磐田東が数的不利の中、0−2から大逆転4強入り「本当にミラクル。よく最後まであきらめなかった」<サッカー静岡県高校新人戦>
サッカー静岡県高校新人大会・準々決勝
<磐田東 3−2 清水桜が丘 1月19日・藤枝総合陸上競技場>
数的不利の状況になっても、2点のビハインドを背負っても、磐田東イレブンが勝負を捨てることはなかった。粘りに粘り、3ゴールを奪って大逆転勝ち。山田智章監督は「完全に負けパターンだったのに、最後までよくあきらめなかった。誰が勝つと思ったか(笑)まさにミラクル」と目を細め、歓喜にわく選手たちを手放しでたたえた。
序盤からパスをつないで押し込みながら決定機を生かせず、前半37分に一瞬のスキを突かれて先制点を献上。後半開始直後に獲得したPKはファインセーブに遭い、後半10分にはDFが相手の得点機会を阻止したとして一発退場した。さらに17分、追加点を許して0−2…。土俵際に追い込まれた。
「勝つことしか考えていなかった」
心が折れてもおかしくない状況だったが、磐田東の反撃はここから始まった。
後半31分、エリア内でパスをつなぐと、MF加藤侍大(豊田AFC)がカットインから得意の左足で蹴り込んで1点差に。「勝つことしか考えていなかった。いつもの練習通りの形を出せた」
その5分後、MF寺田礎生(磐田浅羽中)がクロスを左足ボレーでたたき込んで試合を振り出しに戻した。途中出場の1年生MFは「絶対にチャンスは来ると思っていた」としてやったりの表情だ。
相手のロングボールのこぼれ球を拾い続けて主導権を再び奪い返すと、決勝点が生まれたのは延長前半2分だった。MF加藤のフリーキックを途中出場のMF袴田琉聖(浜松東部中)が頭で流し込んで勝ち越しに成功した。
磐田東の新人戦4強入りは2年ぶり。浜松開誠館、清水桜が丘と難敵を立て続けに撃破し、上昇気流に乗って同じ西部勢の浜名との準決勝を迎えることになった。「少しずつ一体感が出てきた」と手応えをにじませる山田監督は「ボールを握った時に、どこまで自分たちのサッカーができるか。今は、春に向けて1試合でも多く強い相手との経験を積ませたい」と言う。初の頂点まであと2勝だ。