【ライブレポート】ATEEZ、熱狂と興奮した感情が乱れ咲くパフォーマンス!<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>
11月1日から3日まで、千葉・幕張メッセにてテレビ朝日主催の音楽ライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2025」が開催された。
3日目となる11月3日にATEEZが出演した。この記事では、同イベントのライブレポートをお届けする。
【写真】熱狂と興奮した感情が乱れ咲くパフォーマンスを披露したATEEZ(全5枚)
3日目のイベントのトリを飾ったのが、韓国の8人組ボーイズグループのATEEZ。黄色い歓声が飛び交う場内。ATEEZのライブは、愛しさを抱いた声で「花は咲いて散って」と『Ash』を歌いながら始まった。重々しい声の色なのも、その中に深い思いや愛情を抱いているからだ。ダンサブルなHIPHOPのビートが躍動するのを合図に、メンバーの歌声やパフォーマンスにも次第にエモーショナルさが増していく。クールな視線で観客たちを見つめながらも、一人一人のハートをグッとつかむように歌い踊る姿に触れて、ハートが熱く疼き始めていた。
『Ice On My Teeth』では、クールにラップを繰り出すメンバーらに向けて場内中から熱いコールが上がり続ける。曲が進むごとに、エモさを増してせまるメンバーたち。一人一人のラップの声から、いろんな色が見えてくるのが嬉しい。メランコリックなサビ歌では、観客たちへ艶かしくせまるメンバーたちの姿も。1曲の中で変化していく表情に合わせ、彼らは巧みにいろんな声の色を見せていった。
『In Your Fantasy』で彼らは、力強く躍動するHIPHOPのリズムに高ぶる感情と奮い立つ歌声を巧みに重ねあわせてきた。強烈なビートとラップが重なりあって襲いかかる。感情を振り乱してせまる歌も、今宵はひと際エモーショナルに見えていた。スリリングな楽曲なのに、そこには華やかな宴の様が広がっていた。だから、声を張り上げて騒がずにいられなかった。
一気にBPMを上げ、ATEEZは『FACE』を通して観客たちの騒ぎたい感情のギアを何段も上げてきた。メンバーたちも爆走するビートの上で、感情を露にぶつけだす。メインステージとセンターステージの両方を使いながら、彼らはこの場にいる人たちを自分たちの世界へグイグイと引き込み、熱狂の虜にしていった。
続く『BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)』でも8人は綺麗に振りを揃えた一体化したパフォーマンスを見せながら、高ぶる気持ちを攻めた攻撃的な歌声やラップにして、観客たちの心も身体も熱く揺らしていった。とてもエナジーみなぎる歌唱&パフォーマンスだ。激しい動きの一つ一つから目を離せない。メンバーらに煽られるたび、気持ちが熱く奮い立つ。背景では大きな無数の炎が吹き上がっていた。なんて気持ちを熱く唸らせるパフォーマンスだ。
これまでの激しい表情から色を塗り替えるように、ATEEZはバラードの『Crescendo』を愛おしい声に乗せて歌っていた。胸の内に秘めた思いを零すように歌うその声は、まるで愛しい人に向けて思いを届けるようにも響いてきた。胸にそっと手を添え、心の声を歌にして伝える、その姿に、ハートがとろけそうだ。
甘い歌声から始まったのが『UTOPIA(Japanese Ver.)』。歌が始まったとたん、場内中から熱い悲鳴のような声が上がっていた。彼らは広大な光を身にまとったように、その身体を輝かせていた。明るいダンスナンバーの上で、思いを力強く響かせるように歌うメンバーたち。優しい歌声と攻めた表情が1曲の中で交錯しながら、曲に込めた思いに深い彩りを与えていく。感情的な歌声と動きを目まぐるしく変化させながら、彼らはこの世界にATEEZらしいユートピアを作りあげていった。
この場にいる一人一人へ思いを優しく届けるように、ATEEZはメロウなバラードの『Days』を愛おしい思いを込めて歌っていた。背景に満開の櫻の映像を投影。その上で「君が大好きだ」と彼らは歌っていた。季節は秋とはいえ、この曲に触れていると、早春の季節に感じる淡い物語を胸の中に描きたくなる。言葉のひと言ひと言を大切に、そこへ深い愛情を込めて歌うからこそ、胸の中にいろんな風景が思い浮かんでは消えていった。いつしか桜の花びらを模したたくさんの紙吹雪が降り注げば、その花の下で彼らは「大好きだ」と歌っていた。
「爽やかな、みんな乾杯したくなる曲」という言葉を合図に、次に歌ったのが『Lemon Drop』。この曲では凛々しいダンスの上に甘い声を乗せてせまってきた。でも途中から、力強く凛々しいラップが身体中に突き刺されば、メンバーと観客たちとの熱いかけあいも誕生。彼らの歌へ声をかけるように、フロア中から熱した声が飛び交う。メンバーが躍動した歌声やパフォーマンスを見せるたびに、フロアでも身体を大きく揺らす人たちが生まれていた。内に抱いた感情を熱く叩きつける姿がとても印象的だった。
強烈なHIPHOPのビートが唸りだす。ATEEZは『WORK』を通して、観客たちの騒ぎたいハートをクールに刺激してゆく。ときにセンターステージや花道も使いながら、観客たちとの心の距離をぐっと縮めるように、彼らは熱情した声の弾丸を次々と撃ち放っていった。強烈なビートを叩きつける演奏とメンバーらの強烈な歌声に刺激を受けて、場内中の人たちが激しく身体を揺らしていた。
ATEEZは超アッパーでパワフル、かつダイナミックなHIPHOPチューン『멋 (The Real) (흥 : 興 Ver.)』をぶつけ、この場を熱情した風景に染め上げた。これまで以上にエネルギッシュでパワフルに、すべての思いを熱情した思いの塊にして彼らはぶつけてきた。その様に大勢の人たちが熱狂していたのは当然だ。イベントの最後を飾るに相応しい強烈な衝撃を与えて、ATEEZは観客たちのハートをしっかりと喰らっていった。そして…。
最後の最後にATEEZは『Guerrilla』を通してすべてのパッションをぶつけるように、アグレッシブな姿を突きつけていった。無数に吹き上がる巨大な炎を背景に、勇猛な戦士と化した彼らは、みずからの身体中から熱気を放ち、観客たちをグイグイと挑発しながら、この場にバーニングした景色を作りあげていった。熱狂と興奮した感情が乱れ咲く景色が、そこには生まれていた。
TEXT:長澤智典