【べっぷ駅市場】リニューアルプロジェクト始動!半世紀以上続く別府市民の生活商店街
みなさん、「民衆駅」という言葉をご存知ですか?
「民衆駅」とは、駅舎建設費の一部または全部を民間が負担し、駅舎やその付帯施設の一部を民間が構内営業などに使用することを条件として造られた旧国有鉄道の"駅の施設"のことを指します。
そんな「民衆駅」として別府駅に高架下商業施設が整備されたのは、今から58年前の1966年(昭和41年)のこと。
今回は、およそ1kmに渡る高架下商業施設の一部『べっぷ駅市場』のリニューアルプロジェクトと、現在の様子をお届けします。
リニューアルプロジェクトについて
南高架下商店街、通称『べっぷ駅市場』は、開業当初から精肉店・青果店・鮮魚店など日常生活に根付く店舗が多く出店し、別府市民から親しまれてきましたが、近年は店主の高齢化や郊外型ショッピングセンターの進出等の影響を受け空店舗が増加し、施設の老朽化も進んでいました。
そこで別府市は、『べっぷ駅市場』を未来に繋ぐプロジェクトと題し『べっぷ駅市場』の生活文化を次世代に継承するために施設の建て替えを含む全面的なリニューアルを実施することを決め、2024年10月からⅠ期工事に着手することを発表しました。
『べっぷ駅市場』現施設での営業は 2024年9月下旬頃までとなり、工事期間中は「亀の井ホテル別府」近くにて仮移転営業を行う予定です。
10月から始まるⅠ期工事着手を皮切りに、2025年秋のⅠ期開業と2026年夏のⅡ期開業を目指してリニューアルを行ってくというということです。
現在の状況などは、べっぷ駅市場Instagram( @beppu_ekiichiba )でも確認できます。
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現在の様子
ここからは、2024年9月10日時点での『べっぷ駅市場』の様子を写真に収めてきたのでご紹介します。
まずは、別府駅から新宮通り方面に進む道。
案内に書かれた徒歩1分15秒という指示通り、あっという間に『べっぷ駅市場』の入口に到着します。
『べっぷ駅市場』を象徴するノスタルジックなネオンは、別府を訪れた観光客のフォトスポットにもなっています。
入口近くで営業していたのは、昭和59年に開局した「くらうん薬局」。
処方箋の調剤だけではなく、一般医薬品及び健康食品を取り扱っており、別府市の方々の健康をサポートしています。
「くらうん薬局」の向かい、「ベーカリーフクミミ 別府店」があった場所には、商店街の人たちを描いた壁画がありました。
また、上部にはモビールが吊るされています。
巻きずし、ジャンボいなりで有名な「野田商店」は、既に移転していました。
(※「肉のぶんご( @nikunobungo )」は、2024年2月に別府市石垣西へ移転しています。)
続いては、鮮度抜群で地元の人にも観光客にも愛されている「丸栄鮮魚」。
多種多様な魚介類を揃え、元気に営業を行なっていました。
その先には令和元年にべっぷ駅市場へ出店し小売販売を開始した創作割烹練り物専門店「味一匠」の「揚げたてお魚コロッケ 別府ぎょろり直売所」が営業していました。
季節やその日の温度などにより、材料の調整をしたりと手作りにこだわる「味一匠」の練り物はべっぷ駅市場の名物となっています。
「揚げたてお魚コロッケ 別府ぎょろり直売所」隣には、味のある椅子やテーブルが並べられた休憩所。
その一角では、秋の装いになった「アマビエ」が商店街を行き来する人たちを見守っていました。
お手洗いの壁には、移転のお知らせも貼られていました。
その先では、JR別府駅構内に毎年飾られる門松も手掛ける 「松田生花店」が美しい花々を販売しています。
ゆふいん産うなぎと広島産かきの専門店「安部かき店」では、常連の女性が店主と移転先について話し込んでいるよう。
鰻を販売する隣では、シジミや宇和島のじゃこ天が販売されています。
「安部かき店」の隣、第二田の湯通りに面した場所にあるのは、佐伯市産の魚の干物や、乾物・珍味などが並ぶ「ひものや ワコー高橋商店」。
店先に貼られたポップには、思わず笑顔になるような文言が手書きで記されています。
第二田の湯通りの先には、また入口があります。
移転したお店が多い中、目立つのはシャッターに描かれたアートたち。
シャッターアートは、2022年に行われた「別府市民・別府市学生大同窓」の企画のひとつとして描かれたものだそうです。
「電車」をテーマにした4つシャッターアートは、商店街を歩く人たちの目を楽しませてきました。
シャッターアートの横には、自転車やバイク乗り入れの注意を促す看板も。
その先には、シャッターこそ閉まっていましたが優しい文字とイラストで彩られた「ふれあい広場」の文字が残っていました。
反対側には、「電気室」と書かれた変電設備。
その先には、2つ目の休憩室がありました。
休憩室の壁には、千代紙で折られた爪楊枝いれも飾られており、地域の人たちの交流や憩いの場となっていたことが伺えます。
そして、最後に滑川通りに面した場所には、犬・猫の美容の店「ヒラオペット」が営業を行なっていました。
店内には、所狭しとペットフードやグッズが並びます。
また、美容室では可愛い犬たちがトリミングしてもらっていました。
滑川通りの先には、「梶尾青果店」や「野田鮮魚店」が並びます。
そちらについては、閉店した「上田精肉店」の記事をご覧ください。
58年の歴史が詰まった『べっぷ駅市場』の改装に、寂しく残念な気持ちを持つ方も多いと思います。
ですが、別府市によると、リニューアル後も別府市民の「生活商店街」としていつものお店を継承する他、飲食店を中心に新たなチャレンジを創出する場や、緑豊かな外構空間を計画しているということですので、パワーアップした『べっぷ駅市場』を心待ちに、今後しばらくは移転営業先でのお買い物をお楽しみください!