札幌のカルチャーシーンも支えてきた、ストーリーのあるカフェ「のや2nd(セカンド)」
札幌市民に長く愛されてきたお店「レストラン のや」。食事やスイーツを提供するだけでなく、札幌のカルチャーシーンの一面も支えてきた同店の歴史と魅力をお聞きしました。
札幌軟石の建物を活用し
カフェやレストランを展開
札幌軟石造りの物流倉庫を活用し、1985年に「プー横丁」をオープンした店主の川端さん。広々とした空間を埋めるべく楽器や古いポスターを飾ったところ、その雰囲気に惹かれて演奏会場にしたいという声がかかった。
「もしも自分が借りなかったら、ここはもっとおもしろい空間になったのではないかなと。レストランだけでは申し訳ないと思い、ライブ会場として開放した結果、気が付けば音楽と食の空間になっていました」。
次第に増えたスタッフを活かすため、1998年にはJR苗穂駅近くに古い木造の建物と札幌軟石の蔵を利用した「レストランのや」をオープン。自分たちで手を加えて造り上げた個性的な空間と、料理メニューの豊富さで長年ゲストを惹き付けた。
残念ながら都市開発の一環としてクローズしたが、「歴史的価値の高い建物を何とか残そうと、専門業者に依頼して蔵は保存しています」。
食事と音楽が楽しめる
一体型のオープン空間
屋号改め「のやセカンド」として'22年に待望の復活を遂げた同店。札幌軟石の種苗倉庫を利用した店舗は、民家の軒下を通るアプローチが個性的。
レストランの時代は飲食とライブスペースが分かれていたが、現在は一つの空間で楽しめるようになったそう。厨房の関係から料理メニュー数は縮小したが、変わらない手づくりの美味しさを求めて多くのゲストが訪れている。
新たに自家焙煎の豆で淹れる本格的なコーヒーメニューも登場したので、趣のある空間でゆっくり過ごしてみては。
1941年建築の種苗倉庫を活用した店舗は、床下を下げて2階席を設計。レストランのやでも使用されていた、流木で作った柱も目を引く。
通りから奥に入った場所に構える店舗。川端さんが台湾旅行の際に出合った約40cmの隙間から入る人気カフェが、この場所を決める後押しに。
「ほうれん草と牡蠣のドリア」1,250円。長年愛されてきたひと皿で、地元のタマネギを使いホワイトソースから手づくりしている。
鮮やかな色の「ハスカップクリームソーダ」800円。2Fの小上がりには、世界で活躍する村上智彦さんが手がける「ARAMAKI」のテーブルも。
「濃厚チョコレートケーキ」650円。イタリア「LA・CIMBALI社のマシンで淹れる「カフェラテ」650円。セットで100円オフに。
店主の川端さんが高校生の頃から集めていたというライブや映画のポスターが、店内の随所に貼られている。
ダイヤルはなく、電話交換手に繋げてもらう時代に使われていたもの。
エントランスに置かれた“昔の秤”。かつては種を計測するのに使われていたそう。
-HISTORY-
1998~
「レストランのや」
苗穂駅近くで約23年営んでいたお店。木造の建物と蔵を増改築をして多彩な洋食を中心としたメニューを提供、長く愛されてきた。
2022~
「のや2nd」
札幌軟石の蔵を市内で探し求めて現在の地に復活オープン。流木をインテリアに使っていたり、以前の店の面影はしっかり残されている。
のや2nd(セカンド)
TEL:011-797-8728
住所:札幌市東区北12条東5丁目1-17
アクセス:地下鉄東区役所前駅3番出口より約6分
営業時間:11:00~20:00 L.O.19:30
定休日:火・水曜
席数:42席(禁煙)
駐車場:2台
お子さま:OK
Instagram:@noya2nd