第56回「サステナブルな未来に挑むみなさんの声」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
「サステバ」は、あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、
もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回は、このイベントの中で伺った、サステナブルな未来に挑むみなさんのお声をご紹介します♪
アースアンドユー株式会社という、ワインの副産物から生まれたスキンケアを、オーガニック認証を取って提供しているブランドの代表をしている北林と申します。
ワインって、飲んで若返るというか、抗酸化力があるというのは有名だと思うんですけど、あれってポリフェノールなんですよね。ポリフェノールの働きの中でも抗酸化力が高い低いって色々あるんですけど、中でも、肌に良いと言われている美容の成分、「レスベラトロール」というポリフェノールがあって、抗酸化力がすごく強いんです。
それを目指して、ワインを栽培している畑から原料を調達して、スキンケアに変えているっていうことで。
もともと、ワインは、当然ブドウから出来るんですけど、 ブドウに入っている量よりも、 捨てちゃっている、栽培中の廃棄物にもなっている枝とか葉っぱから取った方が、 美容成分が濃いっていうのがわかって。それを、どれだけ高濃度に抽出できるかってチャレンジするので 3 年ぐらいかかって、やっと今たどり着いて、このスキンケアの成分の中にワインよりも濃い状態で入っている状態ですね。
このスキンケアを作るにあたって、我々の手作業というか、クラフト的な作り方をしているんですけど、それを反映してそのまま価格に転化しちゃうと、求めにくい価格になってしまうので。
なるべく価格を抑えるとなると、今度は、知名度を広げるための広告費とか、店舗を置いて人を雇ってみたいなことにコストが回せないので、どうしても知名度に課題がある。
中身の原料とか、使い勝手のよさとか、使い心地は自信があるんですけど、どうしても知名度のところをなんとかできないかなっていうのが、やっぱり、クラフト的にオーガニックなものづくりをしていると、出てきちゃう課題なのかなっていうところですね。
小泉:今、試供品みたいなものをもらったので開けてみちゃいました。すごく、なんだろう、柔らかくて良い香りで。さえちゃんも付けてみて。
上村:わーいい匂い!
小泉:えいちゃんも付けてみてよ。
上村:商品説明には「白ワインを彷彿とさせる柑橘系の香り」と書かれていますね。たしかにちょっと、柑橘系。
小泉:すごくしっとりしてて!
上村:伸びがいいですね。
小泉:でも、きめ細かくて。
大石:これ、間違ってる?しみていかないんだけど…笑
小泉:ううん、間違ってないよ。なんでだろうね。笑
大石:(笑)
小泉:あ、綺麗になった!
大石:本当?よかった。
小泉:とてもいいですね。ポリフェノールって、健康に効果があるっていうのはすごく言われているけど、捨ててしまう葉っぱですとか枝から高濃度の成分が取れるっていうのは発見でしたね。
大石:手が若返った感じがする!シワシワだったのに。
上村:本当だ!(塗った手の)色が違うように見える。
小泉:今、乳液・美容液っていうのを開けてみたんですけど、すごく柔らかくなったしいい香り。
上村:他にも美容クリームやパックなどもあるそうです。
小泉:ぜひ、こういうもの、このラジオが少しでも宣伝の効果になれば嬉しいですね。
上村:大石さんも、コメントの最後の方の言葉は結構共感したんじゃないですか?
小泉:「広告費に回せない」って。
大石:そうそう。全国、結構こういった形で手作りで顔の見える製品を作っていらっしゃる方は多いんだけど、買う場所がなかったりね。そもそも見つけられないとかね。
小泉:ネット販売とかはしていると思うけど、見つけられないとそこに辿り着かないもんね。だから、「アースデイ東京」とかはいいきっかけになったりするかもしれない。あとは、横のつながりで環境にいい活動をしている人たちのそれぞれのお店で宣伝し合うとか。
上村:ちなみに北林さんはもともと大手のビールメーカーに勤務していたそうです。その会社で副業が解禁される時にサステナブルな化粧品作りに挑戦したいという思いがあって、スタートしたということでした。さらに、これまで長野と東京の二拠点生活でしたが、今年、自然に囲まれたライフスタイルを目指して長野県に移住予定だということです。
大石:すごい。憧れる。
小泉:私、これとても気に入りました。本当にいい匂い。でも、自然な匂いだから嫌じゃないですよね。
大石:全然嫌じゃないですよ。
小泉:そんなに強くないよね。しかも手がすごく柔らかくなってる。
大石:男性でもいいんじゃないかな。
上村:これから紫外線の多い季節になるので、このようなスキンケアでハリ、ツヤ、キメを整えておくとお肌の状態も良くなりますからね。
小泉:そうだよね。これからの季節、いいんじゃないですか?
大石:それこそ、「みんな商店」ってこういう商品をみなさんが出店できるように、一棚ずつ出せるようになっているからね。
小泉:そうだよね。小さなロッカーみたいなお店があってね。
上村:まだ、空きはあるんですか?
大石:これがね、今はないけど、「サステバ」と連動でコーナーを作って、最新回で紹介した商品とかを。
小泉:連動したコーナーは作ってもいいですよね。ちょっと考えていきましょう。
後半も「アースデイ東京」で出会った声
三陸ダイバーの新たな挑戦!
番組後半もサステナブルな未来に挑むみなさんのお声をご紹介します♪
NPO 法人「三陸ボランティアダイバーズ」の代表をしている佐藤と申します。
活動地は三陸の岩手県大船渡市を中心にやっております。
うちの NPO を立ち上げたのが、14 年前の東日本大震災の津波の後からですね。
瓦礫を引き上げたり、海を綺麗に戻したいなということで、 水中清掃、海中清掃をずっとやってきております。
もうひとつは、海が綺麗になってきて、そろそろ活動が大丈夫かなって思ったあたりで、5、6 年前から海水温の上昇が著しくおこっていまして。
とくに三陸は世界の中でも暑くなっている場所って言われています。そこで、ウニと海藻のバランスが崩れて、磯焼け現象っていうのが起きているんですね。真っ白な岩肌が出て、もともとは昆布に覆われていたり、海藻だらけだった場所が、なにもない、ウニだけが残って、磯焼け。本当に焼けたような砂漠のような状態になっているところがあります。
それに対して、海藻を増やす取り組みをしています。
手応えとしては、自然は正直で、種を蒔けば結果が出るってはっきりしていまして。やればやるだけ海藻が増えています。
課題としては、海の中のことなので、知ってもらうことが本当に難しいんですね。見てもらわないとわからないというか。どんどんどんどん、それを発信していかなければならないんですが、その力をいま、SNS であったり、
そういったものを、もっともっと研究してみなさまに伝えていかなければならないと感じています。
小泉:なるほどね。私は、ずいぶん前ですけど「あまちゃん」という朝の連続テレビ小説に出ておりまして。あれは岩手県の久慈というところのお話だったんですけど、近いと思います。でも、海藻が少なくなっちゃって砂漠のようになっているっていうのは、私たちが見てもよくわからないのかもしれないからね。びっくりしました。
大石:僕、サザンオールスターズが好きなんです。このまま暑くなったら海の砂浜がどんどんなくなっちゃうから歌を作れなくなっちゃうんじゃないかなって心配になって。
小泉:自分が?
大石:僕は歌作らないけど、勝手に心配したの。笑
小泉:(サザンの)心配したのね。笑
大石:それで、全国の海で気候変動の影響のある場所がどれだけあるのか調べてみたんですよ。でもね、6、7年前はそこまでなかったんです。だから、この何年かで多分一気に悪くなってるんだと思う。
小泉:そうですね。
上村:特に三陸が世界の中でも暑くなっている場所、というのは知らなかったです。でも、「手応えとしては自然は正直で、種を蒔けば結果が出ることがはっきりしている」っていうのは、力強い言葉ですね。
大石:そうですね。
小泉:海苔、おいしいですよね。私大好きなんですよ。
大石:このままじゃなくなっちゃう、ってことですもんね。
小泉:そう。嫌だね。
上村:どんどん値段も高くなっていくかもしれないですし。
大石:すごく高くなってますよ。
小泉:そうですよね。でも、ウニはいるんですね。特に、東日本大震災の後から立ち上げたNPO法人ということなので、たくさんの活動をされたんだと思いますけど、あれから14年経ちましたから、メンバーのみなさんはどうなんでしょう。
上村:津波を知らない若いダイバーの方も、今は多数参加しているということです。そして団体としては、2014 年に環境省が主催する「第 1 回グッドライフアワード」の最優秀賞を受賞されています。そして佐藤さん個人としても、 これまでの取り組みが小学校の道徳の教科書にも掲載されているんだそうです。さらに、2023 年には、アメリカの雑誌「Scuba Diving Magazine」で「海のヒーロー」に選ばれています。 世界中の人々の推薦により選ばれる海の賞なのですが、選ばれたのは日本人初の快挙だということです。
小泉:すごい。受賞の時のコメントが素敵ですよ。
上村:『日本語に「雨垂石を穿つ」ということわざがありますが、これは、ゆっくり滴る雨粒でも、時間をかけて絶えず滴らせれば石に穴を開けることができるという意味。つまり「決してあきらめるな」という意味です。私はこのことわざの通り、東日本大震災後からの三陸の海の再生を生涯の仕事として取り組むつもりです。決してあきらめません。』というのが、受賞の際のコメントです。
小泉:「雨垂石を穿つ」という言葉を今日まで知りませんでした。
大石:私も知りませんでした。背筋が伸びますね。アースデイ東京ではこういう人にも会えるんですね。
小泉:年に1度ですからね、いつかみんなで行きたいですね!
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)