『老犬』になるとできなくなること5つ 愛犬が快適に暮らすために改善すべき環境とは?
1.散歩や段差が登れなくなる
老犬になり足腰が弱くなることで、散歩に行くのを嫌がったり、今まで登れていた段差につまずいたりするようになってきます。
他にも、立ち上がるのに時間がかかるようになる、歩いていて足を滑らせるといった様子が見られることもあるようです。
足腰が弱ってきたなと感じたら、早めに対策をとるようにしましょう。動かないからと言って寝かせておくと、筋力はどんどん低下してしまいますので、少しずつ運動させるようにしてください。
しかし、無理に運動させてしまうと関節を痛めたり怪我をしたりすることもあるので、愛犬の様子を見ながら安全な範囲内で行うようにしましょう。
2.吠えなくなる
若いときは元気に吠えていた愛犬が、年を取ると共に吠えなくなってくることがあります。
老化が原因で音が聞こえにくくなっていたり、意欲や好奇心が低下することで吠えなくなるようです。
最近吠える声を聞かなくなったな、と思ったら老化が始まってきたサインかもしれません。
3.新しいおもちゃに興味がなくなる
老犬になってくると、新しいものへの興味関心が薄れてくるようになります。
身体機能や感覚機能が衰えてくるため、体を使って遊ぶおもちゃよりも嗅覚や脳を使う「知育トイ」がおすすめです。
また、犬がおもちゃで遊ばない原因として、廊下による「関節炎」などの痛みを伴っていることもあります。
おもちゃに関心を示すものの遊ぶ様子がない、といった場合は体に異変がないかどうか確認をしましょう。
4.ご飯が食べられなくなる
老犬になることで嗅覚や消化機能が低下したり、味覚が変わったりする症状が出始めます。
食べたご飯を飲み込む「嚥下(えんげ)機能」も衰えるため、食事をすること自体を避けるようになってしまうのです。
無理に今までの量を食べさせる必要はありませんが、体重の減少が進んでいるのであれば工夫してなるべく食べきるようにする必要があります。
老犬に食事をしてもらうために、フードを「温める」「トッピングをする」「ウェットフードに切り替える」といった工夫をしてみましょう。
歯や歯茎が衰えてくるので、柔らかくして食べやすくしてあげましょう。
5.「おすわり」や「お手」などができなくなる
今まで問題なくできていた「おすわり」や「お手」などのコマンドが急にできなくなることがあります。
高齢になることで聴力や視力が低下し、飼い主の声に反応できなくなるのです。また、腰が痛くて「おすわり」を嫌がるなど、体の痛みからコマンドを拒否することがあります。
愛犬に声をかけるときは、大きな声でゆっくりと指示を出してみましょう。
他にも、認知症になっている場合もあります。認知症になってしまうと、今まで学習したコマンドがわからなくなってしまうので、言うことを聞かなくなったように見えるのです。
認知症の犬はコマンドだけでなく、今いる場所がわからなくなったり、昼夜逆転して夜鳴きをするようになるなどの症状が出てきます。
愛犬の様子に異変を感じたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
老犬になると、今まで出来ていたことが急にできなくなってしまうことがあります。
しかし、早い段階で老化現象に気が付くことができれば、進行をゆっくりにしたり怪我や病気を予防することも可能です。
愛犬が「高齢期」を迎えたら、いつも以上に体調に変化が無いかしっかりとチェックするようにしてくださいね。
(獣医師監修:後藤マチ子)