ナウマンゾウ以外の絶滅したゾウの仲間とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】
ゾウの仲間
ナウマンゾウをはじめとする絶滅したゾウの仲間
日本を代表する古生物と聞くとナウマンゾウを思い浮かべる人も多いでしょう。新生代の第四紀更新世に存在したゾウ類で、現在のアジアゾウやアフリカゾウの仲間です。
学名はパレオロクソドン・ナウマンニといい、その化石は日本各地で数多く見つかっています。現生のアジアゾウほどの大きさで、温帯の環境を好み、暖かくなると北上し、寒冷化すると南下していたと考えられています。
オスの牙が非常に大きいのが特徴で、2メートルを超す牙をもつ個体も見つかっています。旧石器人の狩りの対象だったかもしれません。
ゾウは長鼻類というグループに分類されています。この長鼻類のなかで、いまのところ最古の原始的なゾウの仲間と考えられているのは、古第三紀暁新世の北アフリカにいたフォスファテリウムという体長60センチほどの小型カバに似た姿をした水辺に暮らす動物でした。長鼻類が大型化したのは、その後平原に進出してからです。
新第三紀中新世になると長鼻類のなかからゴンフォテリウム類と呼ばれるグループが登場します。その代表であるゴンフォテリウムは、上アゴと下アゴの両方に牙をもち、現在のゾウと違い、上アゴの牙が外に向かっていました。
同じ時代にいたアメベロドン類のプラティベロドンでは、長く伸びた下アゴに板状に平たくくっついた牙をもっています。上アゴの牙も短く、長鼻類が大型化し、だんだん鼻が長く伸びていく過程に出現した種だったのかもしれません。
ゴンフォテリウム類もアメベロドン類もゾウ類そのものではありませんが、広い意味でゾウの親戚と呼べるでしょう。
絶滅したゾウの仲間たち
ナウマンゾウ
新生代第四紀更新世
哺乳類 有胎盤類 長鼻類
ゾウ類
約4.5メートル
肩高最大約3メートル
プラティベロドン
新生代新第三紀中新世
アメベロドン類
約4メートル
肩高約2メートル
ゴンフォテリウム
新生代新第三紀中新世
哺乳類 有胎盤類 長鼻類
ゴンフォテリウム類
約4~5メートル
肩高約2.5~3.5メートル
長鼻類は、進化が進むにつれ大型化し、歯が特殊化していった。それは、食性などの生活様式の変化や生息地域の環境変化があったためと考えられている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之