【旅とハーレーと日々の風景】Lowrider dreams come true
旅の途中や日々の撮影、アメリカでの経験など、日常で感じたハーレーシーンを自分なりの目線で紹介したい。ロングラン、カスタム、レースなどなど盛りだくさんで走ります!
Episode 120 Lowrider dreams come true
僕がハーレーを最初に意識したのは、「ショベルヘッド」の「FXSローライダー」。まだ免許が取れる年齢ではなかったが、いつか乗ってみたいと思った。その後免許を取り、中型から大型にステップアップしても所有していたのは国産の4気筒やオフロードモデル。ハーレー専門誌の仕事も多かったのでハーレーに試乗することも少なくはなかった。当時は空冷4気筒のリッターバイクに乗っていたが、そのころ新車で購入できた「エボリューション」は、僕にとってあまりインパクトがなく、購入には至らなかった。
99年に「ツインカム88」が発表になったとき、あるバイク雑誌の企画でカメラマンではなくライダーとして試乗し、記事を書くことになった。そこで選んだのは、「FXDXダイナ スーパーグライド スポーツ」。プルバックハンドルの付いた「FXDLダイナ ローライダー」には、あまり乗りたいと思えなかったのだ。走らせてみると穏やかに感じたエボとは違い、アクセルを開けた分だけ加速していく感覚がかなり気に入った。
2000年モデルが発表されるタイミングで購入することを決めたのだが、走りのFXDXか、憧れていたローライダー直系のFXDLかで悩む。結局は、憧れていたスタイルのFXDLを購入。これがとにかく楽しくて、ロングツーリングやドラッグレースなど走り回った。ハンドルやシートを何種類も試し、結局はショベル・ローライダー風のスタイルに落ち着いた。マフラーも何本か交換し、最終的には「テイスト」でアイデアを出してもらいマフラーメーカーの「ケイファクトリー」に依頼してワ
ンオフで製作。FXSレプリカの2イン1に見えるサイレンサーの中で、2本が独立している凝ったものだった。
「HSR45」キャブとの相性もよくトルクもパワーもかなりアップし、むちゃくちゃ楽しいバイクになった。その後「ロードグライド」に買い換えてしまったが、いまでも手放さなきゃよかったと思うバイクだ。
25年モデルの「ローライダーST」がこの夏リリースされたので早速試乗をさせてもらった。年明け早々に「ローライダーS」に試乗したので、違いはカウルの有無ぐらいだろうと想像していたが、このモデルがちょうどいい感じなのだ。フレームマウントのカウルは少々コンパクトな作りながらウインドプロテクションは十分。サドルバッグも付いているし街乗りからロングツーロングまでマルチに使えそうだ。何より走りがいい。車重はツアラーと比べると80キロ軽いのだが、数値以上に軽く感じる。
僕的には、ショベルやダイナのローライダーのスタイルが好きなので最初はあまり魅力を感じていなかったが、ローライダーS/STは、FXDXの進化系。しかも性能は段違いによくなっている。そう考えるとかなり興味が湧き、ロングランに出てみたいと思えた試乗だった。
フォトグラファー/増井貴光
二輪メディアを中心にマルチに活躍するフォトグラファー。アメリカ・ユタ州のボンネビルで開催されるランドスピードレースに通い出して14年。2017年に写真集「bonneville」をbueno!booksより出版
For Sports riding
パワフルなミルウォーキーエイト117を搭載、ライドモードやトルコンなど電子制御も充実した2025年モデル。エンジンのパフォーマンスアップに合わせてリアサスペンションもかなりよくなっている。いままでのビッグツインの中でワインディングを楽しく走れるハーレーとしては一番だろう。
117 Hi Output
ローライダーSと同じくエンジンは「ミルウォーキーエイト117ハイアウトプット」を搭載。スポーツモードでフルスロットルにするとどこへ飛んでいくかわからないと思うほどの加速をする。タンクのグラフィックが唯一ローライダーらしい。リンクルブラックのエンジンはFXDXのイメージか?
New Two into One Exhaust
24年モデルまでの2in2から2in1にリニューアルしたエキゾースト。ストレートなデザインで迫力がある。レイアウト上の問題もあるのだろうが、リアバンクのヘッダーがフロント側にカーブするショベルFXS風のスタイルだったらよかったのにとローライダーのファンとしては思ってしまう。
2000 DYNA LOW RIDER
僕が初めて手に入れたハーレー。ショベル・ローライダーのレプリカ的ルックスとパフォーマンスアップで楽しく長距離を走れるハーレーをコンセプトにライトカスタム。キャブをHSR45、マフラーはワンオフで製作したオーバルスラッシュカット、点火系のチューニングで驚くほど楽しくなった。