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八乙女光「劇場に来てくれたら、数分でストーリーに入っていけるような作品です」~舞台『Bug Parade』が開幕

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『Bug Parade(バグ・パレード)』

2025年4月14日(月)東京・東京グローブ座にて、Hey! Say! JUMPの八乙女光が主演を務める舞台『Bug Parade』開幕する。初日に先駆け、ゲネプロ及び囲み取材が行われたので紹介する。

注目の劇作家・演出家・小沢道成による最新作で、選択を誤りがちな主人公・春翔が過去の後悔と向き合う姿を通して、人生の不確かさを描き出す本作。LEDディスプレイを用いた舞台装置と演劇的手法を組み合わせた表現や、7人の俳優陣が複数役を演じ分ける点もポイントだ。

ゲネプロ後の囲み取材には、八乙女のほか、伊勢佳世、長井短、内村颯太、ぎたろー、竪山隼太、篠井英介、作・演出の小沢が出席。初日を控えた心境や、稽古場でのエピソードを和気あいあいと語った。

まずは役どころとゲネプロを終えた感想から。

八乙女「春翔役の八乙女光です。通しは何回もやってきたんですけど、7人のパワーや流れ方が違って。その違った楽しみが毎回あるので、ゲネプロもキャストから膨らむパワーが溢れ出て、初日も素敵な舞台になるなと思いました」

篠井「たくさんの役をやっております、篠井英介でございます。ゲネプロを終えて…正直なところは大変ですけど(笑)、これはお客様は楽しかろうなと。できれば客席で観たいな、心にくるだろうな、と思っております」

伊勢「主に母親役を演じます、伊勢佳世です。稽古場とは雰囲気が違って、楽しい部分もあれば緊張している部分もあるので、もっともっとこれから慣れて、自由になっていくのが楽しみです」

竪山「主に(春翔の)兄を演じている竪山隼太です。これほど“全員野球” という言葉がぴったり合う芝居はないんじゃないかと思っていて。お芝居が好きな人たちが集まっている作品に参加させていただいたのはすごく嬉しいです」

長井「主に“日傘女”の役をやらせていただきました、長井短です。すごい楽しいゲネプロで、はしゃぎすぎちゃったなと思っています(笑)」

内村「内村颯太です! 14役くらい演じさせていただき、メインのキャラクターは“泣き虫男”です。頑張るのでよろしくお願いします!」

ぎたろー「ぎたろーです。タクシー運転⼿や春翔のお⽗さん役をやらせていただいています。あと13役くらいやっています。ゲネプロを終えた感想は…お腹が空きまくる(笑)。何とか、(舞台の)後ろのいろいろなところに、ちっちゃいハンバーガーを隠せないかと真剣に考えております」

ぎたろーのコメントを聞き、ステージ後⽅へ⾛って⾏った内村は「ここに…」とぎたろーが隠していた(!?)お菓⼦を掲げる。「いいのいいの!」と焦るぎたろーに、場内は笑いに包まれた。

『Bug Parade(バグ・パレード)』舞台写真

小沢「作・演出の小沢道成です。ヘアメイク、衣裳、映像、照明、音響、舞台美術のすべてが見事に…なかなか日本では観ることのできない要素がぎゅっと詰まってるなと思いながら。春翔という青年が抱えてしまったもの、ひとりの人生を7人の俳優で描くというのは、演劇でしかできないことかもしれないなと思いながら、何度も感動しました」

八乙女演じる春翔は、悪いことが起きるのは選択を誤った自分自身が原因と自信を失いがちの青年。考え込むシーンが多く、大変だったという。「稽古でも“どういうふうに演じよう”っててんぱるので、てんぱる役をてんぱって考えるみたいな(笑)。それこそが“Bug Parade”になっちゃってるんですけど(笑)」と本音を吐露。しかし「考える過程が楽しかった」「ここまで“楽しい”が更新されて進んできた」と声を弾ませた。

本作の大きなポイントは、キャスト陣が複数役を演じ分ける点。篠井は「内村君と僕は45歳の差があるんです。若い皆さんについていくのがやっと」と謙遜しつつ、「『次何だっけ?』って思いながら皆さんに助けてもらって。よろしくお願いしますー」と共演者に頭を下げて、場内の笑いを誘った。本作のタイトルでもある“バグ”は、ステージに設置されたLEDディスプレイを駆使して表現。例えば、グリッチのような映像や断⽚的な光が春翔の複雑な心象表現となっていた。実際に、稽古場で“バグ”が起きたか問われた八乙女は「たくさんあった」と笑う。「逆に」というセリフが連発されたタクシーに乗るシーンを挙げ、「おかしくなりそうでした(笑)」と打ち明ける八乙女に、ぎたろーも「僕も何の逆なのか、わからなくなりそうでした(笑)」と賛同した。

そのまま話題は稽古場の雰囲気へ。「小沢さん、マジで優しい!」と大きな声を上げたのは内村だ。「『こうしよう』って言われて、次やるとするじゃないですか。ミスをしてしまうとするじゃないですか。普通だったら『2回目じゃん。こうだったじゃん』って言うんですよ。でも小沢さんは、2回目間違えても1回目(のミス)みたいに『こうしよう』って言ってくれる」と小沢の優しさに救われたことを明かした。八乙女も「わかる」と頷き、「優しさの中に筋の通った言葉がある」「みっちー(小沢)が膨らませたいシーンをみんなで協力して実現しようというパワーが自ずと(出てくる)」と語った。ここで伊勢から「八乙女君は絵が上手で、メモ帳とかに勝手に落書きしてて」と、八乙女に関する暴露(!?)が。「イヤなんだけど、すごい上手だから嬉しい(笑)」と話す伊勢の笑顔から、カンパニーの仲の良さが伝わってきた。

最後に、八乙女から観客へメッセージを。「このビジュアルで『どういう舞台?』ってびっくりするかもしれないんですけど、劇場に来てくれたら、数分でストーリーに入っていけるような作品になっています。目まぐるしく、一人の人間の感情がどんどん変わるんですけど、『これ、たった1日の話か』って、終わった瞬間に思うかもしれないですし。あとは、1回じゃ物足りないだろうな、と。観に来てくださる方には、2回目、3回目もどうですかって思いますね。でも、1回でもちゃんとした満腹度で帰っていただけると思います」と、作品への自信を覗かせた。

テクノロジーと演劇ならではのアナログな表現の融合、複数役を演じ分ける俳優陣の技量が現実と空想の境界を軽やかに⾶び越え、観客の想像力をかき立てる本作。人生の“バグ”が笑いと切なさを交えて描かれた脚本は、誰もが共感できるだろう。「あの時、別の選択をしていたら」と考える瞬間をユーモラスかつ真摯に掘り下げつつ、人生の不確かさを受け入れながら前を向く力を与えてくれる本作のパワーを、ぜひ劇場で受け取って欲しい。

本公演は、4月14日(月)から 5月5日(月祝)まで、東京グローブ座にて、続けて、5月10日(土)から 5月12日(月)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて上演。

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