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大分トリニータU-18 目標に届かずも、輝いた成長の軌跡 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

 大分トリニータU-18は、九州の強豪クラブや高校がしのぎを削る年間リーグ戦「プリンスリーグ九州」を戦い抜き、惜しくも3位でシーズンを終えた。上位2チームに与えられる「プレミアリーグプレーオフ」への出場権を逃し、目標だったプレミアリーグ昇格は果たせなかった。今年の全日程を終え、高校3年生たちは引退する。

 

 プリンスリーグ九州の序盤は苦しみながらも、チームは徐々に調子を上げた。終盤には勢いに乗り、残り2試合を残した時点で2位と好位置につけていた。しかし、最後の2連敗が響き、目の前にあったプレーオフ出場権を逃した。キャプテンの後藤雅人(3年)は「1勝の重みを身に染みて感じた。最後の2試合は自分たちのミスが多く、それが失点につながった。なんとか自分たちの形に持ち込もうとしたが、最後の精度が足りなかった」と唇をかむ。

 

 今年のチームは要となる選手を欠いた状態でスタート。局面を打開できるMF小野誠竜(同)ら有力な選手はいたものの、突出した戦力が不足しているのは明らかだった。4月に始まったリーグ戦でも序盤は思うように勝ち点を積み上げられず、苦しい状況が続いた。

 

リーグ後半戦は一体感で巻き返し、上位に浮上した

 

 転機が訪れたのは、7月末に出場した全国クラブユース選手権だった。結果は3戦全敗だったが、山﨑雅人監督は「自分たちの強みを表現できた大会だった」と振り返る。攻守の切り替えの速さで相手に挑み、数的優位をつくってボールを運ぶ形がようやく表れた。この経験を糧に、リーグ後半戦ではチームが一丸となって巻き返し、一気に上位へと駆け上がった。「夏以降、3年生を中心にピッチ内外での意識が大きく変わった。選手たちの成長速度には目を見張るものがあった」と山﨑監督も目を細める。試合を重ねるごとにチームとしての成熟度が増し、戦術理解と結束力が飛躍的に向上した。

 

 特に印象的だったのは、メンバー外の選手たちが自発的に相手チームの分析を行い、ピッチ上の選手に具体的なアドバイスを送る姿だった。チーム全体が一つになったからこそ、快進撃が実現した。「このチームで入れ替え戦を戦いたかった」という山﨑監督の言葉には、選手たちへの深い愛情と惜別の思いが込められている。

 

 年が明け、新チームは2年生を中心に再スタートを切る。3年生たちはそれぞれ大学進学後もサッカーを続ける予定だ。キャプテンの後藤は「プレミアリーグ昇格を果たせなかったのは残念だが、最高の仲間と出会えた。この経験を胸に、それぞれの場所で成長し、4年後にはプロとして大分に戻って再会する」と誓った。

 

4年後の再会を誓った3年生たち

 

(七蔵司)

 

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