【動物愛護センターから】災害時に困らない!飼い主さんの備え(その1)
飼い主さんは絶対に死んではいけない!
元日に起きた能登半島地震、本当に驚きました。被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。災害はいつどこで起きるのかわからない、ということを私たちみんなに気づかせてくれたと思います。このコラムでは、4回にわたって、「災害時に困らない!飼い主さんの備え」と題してペットの飼い主のための防災対策についてお話しします。
飼い主に求められる防災対策として一番大事なことは、飼い主自身がケガをせずに元気でいることです。防災対策というとホームセンターで防災グッズを取り揃えて安心する人が多いです。でも、ペットにとっては平時も災害時も飼い主さんが一番大事ですし、飼い主が死んでしまったら、非常時に他人のペットを気にかけてくれる人なんていません。ですので、大切なペットを守ることができる唯一の存在である飼い主さんは、絶対に死んではいけないのです。
そこで、飼い主さんが生き残るためにしなければならないことを、まずお伝えします。
家の耐震化・地震対策
能登半島地震や阪神淡路大震災では、たくさんの家屋が倒壊し、家具が倒れ、多くの死者や負傷者が出ました。日本は世界中の地震の約2割が起きている地震大国で、どこでも震度7クラスの地震が起きる可能性があります。飼い主さんやペットがケガをしたり死んだりしないために必要な事、それは地震に強い家にすることです。
建物を建てる時の耐震基準は、1981年、2000年に大きく改定されています。古い家ほど地震に弱く、大きな地震で倒壊する可能性が高いことになります。家がつぶれたら飼い主もペットも助かりませんので、古い家は耐震診断をして補強することをお勧めします。
そのうえで、過去の地震でケガをした人の大半は倒れた家具や家の中のガラスが原因ですのでこれらの対策をすることが有効です。家具は倒れないように固定し、食器棚なども含め、ガラスには飛散防止シートを貼っておくとよいでしょう。
水害、土砂災害はハザードマップを見て避難
水害や土砂災害のリスクはハザードマップで知ることができます。自分の家や職場は安全なのか、大雨の時に避難する必要があるのかを知り、避難する際の、持ち出し品などを準備しましょう。そのうえで、気象情報をよく確認し、「いざ」という時は、ペットを連れて安全な場所に避難しましょう。
【関連サイト】
備えよう!ペットの災害対策(新潟県動物愛護センター)
ペットの災害対策(環境省)
新潟県中越沖地震 倒壊した建物としなかった建物
遠山潤
1963年生まれ、新潟市出身。帯広畜産大学卒業。獣医師。現在、新潟県職員として新潟県動物愛護センターに勤務。2004年に起きた7.13水害、新潟県中越大震災以降、県職員の獣医師としてペットの災害対策に取り組み、環境省の各種ペット防災関連事業ではアドバイザーを務めている。
(編集 湯本泰隆)