【福岡の絶品ちゃんぽん探訪】あっさりスープとたっぷり野菜で、リピーター続出のヤミツキちゃんぽん
薬院から西新に抜ける城南線と大濠公園の間にある六本松2丁目界隈は、実はラーメン・ちゃんぽんの激戦区。以前UMAGAでも紹介した「大島ラーメン あずまや」をはじめ、町中華の名店やちゃんぽん専門店など、徒歩5分圏内に少なくとも5軒以上がひしめき合っています。
そんな中、連日行列ができる繁盛店が「餃子 一鉄」。店名にある餃子と豚骨ラーメンが二大看板ですが、それに劣らない人気を博しているのが、野菜たっぷりのちゃんぽんです。
店主の神鳥謙治さんは大学卒業後一般企業に就職しましたが、自分がやりたい仕事を求めて早々に転職。当時福岡市内で複数店舗を展開していた餃子専門店で10年間修業します。その後、東区の老舗「一楽ラーメン」で豚骨スープを学び、さらに実弟が経営する六本松の居酒屋「五鉄」でも経験を積んで、2013年に六本松で独立開業しました。屋号の「餃子 一鉄」は、それまで働いてきた店名から取ったものだそうです。
六本松の住宅街に近い土地柄、独立するにあたって神鳥さんが目指したのは毎日食べても飽きない味。ラーメンとちゃんぽんのベースは豚の拳骨と背骨を水だけで煮出したピュアな豚骨スープで、中火で6〜7時間じっくり炊くことでうま味を引き出し、まったく臭みのないあっさりとした味に仕上げています。
さらに「栄養もたっぷり摂ってほしい」という思いから、豚肉とカマボコのほかに、キャベツ、もやし、玉ねぎ、人参、キクラゲといったたっぷりの野菜を炒めて山盛りにしたのが自慢の「ちゃんぽん」(960円)です! いったい何グラムほどの野菜を使っているのか尋ねても「片手でわしづかみにするので計ったことありません(笑)」とのことですが、一日に必要とされる摂取量の大半をカバーできそうですね。
ちゃんぽんを食べる時は、まずレンゲでスープを一口啜るのがいつもの流儀ですが、ここでは山盛りの具材に阻まれてレンゲがスープまで届きません。箸先で一角を崩しながら食べ進めると、具材の下から現れたのは程よくスープを吸った中太麺。ズズッと啜り込めば、ツルツルッとした口当たりの後にモッチリとした歯応えが感じられます。
ようやくたどり着いたスープをレンゲで掬うと、ピュアな豚骨スープに野菜の甘味とうま味が染み出したまろやかな味わい。飲み干した後の余韻にコクがあり、なんともヤミツキになりそうな美味しさです。
ちゃんぽんだけで充分満足できますが、店名に冠した餃子を食べないわけにはいきません。ラーメンやちゃんぽんと同じ製麺所に特注しているというやや厚めの皮に包まれた餃子はこんがりとしたキツネ色に焼かれ、大きすぎず、小さすぎずの程よいサイズ感(写真は2人前)。カリッとした食感の後に、豚挽肉とキャベツ、玉ねぎ、ニラ、ニンニク、ショウガなどを混ぜた餡からジュワッと肉汁が広がります。喉がビールを欲しましたが、グッと堪えて次回のお楽しみにとっておくことにしました。
ランチタイムにはラーメンやちゃんぽんに餃子3個、小めし、サラダが付いたお得なセットメニュー(1,000円〜)もあり、夜は一品料理をつまみながらの居酒屋利用もOK。今回は果たせなかった「餃子で一杯」をやるために、近々リベンジ再訪することにします。
餃子 一鉄
福岡市中央区六本松2丁目3−21
092-725-8210