「どんな状況でも一歩を踏み出せる」本間太希さん 1型糖尿病と自転車日本一周の体験を書籍化 ―― 『泣いて、走って、向き合って。』を発売
『泣いて、走って、向き合って。 ― 25歳の春、僕は糖尿病になった。』著・本間太希、出版社:株式会社スール、定価1,540円(税込)
1型糖尿病を抱えながら自転車で日本一周を達成した本間太希さん(新潟市在住)が、自らの経験を綴った書籍『泣いて、走って、向き合って。』を発売した。
本間さんは全国を旅する中で、多くの患者や医療従事者、応援者と出会い、その支えを受けながら日本一周を完遂。その経験は決して自分一人のものではないと考え、誰かの役に立てればと今回の執筆を決意した。特に、同じ病気を持つ人々やその家族に向けて、どんな状況でも一歩を踏み出せることを伝えたいという思いを込めている。
本間太希さん(新潟市在住)
「最初から病気と向き合えたわけではありません。旅に出る前は『自転車日本一周なんて無謀だ』と言われましたが、当時の私にとっては病気のショックのほうが大きく、むしろ旅が現実逃避になっていました。しかし、日本全国でさまざまな人と出会い、経験を積み重ねるうちに、少しずつ病気と向き合えるようになりました」と本間さんは振り返る。
また、自転車日本一周を通じて見えた現実について「糖尿病患者には、生活習慣病という偏見が根強く残っています。実際には1型糖尿病は自己免疫が原因であり、生活習慣とは関係ありません。それでも『自己管理ができないから病気になった』という誤解を受けることが多く、苦しんでいる患者がたくさんいます。旅の中で多くの患者さんと話し、その偏見を肌で感じました」と語る。
東京マラソンや大阪マラソンに挑戦する理由については「糖尿病患者でもここまでできるという姿を見せたい。同じ病気を持つ人や、何かに挑戦しようとしている人の背中を押せたらと思っています」と説明する。
「インスリンを注射しながら自転車日本一周」でゴールした本間太希さん(2023年11月3日撮影)
2024年に北海道マラソンに出場、2025年は東京マラソンと大阪マラソンでの完走を目指している
本間さんは今後の目標について「まずは東京マラソン2025と大阪マラソン2025を連続で完走すること。その後は100kmウルトラマラソンにも挑戦したいと考えています。病気を抱えながらでも目標を達成できるということを、自分自身の姿を通じて示したい」と意欲を示している。
書籍『泣いて、走って、向き合って。』は株式会社スールから発売され、全国の書店やオンラインショップで購入可能。定価は1,540円(税込)。
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