猫の命を脅かす『生(なま)もの』3選 食べてしまったときのリスクや対処法
実は危険!猫に生ものを与えてはいけない理由
愛猫に「新鮮なお刺身をちょっとだけ…」と分けたくなる方も多いと思います。
しかし人の体には問題なくても、小さな体の猫にとっては生の食品に含まれる菌やウイルスが大きな脅威になることがあります。
アメリカでは最近、生の鶏肉を食べた猫が鳥インフルエンザに感染する例が増えており、専門家も注意を呼びかけています。「生もの=自然で安全」という思いは、猫には当てはまらなくなっています。
猫の命を脅かす『生(なま)もの』とは?
では、家庭でよく食べる食材のなかで注意したいのは、どのような「生もの」があるのでしょうか。ここでは3つご紹介します。
1.生卵
生卵は一見ヘルシーな食材に思えますが、猫にとっては意外なリスクがあります。
卵白に含まれる「アビジン」という成分は、猫の健康に欠かせない「ビオチン(ビタミンB7)」の吸収を妨げてしまうため、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
ビオチンが不足すると、被毛がパサついたり、皮膚トラブルや元気のなさといった不調が現れることも。また、サルモネラ菌による食中毒の心配もあるため、生のまま与えるのはとても危険です。
卵を使うときは、必ず加熱したものをほんの少量だけ与えるようにしましょう。
2.生の魚介類や青魚
イカやタコ、エビなどの生の魚介類に含まれる「チアミナーゼ」という酵素は、猫の体に必要な「ビタミンB1」を分解してしまいます。
ビタミンB1が不足すると、ふらつきや食欲不振、最悪の場合けいれんや昏睡に至るリスクがあるため、注意が必要です。
また、アジやサバなどの青魚も猫が食べることで「黄色脂肪症(イエローファット)」を引き起こすリスクが高まることが知られています。
見た目が美味しそうだからといって、ほんの一切れでも与えるのは控えましょう。
3.生肉(鶏・豚・牛)
生の肉にはサルモネラ菌やカンピロバクターなど、食中毒の原因となる菌が多く含まれています。
人間なら加熱で死滅させて食べることができますが、猫の体はこれらの菌にとても弱く、下痢や嘔吐、重度の感染症を起こすことがあります。
たとえば鶏肉の場合、見た目は新鮮でキレイでも、内部に菌が潜んでいることも。加熱していない限り、猫に与えるのはやめましょう。
万が一食べてしまったら?早めの行動がカギ
生ものを食べた後に、嘔吐・下痢・元気がないなどの症状が見られたら、すぐに動物病院に連絡することが重要です。もし食べた量や種類がわかるなら、獣医さんに伝えると診断の助けになります。
とくに海外のニュースでも話題になったように、飼い猫が生肉を食べて「鳥インフルエンザウイルスが検出される」といった命に関わる病気のケースがあります。自己判断せず早めの対処をしましょう。
猫は体が小さいぶん、ほんの少しの食材でも強い影響を受けてしまうことがあります。愛猫を守るためにも、「ちょっとだけなら」の気持ちを手放すことが一番の予防です。
まとめ
生ものは、なんとなく「新鮮=体にいい」と思いがちですが、猫にとっては健康とは逆に体に害を与えてしまうことがあります。
「栄養の吸収を妨げる」「食中毒のリスクがある」などの見えない落とし穴があり、与えた分だけ体に負担がかかってしまいます。
生卵や生魚、生肉には、リスクがたくさんありますので、もし「少しだけ…」のつもりで与えていたら、食べさせないように注意しましょう。「新鮮だから」「少しだけだから」と油断せずに、加熱した安全な食べ物を選んで愛猫の健康を維持してあげたいですね。
(獣医師監修:葛野宗)