、父がぴしゃりと言って追い返してくれました。
しばらくして私たちの離婚が成立。あんなに幸せだった日々が嘘のように感じます。しかしヨウイチにはひとつだけ感謝していることがあります。それはこんなに愛おしいわが子を授けてくれたこと……。私はもうすぐママになります。しかし大きなお腹を撫でるたびに、私はある心配が頭をよぎるのです。その後、恥を忍んでキミカさんに連絡してみました。そして私たちは会うことになりました。
私の心を見透かしたようにキミカさんは呟きました。 勢いで「離婚する」と言って家を出たものの、今となってはその行動が正解だったようにも思えます。まさかヨウイチが養育費も払わないようないい加減な人だと思っていなかったため、ショックは大きかったですが、早めに知れてよかったです。 離婚成立後、「私も養育費を払ってもらえないかも」と不安になって前妻であるキミカさんに相談すると、キミカさんは意外にもこころよく私の味方になってくれました。これから大変なこともあると思いますが、お腹の子と一緒に精いっぱい生きていきたいです。