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“昇格組”の清水エスパルスがJ1で躍進を果たすために必要なこと

アットエス

【サッカージャーナリスト・河治良幸】
清水エスパルスは2024シーズンのJ2優勝を果たし、3年ぶりのJ1復帰を決めた。長いシーズン、なかなか勝てずに苦しい苦しい時期もあったが、終わってみれば36試合目で昇格が確定、残る2試合も連勝で飾って、2位の横浜FCに勝ち点6差を付けた。

しかし、J1のステージでは個人能力で相手を上回ることは難しく、ベースの強度にしても、両ボックスのクオリティにしても、大きく引き上げていかないと、終盤まで残留争いに巻き込まれるだろう。

秋葉忠宏監督が3年目となるチームのベースがガラリと変わることは考えにくく、J1を戦い抜くために補強は必要となる。3バックと4バックを併用しながら、シンプルに効率よくボールを運んで2列目に起点を作り、オープンになりやすいサイドを両サイドバックが使って攻撃に参加する。乾貴士が自由度の高いポジショニングでボールを触る分、周囲の選手がいかに瞬間的なスペースを使ってフィニッシュに絡めるかが得点の鍵になる。

乾が年内に契約更新を発表したことは大きく、チームの軸を明確にして、ここからのチーム強化を見ていくことができる。今年の主力ではGK権田修一、鹿島アントラーズから期限付き移籍していた中村亮太朗らの退団が確定している。

権田に代わる守護神候補は沖悠哉と想定されるが、J1全体の補強動向を見ると、チャレンジではあるだろう。

弓場将輝(左)とカピシャーバ


ボランチはFC町田ゼルビアから育成型期限付き移籍だった宇野禅斗が完全移籍で加入し、大分トリニータから22歳の弓場将輝が加入。アンダー代表を経験した弓場は今年、片野坂知宏監督のもとで大きく成長したタレントだ。

そして個で違いを作れる左のサイドアタッカーとして、セレッソ大阪からブラジル人MFのカピシャーバが加わっている。右サイドではJ2に降格した鳥栖から、左利きのMF中原輝を獲得する報道が出ているが、清水のスタイルにハマりそうだ。

最終ラインの顔ぶれは…

最終ラインに関しては期限付き移籍組の蓮川壮大の完全移籍での加入、J1のライバルから引くて数多と見られていた原輝綺の名古屋への完全移籍がリリースされた。

清水は守備強度を引き上げていく必要に迫れているほか、J2でも課題と見られたサイドの高い位置、あるいは前目の選手に縦パスを付けるクオリティのアップは欠かせない。

ここをうまく改善できないと、ジュビロ磐田がそうだったように、ロングボールを前線に当てて、うまくセカンドボールを拾えたところからしか、攻勢をかけられなくなる。

この辺りの問題点は秋葉監督はもちろん、かつて松本山雅の監督としてJ1を経験した反町康治GMらも、よく認識しているはず。守備面で獅子奮迅の働きを見せた原の名古屋移籍を考えても、ディフェンスラインにJ1経験のある主力級のタレントを加えたい。

3バックをオプションとするなら、尚更だろう。ただ、センターバックもサイドバックもJリーグとして不足傾向にあり、J1に昇格した清水であっても、J1基準の実力者を獲得するのは簡単ではないだろう。今年の東京ヴェルディがそうであったように、現有メンバーを我慢強く使って成長を促すという方法もあるが、リスクも付きものだ。

(左から)宮本航汰、矢島慎也、宇野禅斗

ボランチには上記の宇野と弓場に加えて、バンディエラになりつつある宮本航汰、中盤であればどこでもこなせる矢島慎也もおり、頭数は揃っているが、J1を戦う軸になりうる選手が欲しいところだ。今年は前半戦で低迷した北海道コンサドーレ札幌に大﨑玲央が途中加入して、救世主的な存在になったが、清水も攻守の要になりうる選手を一人は入れないと、試合を重ねるに連れて苦しくなってくるかもしれない。一部ブラジルの現地報道ではグアラニー所属MFマテウス・ブエノの名前も浮上している。

最前線も補強必要

前線に関しては外国人も含めて、現有戦力がどれだけ残るかにもよるが、やはりチアゴ・サンタナのように、J1でも2桁を狙っていけるFWが必要だろう。ただ、J1の戦いにおいてはビルドアップから相手陣内に攻め込むのはより厳しくなってくるので、ターゲットマンとしての働きも必要だ。そうした役割を全て北川航也や若い郡司璃来に託すというのは危ない。それこそ、今年の町田におけるオ・セフンのような選手がいれば心強いが、どうなるか。

北川航也(左)と郡司璃来


チーム戦術としてはより、攻守のトランジションをベースアップさせていくことに加えて、ボールを持っていない選手の稼働力も鍵になる。ただ、やはりチームに道筋を通す意味で、特にセンターラインのところはJ1基準での強度とタレント力が必要で、そこがほぼ残りの補強ポイントになってくる。

どこを残し、どこを組み上げていくか。今年は静岡県勢のジュビロ磐田が、最終節で降格が確定してしまったが、町田は3位、昨年プレーオフを戦った東京ヴェルディは6位と躍進を果たした。

清水は2月16日の開幕戦でいきなり、ヴェルディと国立で対戦するが、プレーオフのリベンジを果たして飛躍への足がかりを掴むことができるか。まずは開幕に向けたチーム作りに注目していきたい。

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