コーヒー付ランチが500円! 3姉妹が営む昭和レトロな町中華【中華料理 邦楽】富山・砺波で愛され半世紀
チューリップのまちとして知られる富山県砺波市。
田んぼの中に民家が点々と散らばる散居村と平野をうるおす豊かな水が地域を支え、五箇山と高岡、金沢を結ぶ富山県西部の中心都市として発展してきました。
そんな砺波のまちなか、JR砺波駅のすぐ近くに半世紀以上にわたって地元住民に愛される町中華の店があります。
「中華料理 邦楽(ほうらく)」です。
地元で愛され続けて51年。昭和の香り残る町中華
オープンは1974 (昭和49)年。赤文字の看板に赤い柱、店先にある大きなガラスショーケースには赤い雷紋。
昭和の面影を残すレトロな店構えは町中華の鑑といっても言い過ぎではなく、軒先に飾られたチューリップのプランターも地域ならではの親しみが感じられます。
店内は、こんな感じ。駅前の商店街特有の奥に長いつくりで、長いカウンターと畳の小上がりに安心感を覚えます。
厨房との距離が近いのも、地域に愛される町中華の特徴のひとつです。
30年以上変えずに貫くランチメニューの価格
ラーメン 380円、玉子チャーハン 430円…メニュー表にはワンコインでおつりがくるような数字が並んでいたのが、2022年のこと。当時でも破格の値段でしたが、それから約3年経ち、食材の価格や光熱費はどんどん上がり続けています。
果たして今は…。
▽過去に配信した「中華料理 邦楽」の記事はこちら
メニュー表は新しくなったけど…
ラーメン380円、玉子チャーハン430円
当時と変わったメニュー表。
現在は、昼のみの営業になり、品数はぐっと減りましたが、ラーメン 、玉子チャーハン、チャーシューメンなどの価格はまったく変わっていません。
一番人気は「日替わりランチ」500円
一番人気は今もやっぱり「日替わりランチ」。
この日は、チャーハンと野菜たっぷり五目ソバに、野菜サラダ、漬物のセットで、値段はなんと税込500円。
この時代、500円でランチが食べられるというだけでレアですが、五目そばとチャーハンのセットとは…にわかに信じられないレベルです。
鶏ガラあっさり 透き通るスープの五目そば
五目そばのスープは、この通り透き通った塩味。鶏ガラがベースであっさりと仕上げてあり、野菜の旨みがしっかりと感じられます。
モチモチとした食感の卵麺は、ランチセットということで半玉。ですが、シャキシャキのもやし、ニラ、白菜、ニンジンなどの野菜もたっぷりと入っていて、食べごたえがあり、栄養バランスも体にやさしそうです。
町中華の代表格 チャーハンも絶品
チャーハンに使われているのは、富山県産米。
さすが町中華だけあって、米の一粒ひと粒にラードが馴染んでパラパラの食感。味付けも文句なしのおいしさで、てっぺんにちょこんと乗った紅ショウガもどこかほっとします。
このチャーハンと五目ソバがセットで500円はありがたいを通り越して、申し訳ない気持ちになってしまうほど。
がっつり食べたいという人はプラス100円で、チャーハンか五目ソバのどちらかを大盛りにすることができます。
…ということは、プラス200円で両方を大盛りにできるのかと思ったらーー
「それはできないんですよ」と申し訳なさそうに、三女の育子さんが教えてくれました。
現在、店を切り盛りするのは、次女の和子さんと四女の文子さん、それに育子さんの3姉妹。育子さんが体調を崩し、少しでも手助けてになればと、和子さんも手伝いに入るようになったんだそう。
「3人とも70代で、体力もなくなってきましたけど、喧嘩しながらでもどうにかやってます」(和子さん)
500円ランチの〆はコーヒー。しかも、アイスでもホットでもOK。これで500円はどう考えても採算が合わないのでは?
「お客さんからも値上げしたらって言われるんですけどね…」とほほ笑む育子さん。
常連客も心配になる価格設定ですが、上げる気配をまったく感じさせない3姉妹の笑顔におなかも心も満たされます。
半世紀にわたり、受け継がれる町中華の味がワンコイン。
電子決済(PayPay)にも対応していますが、500円玉を握りしめて通いたくなる町中華の店です。
【中華料理 邦楽】
住所 富山県砺波市表町3-3
営業時間 11:30~14:00
定休日 不定休