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バレエ『くるみ割り人形』とオペラ『イオランタ』の世界が交錯 東京二期会オペラ劇場『イオランタ/くるみ割り人形』が上演

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ウィーン・フォルクスオーパー『イオランタ/くるみ割り人形』舞台写真

2025年7月18日(金)~21日(月・祝)東京文化会館 大ホールにて(愛知、大分でも開催)、東京二期会オペラ劇場『イオランタ/くるみ割り人形』が上演されることが決定した。

この度、ウィーン・フォルクスオーパーの舞台が9年ぶりに上陸する。チャイコフスキーによる不朽の名作バレエ『くるみ割り人形』とオペラ『イオランタ』の世界が融合した本作。なぜこの2本が一つの舞台になったのか。ともにチャイコフスキー最晩年の作品である『くるみ割り人形』と『イオランタ』は、1892年12月18日にマリインスキー劇場で、2本立ての形で初演が行われたという歴史がある。その後、予算や上演時間の問題もあり、2本同時上演の形態はとられなくなっていき、『くるみ割り人形』はバレエ単独で人気作品となっていくことになった。

ウィーン・フォルクスオーパー『イオランタ/くるみ割り人形』舞台写真          (C)AshleyTaylor

歴史を共にするこの2作品を、2022年よりウィーン・フォルクスオーパー芸術監督を務める名演出家ロッテ・デ・ベアが上演可能な形で一つの作品に華麗にまとめ上げたのが『イオランタ/くるみ割り人形』だ。そして、ウィーン・フォルクスオーパーは、芸術監督就任第一作目として本プロダクションを演出し、絶賛を浴びだ。オペラでもありバレエでもある、舞台芸術の感動と興奮の詰まった新感覚な舞台となっている。

本公演は、それぞれの作品のシーンが織り重なり紡がれる幻想的な世界が展開する。物語の枠組みは、盲目の王女であるイオランタが、その内なる目でみる幻想の世界が『くるみ割り人形』、彼女が生きる現実世界が『イオランタ』という構成。ストーリーの進行に従って両方の世界が交錯し、いつしかその区別もなくなって劇的なフィナーレへと向かう、という構成。

ウィーン・フォルクスオーパー『イオランタ/くるみ割り人形』舞台写真           (C)BarbaraPálffy

『くるみ割り人形』のパートは、心浮き立つ小序曲に始まり、「花のワルツ」「金平糖の踊り」「アラビアの踊り」など、おなじみの「くるみ割り人形」の名場面が続々と現れる。バレエシーンは、伝統ある東京シティ・バレエ団の精鋭が担当。ネズミや人形は被り物で表現され、ファンタジー感が強調される一方、『イオランタ』のパートは現代的な衣裳でリアル指向の演出。感動的なイオランタとヴォデモンの愛の二重唱は最大の聴きどころの一つでもある。

耳馴染み深いメロディが満載で、視覚的にも楽しむことができる本作。オペラファンもバレエファンも、初めてバレエやオペラに触れる人も、老若男女、多くの方が楽しむことができる舞台公演となっている。

ウィーン・フォルクスオーパー『イオランタ/くるみ割り人形』舞台写真                 (C)BarbaraPálffy

そして、チャイコフスキーの極上のメロディを紡ぐのは、ザルツブルク音楽祭の寵児としてウィーン・フィルも絶賛するマキシム・パスカル。2019 年『金閣寺』で二期会に初登場し、しなやかなタクト裁きで名演を生み、喝采を浴びた。その後も『サムソンとデリラ』『ルル』を指揮し、いずれも好評を博しており、2025年12月の『ファウストの劫罰』での指揮も予定されており、近年、もっとも二期会が信頼を託すマエストロの一人。

タイトルロールには梶田真未、川越未晴が抜擢された。梶田は2018年5月二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』でデビュー、2021年に東京音楽コンクール第1位、2024年には『タンホイザー』にてエリーザベトを務め、芯のある美声で注目を浴びたソプラノ歌手だ。川越は将来有望な若手歌手。これまでに第20回東京音楽コンクール声楽部門第3位、第5 回日伊声楽コンコルソ第 1 位等数々の受賞歴を持つが、本役でいよいよ二期会デビューを果たす。

二期会を熟知するマエストロと気鋭の歌手たちが紡ぐ珠玉の音楽を楽しみにしよう。

ウィーン・フォルクスオーパー『イオランタ/くるみ割り人形』舞台写真          (C)AshleyTaylor



【あらすじ】
王女イオランタは目が見えない。でも彼女はそのことを知らない。優しい父・ルネ王は、イオランタを守るため「禁じられた庭」に囲い、真実を隠してきた。夢の中で、くるみ割り人形の王子と出会い、イオランタは想像の世界を広げていた。
ある日、青年ヴォデモン伯爵が「禁じられた庭」に迷い込み、イオランタと出会う。彼の語る「光」や「色」の美しさに触れたとき、イオランタの中に生まれたのは、「世界を見てみたい」という初めての願い——。
彼女が選ぶ未来とは?どうぞ劇場で、その結末をご覧ください。
東京二期会からのメッセージ 《今こそすべての方に本物の舞台芸術を》

2025年夏、ウィーン・フォルクスオーパーおよびウィーン国立バレエ団と共同制作でこれまでになかったオペラとバレエの融合した舞台を、東京、愛知、大分全国3都市でお贈りします。
本作は、世界の第一線で活躍するロッテ・デ・ベア演出によってウィーンで初制作され、高く評価された最新プロダクション。演出家自身が「ファミリー・オペラ」と語る通り、大人にも子どもにも深く届く、美しい舞台となっています。
東京二期会は今、「誰もが本物の芸術体験を楽しめる」ことの価値を見つめ直しています。大人も子どもも、オペラファンもバレエファンも、そしてもちろんこの舞台で初めて劇場にお越しになられる方も、世界屈指のクリエイターが制作した、最高に想像力と創造力に富んだ舞台をお楽しみいただきたい。本当の意味で劇場をダイバーシティの場として再興させること。その最適な舞台のひとつが、『イオランタ/くるみ割り人形』です。

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