注目はドイツパビリオン!? 万博担当記者に聞く、訪れるべき海外パビリオン!
もうすぐ開幕する「大阪・関西万博」。ネットやテレビなどで、いろんな情報が流れていますが、結局どこに行って、何を見ればいいの? とお悩みのアナタへ。この連載では万博に詳しいエキスパートの方々に聞いた、本当に見るべきパビリオン、イベントをご紹介します。
第二回は、読売テレビ報道局の記者で、海外のパビリオンなどを数多く取材している有吉優海さんにお話を伺います。
( Index )
サーキュラーちゃんに注目!ナショナルデーなどのイベントにも大注目!
\教えてくれた人/
有吉優海さん(読売テレビ 報道局 経済・運輸担当記者)
2022年入社。普段は大阪を中心とした企業の取材などを担当していて、万博取材は入社当初から。主に海外パビリオンの取材を行っており、インタビュー時に持参してくれた手書きで細かく書き込んだオリジナル会場地図は圧巻。万博に対する情熱がひしひしと伝わってきました!
サーキュラーちゃんに注目!
有吉さんは主に海外のパビリオンを取材しているそうですね!
そうです。あの大屋根リングの中に158の国と地域がそろっているんですが、それってまずないことだと思うんです。普段なかなか身近に感じられない国が日本に来て、しかも最先端の技術を持ってきてくれる機会はめったにないと思っています。
海外パビリオンの中で特に注目しているパビリオンはどこですか?
ドイツのパビリオンに注目しています。ドイツのテーマは「わ! ドイツ」で、実際のパビリオンも輪っかが7つ重なったようなデザインになっていて、そのひとつひとつが展示の部屋やレストランなどになっています。展示自体は「循環」をテーマにしていて、一見難しそうですが、私がドイツを気に入っているのは、サーキュラーちゃんっていうかわいいゆるキャラがいるからなんです。
(C)German Pavilion / MIR LAVA facts+fiction
ドイツにもゆるキャラっているんですね。
ドイツの担当の方からは「日本には“ゆるキャラ”っていうかわいい文化があるそうだ」ってなって、それでサーキュラーちゃんというキャラクターを新たに作ったと聞いています。パビリオンでは、訪れた人たちがサーキュラーちゃんの人形のようなものを手に持って、サーキュラーちゃんに案内してもらいながらパビリオンの中を回る、という形になります。
楽しそうですね! ドイツのパビリオン全体のテーマは「循環」と聞きましたが、どんな内容でしょうか?
360度スクリーンのようなところで循環をテーマにした映像を流したり、ゲーム感覚で体験できる展示があるなど、テーマがわかりやすく伝わるような工夫をしています。
ほかにもカメラの前に立つと自分の映像が映って、着ている服から植物由来の服や環境に優しい服に着替えられたり、幅広い世代に楽しめるようになっているようです。
(C)German Pavilion / MIR LAVA facts+fiction
(C)German Pavilion / MIR LAVA facts+fiction
すごくドイツのパビリオンに行きたくなりました! ほかにはどういったことが楽しめるのでしょうか?
レストランの予定地に「BEER」と文字が書いてあって、ドイツのスタッフが「ここが一番大事なんだ」って話してくれました(笑)。ビールだけじゃなく、もちろんソーセージも持ってくるそうです。ドイツはパビリオン自体もドイツとオーストリアから持ってきた木材で建てられていて、ガーデンも作られているんです。景色もよく、暖かみが感じられるようなデザインとなっているので、それを見ながら飲むビールは最高だろうなって(笑)。
(C)78degrees.
(C)78degrees.
(C)78degrees.
レストランも楽しみなんですね。
海外パビリオンの展示はもちろん、各国のレストランも凝っているんですよ。ドイツはソーセージ&ビールですが、スイスは『アルプスの少女ハイジ』をテーマにしたカフェなんです。そこではスイスの料理が、日本のものとスイスのものを掛け合わせた形で提供されると聞いています。スイス産のソーセージに、日本のワサビを使ったワサビマヨを合わせるなど、「大阪・関西万博」でしか味わえない料理を楽しめそうです。
(C) FDFA, Presence Switzerland
(C) FDFA, Presence Switzerland
(C)FDFA, Presence Switzerland
ナショナルデーなどのイベントにも大注目!
ドイツのほかにオススメの国はありますか?
展示でいうとイタリアは芸術をピックアップしています。「ファルネーゼのアトラス」という大理石の彫刻を展示するんですが、ものすごく価値のあるもので、それを万博のために持ってきてくれるんです。そんなふうに、万博というひとつの場所に各国の宝物が運ばれてくる。気軽に海外旅行を楽しめるなって思っています。あとはアメリカにも注目しているんです。
(C)Commissioner General for Italy at Expo 2025 Osaka
(C)Commissioner General for Italy at Expo 2025 Osaka
アメリカはどんな内容なんですか?
アメリカは展示内容をまだ発表してないんですよ。でも、力を入れてくるのは間違いありません。1970年の万博では月の石が展示されましたが、今回もそれくらい、もしかしたらそれ以上の目玉があるとのこと。とりあえず建物の外観は見えてきているので、あとはどんな中身になるのか、ですね。
※2025年1月31日(金)取材時点
(C)Trahan Architects
(C)Trahan Architects
(C)Trahan Architects
各国のパビリオンの建設状況はどんな感じですか?
どこも建物自体はほぼできているので、ギリギリ間に合う感じだと思います。あとは各国のイベントにも注目ですよ。
提供:2025年日本国際博覧会協会
提供:2025年日本国際博覧会協会
国ごとにイベントが行われるんですか?
「ナショナルデー」といって、それぞれの国が式典やイベントを行う日が毎日のようにあるんです。どの国もそこには全力を尽くすみたいで、とある国では自国の超有名アーティストを会場に連れてくる、みたいなことも計画されているそうですよ。
日本もAdoさんがオープニングスペシャルライブを行うと発表されていましたね!
毎日、なんらかのイベントが行われているので、それもチェックしてほしいですね。
提供:2025年日本国際博覧会協会
海外パビリオンの魅力を伝えてくれた有吉さん。パビリオンそのものはもちろん、その国の代表的料理や万博だけのオリジナルメニューなど、各国のグルメにも注目です!
写真/(C)German Pavilion / MIR LAVA facts+fiction、(C)FDFA, Presence Switzerland、(C)Commissioner General for Italy at Expo 2025 Osaka、(C)Trahan Architects、2025年日本国際博覧会協会
写真・文/國友 敬