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明治時代、日本で初めての天気予報は○○の掲示板で伝えていたって本当!?

TBSラジオ

「スーさん、コレいいよ」今日のゲストは、天気が好きすぎる気象予報士・増田雅昭さん。

増田:わたしたちが一生懸命、予報している天気予報ですが、いくら予報が当たっても、みなさんの元に伝わらないと意味がありません。この伝え方を日々、考えるのもわたしたちの仕事なんです。

「今の天気の情報って、やっぱ充実していていいな」と思っていただけるように、日本で最初の頃の天気予報って、どんな感じだったのか、その伝え方、そして、どのように進化してきたのかを、ご紹介します。

突然ですが、まずはクイズです!

日本初の天気予報は、いまから、ちょうど140年前、明治17年・1884年6月1日に発表されました。ネットどころか、テレビ・ラジオなどのメディアがなかった時代です。どのような方法で人々に伝えられたでしょうか?

正解は「東京の交番の掲示板で天気を伝えていた」です!

増田:日本最初の天気予報は、ドイツ人の技師エルヴィン・クニッピングが天気図を描いて、いまから、ちょうど140年前、1884年6月1日に発表をしました。

どんな予報だったか?

「全国一般、風の向きは定まりなし。天気は変わりやすし。ただし雨天がち」 だけ。

 これ、現代ふうに訳すと「きょうは、全国的に、風向きはバラバラでしょう。天気は変わりやすい見込み。ただ、雨が降りやすそうです。以上、天気予報でした」みたいな、超ざっくりの天気予報でした。しかも、全国の天気なのですが、東京の一部の人しか知ることができませんでした。

では、もう1問。クイズです!

交番の掲示板の天気予報からスタートした8年後の1892年、天気の伝え方が少しだけ進化しました。どんな方法で伝えられたでしょうか?

正解は「気象台にかかげる旗の色で伝えていた」です!

増田:たとえば青い旗がかかげられていると予報は雨、晴れは…白、曇りは…赤、雪は…緑。四角形の旗で天気を表して、三角の旗で風向きを表すなどしました。ちなみに、夜はランプの色で伝えていました。この「ランプの色の天気予報」は、近年も使われていました。

大阪・通天閣、「光の天気予報」は2022年まで行われていました。

実は、いま私たちがいるTBS放送センター、通称ビッグハットもそうだったんです。屋上の帽子の形の部分がライトアップされ、色によって翌日の天気を伝えていました。わたしたち気象予報士が、ライトの担当者に明日の天気を伝えていて、たしか15年ほど前まではやっていたと思います。

そんなアナログな伝え方から、新聞、ラジオ、テレビ、ネットと天気予報を伝える媒体も進化してきています。

ありとあらゆるルートで防災情報がたくさん流れる今、災害を防げるかどうかは、情報を受け取る側に委ねられているとも言えます。情報を受け取ってどう行動するか、です。

「線状降水帯」について改めて詳しくご紹介します。今年からどう変わったのか、ポイントです!

都道府県単位で予報を出せるようになりました!

増田:2010年代に、線状降水帯による大きな災害があいついだことを受けて、2021年に気象庁が、線状降水帯の発生を知らせる情報を出すようになりました。まだ予報ではなく、「発生しました!」という情報です。

2022年からは、予報が出るようになりました。「半日後に発生のおそれがあります」という形です。ただし、「関東」「九州北部」など大きな地域での区分。

ちなみに、なぜ半日前かというと、みなさんが寝ている夜の間に発生して被害が出ることが目立つためと言われます。避難の時間が確保できるように、夕方の時点で出せるようにということです。

そして、今年2024年から、都道府県単位での情報が出るようになりました。5年後の2029年までに市町村単位で情報を出すことを目指しているとうことです。

要は、「自分のところだ」と自分事として感じてもらえるように、予測技術を進化させようとしているわけです。

天気予報は、情報が進化することによって、被害に遭う方を減らしてきたという歴史があります。

今では、当たり前にある台風の予報ですが・・・台風がくることがわかっていなかったら、と想像してみて下さい。

ハッキリと効果が分かりやすいのが船舶。

台風情報がなかった時、もしくはあっても情報が充実してなかった時は、たった1つの台風で、何十~何百隻もの船が遭難して、多くの人が亡くなっていた時代がありました。昭和の後半でも起こっていた話です。

今、台風が来ても、何十~何百隻も遭難したっていうニュースはないですよね?台風の情報があるだけでなく、みなさんが行動を変えているから、昔に当たり前のようにあった災害が減っています。

線状降水帯も、情報はあります。出てきています。あとは、それを受けて、みなさんが行動を変えることで、

今は大きな被害が出ている現象ですが、昭和以前の台風時の船舶のように、「そういう時代もあったね」と出来る可能性があります。

情報を受け取ったあと、どう行動するかを考えておくのは、特に、この雨の季節に入る前、すごく大事だと思います。

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