金沢警察署 「闇バイト」は犯罪 「簡単」「高額収入」には応募しない
近年、ニュースでも話題となることが多いいわゆる「闇バイト」。犯罪の実行役となる人を言葉巧みに勧誘し、応募してしまった人を犯罪へ加担させてしまう例が増えている。こうした状況から金沢警察署では「闇バイト」への警戒を強めている。被害を防ぐためのポイントを、同署生活安全課の中野祐一さんに聞いた。
SNS上で「簡単」「高額収入」といった言葉で募集をかけ、人を集める闇バイト。甘い言葉に誘われて応募してしまうと、特殊詐欺の受け子や強盗の実行役をさせられてしまう上、応募時に出した個人情報から脅されて犯罪行為を繰り返してしまう事例も多い。
「『受け取るだけ』など、あたかも簡単に高額のお金が稼げるように誘いますが、こうした闇バイトは犯罪です。甘い言葉にだまされてしまうと、犯罪に手を染めることになってしまいます」と中野さん。怪しい求人には応募しないことが大切だが、「もし一度闇バイトを受けてしまった場合でも、繰り返さずにすぐに警察へ相談してほしい。相談された方や家族の方は、警察が保護します」と呼び掛ける。
各自で防犯対策を
また、闇バイトに関連する強盗などの不安が広がる中で、犯罪の被害を防ぐためには自主的な防犯対策も重要となる。
例えば窓ガラスへの防犯フィルムの張り付けや、防犯カメラの設置といった各家庭でできる対策に取り組むこと。その他、日頃から地域で顔の見える関係や不審なことがあれば通報する環境をつくることも防犯対策につながる。
「不審者などを見かけた際は、積極的に110番通報してください。まちの人の目があるということを示す事で、犯行グループにとって犯罪をしづらいまちにすることができます」。個人での対策だけでなく、地域全体で犯罪をさせないまちづくりに取り組んでいくことで、犯罪被害抑止につながっていくという。
特殊詐欺被害も続く
闇バイトが関連する犯罪の一つである特殊詐欺についても、各地で被害が続いている。金沢署管内での昨年の被害件数は61件、被害額は約1億8300万円(11月末時点暫定値)。中野さんは「電話でキャッシュカードやお金の話が出たら、それは詐欺。すぐに警察へ相談してください」と話している。