北山田のキラークイーン 公園愛護会の栗原紘二さん
山田富士公園愛護会の会長で、北山田に住む栗原紘二さん(84)は、2018年から手作りの捕獲機でスズメバチの女王蜂を捕獲し続けている。今年は過去最高の68頭の捕獲に成功した。
栗原さんが「女王蜂退治」を始めたきっかけは、山田富士公園の草刈りを行っていた業者が蜂に刺されたとのニュースを聞き、「子どもたちが公園で安心して遊べるように」との思いから。都筑土木事務所が区内の公園にペットボトルで作った捕獲機を仕掛け、女王蜂を駆除していたことを知っていた栗原さんは、18年に捕獲機を1つ譲り受け、真似をして自作をし始めた。
捕獲機は1・5〜2リットル入りのペットボトルの上部に蜂の入る口を開け、中に料理酒と酢、砂糖を混ぜあわせた誘引剤を詰め、2mくらいの高さの木に括りつける。冬眠明けで空腹なオオスズメバチやキイロスズメバチの女王蜂が、誘引剤のニオイに誘われ、捕獲できる仕組み。巣作りを始める4月から産卵時期の6月まで設置し、新しい巣作りの抑制を図っていた。
18年は2頭しか捕獲できなかった栗原さんだが、19年には園内の設置場所を変え、自宅にも一つ付けたところ、最大4cmを含む9頭を捕獲。20年から公園の設置を4本に増やしたところ、毎年50頭前後捕獲できるようになったという。栗原さんは、ペットボトルの凹凸を利用して、逃げてしまう蜂もいたことから、凹凸のない炭酸飲料のペットボトルを使用している。今年は土木事務所が設置を見送ったこともあり、過去最多の捕獲数(68頭)に上った。内訳はオオスズメバチが26頭、キイロスズメバチが42頭。自宅に設置した捕獲機でもオオスズメバチ1頭、キイロスズメバチ10頭の捕獲に成功した。