《白ごま》と《黒ごま》の違いって……?【管理栄養士】が特徴や効率的な食べ方を解説
白ごまと黒ごま、2種類のごまをどのように使い分けていますか?色どりがよく映えるほうを使うことが多いかと思いますが、実は2つのごまの違いは色だけではないんです。今回は、白ごまと黒ごまの違いと、効率的な食べ方をご紹介します。
ごまには栄養がある?
ごまに含まれている代表的な栄養素は「脂質」と「ビタミンE」。
それぞれの特徴をご紹介します。
脂質
ごまの栄養成分の半分は脂質が占めており、その多くは不飽和脂肪酸です。
ごまに含まれる不飽和脂肪酸は、「リノール酸」と「オレイン酸」。
リノール酸は必須脂肪酸の一つであり、血中のコレステロールを上げにくくするといわれています。人間の体内で作られないため、食べ物で摂る必要がある栄養素です。
オレイン酸は、血中のLDLコレステロールを上げにくい特徴があります。
ビタミンE
強い抗酸化作用を持つビタミン。
細胞の酸化を防ぐため、アンチエイジングに効果が期待できます。
ごまに含まれる不飽和脂肪酸は酸化されやすいのが特徴ですが、ごまにはビタミンEをはじめとする抗酸化物質が多く含まれているため酸化されにくくなっているのです。
白ごまと黒ごまの違いは?
白ごまと黒ごまは、栄養素的には大きな違いがありません。
しかし、薬膳的にみると特徴に違いがあります。
薬膳とは、食材には薬と同じような効能があると考える、中国伝統医学(中医学)の知識に基づいた食事法です。
白ごまと黒ごまそれぞれが持つ効能をご紹介します。
白ごま
身体を潤す働きが高くなり、肌の乾燥対策や便秘の改善などの効果に期待できます。
黒ごま
血や生命力を補う作用があり、滋養強壮やアンチエイジングに効果的といわれています。
老化による足腰の冷えや腰痛、めまい、耳鳴り、白髪の改善も期待できますよ。
ごまの効果的な食べ方は?
ごまは硬い皮に覆われているため、炒りごまをそのまま食べても栄養素はほとんど吸収されません。
ごまの持つパワーをしっかり摂りたい場合は、擦ってから使用するのが必須!
練りごまも消化吸収がいいため、おすすめです。
POINT
市販のすりごまは、一度開封してしまうと香りが飛んだり、酸化が進み風味が劣化しやくなったりしてしまいます。そのため、早く使い切るようにしましょう。いりごまを自分で擦るのもおすすめです。その場合は一度に使い切る量を擦ってくださいね。
ごまは欲しいパワーで使い分けよう!
最後の飾りのように散らして使うことが多いごまですが、実はコレステロールの上昇を抑制したり、抗酸化作用もあったりするすごい食材なんです。さらに黒ごまと白ごまにはそれぞれ異なる効能があることもわかっています。
飾り用にいりごまをそのまま食べるだけではもったいない!そのとき必要な効能をもつごまを選び、擦って食べることで、ごまのパワーをしっかり吸収できますよ。
◆ライター / yuki
管理栄養士。
大学院修士課程修了後、薬局の管理栄養士として栄養指導や相談、栄養・運動講座、レシピ作成、健康食品や化粧品の販売などに携わる。
現在は2児の子育てをしながら在宅でフリーの管理栄養士として活動中。食や美容に関する記事の執筆や監修などを行っている。
薬膳にも興味があり、薬膳調整師の資格を取得。食を通じて健康な身体づくりをモットーに日々知識をアップデートしている。