静岡県熱海に、まちづくり会社発の研修会社が誕生 「越境×原体験」の学習型プログラムを提供
企業向け研修などを企画するGensen & Co(静岡県熱海市)は6月11日、地域から個人と組織の変容を支援する取り組み拡大を目的に、法人化したと発表した。まちづくり会社からスピンオフし設立された企業研修会社は日本初で、今後は「越境」と「原体験」を組み合わせた学習型プログラムの提供を通じて、企業の学びと地域課題解決の両立を目指す。
実際に街を巡り、社会課題の構造を捉える実践型プログラム
同社が事業化する越境学習型プログラムでは、かつては人気の観光地としての栄華を極めながら現在は衰退に直面しているエリアの遊休不動産などリアルな社会課題を教材に、現地で学びを深める実践型のカリキュラムが特徴だ。
参加者は、実際に街を歩き、目に見えない文脈や暮らしの気配、地元の声などから社会課題の構造を五感で捉え自ら問いを立てて仮説を検証し、地域に価値ある事業を構想することで、視座・構想力・リーダーシップを育んでいく。
対象は、幹部候補・管理職・若手・新人・新規事業担当など。期間は、1泊2日から半年などの中長期や副業型など目的に応じて設計できる。
長期実践型プログラム
受講者がチームを組み、地域の社会課題解決に実践的に取り組む、次世代リーダー育成プログラム。期間は3〜5か月。
短期プログラム
1日〜3日間にわたり、レクチャーや現場視察、対話、ワークショップを通して仮説検証プロセスを体感するフィールドワークプログラム。新人から役員まで全階層に対応。
出向・副業型プログラム
次世代リーダー・幹部育成を目的としたコース。地域の事業者に、受講生がメンバーとして参画し、一定期間社会課題解決に取り組む。期間は3か月〜半年間。
このほか、自然や街中を使ったアクティビティや美術館でのアート体験を通じて、自身の強みの確認や内省を深める1回2時間程度のマインドフルネスプログラムや、イノベーション・社会課題解決・まちづくり・越境学習などをテーマとした講演やセミナーなども行う。
研修の枠を超えた実践の舞台を提供
Gensen & Coは、熱海市で10年以上地域に根ざし、事業創出を通じた課題解決に取り組んできた。その中では、実践(リアル)を重視し、事業創出に必要なマインドや手法を独自に整理しながらプログラムやフレームワークを体系化している。あらかじめ整えられたプログラムではなく、『まちのリアル』そのものという、研修の枠を超えた実践の場を提供する。
過去の参加者からは以下のような感想が寄せられている。
・ワークショップでは、現地の利害関係者と同じ目線で対話・自分ごと化することで、仮説構築から施策提案までの一連の流れを体感できた
・新規事業創生プランを考えたことは過去にもあったが、原体験を意識した経験は初めてだった
・2次情報を基にした思い込みや、一方的な視点から見た地元の望まない観光課題解決案に陥っていることに気付けた
なおGensen & Coは法人化に合わせ、公式ウェブサイトを公開した。越境学習型プログラムの詳細は同社ウェブサイトまたは同社公式リリース(PRTIMES)で確認できる。