「村なくして米なし」 コメ農家が危機感訴え 新潟百姓一揆の上越集会
コメ価格の高騰で農業政策への関心が高まる中、新潟県内のコメ農家有志らが農政転換を求める「新潟百姓一揆」の上越集会が2025年6月14日、上越市下門前のかに池公園で開かれた。「村なくして米なし」のボードを掲げ、農業人口の減少で縮小する農村への危機感などを訴えた。
《画像:農家らが集まり農業の重要性などを語った上越集会》
新潟百姓一揆は、3月に全国の農家有志らが東京でデモ行進した「令和の百姓一揆」にも参加した農家有志が中心となり企画された。この日は長岡市に県内各地の農家が集まり、集会とデモ行進を行うのを前に、上越地域の農家で気勢を上げようと上越集会が開かれ、約25人(主催者発表)が参加した。
上越集会実行委員の一人で、県議の牧田正樹さん(60)は「昨年からコメが高騰し、行政は減反政策をやってきたがやはりコメが足りないのではないかという声が上がっている。インバウンドなどで需要が急に増え、不足が顕在化してきたのでは」と語り、「百姓一揆は重税に苦しむ農家がやってきたもの。今農家の皆さんと一緒に消費者も連帯して立ち上がるべきではないか」と話した。
《画像:実行委員で農家の天明さん》
参加者も次々にマイクを握り、「国はうまいように補助金を出して、農政をちゃんとしているふりをして、農家を生かさず殺さずやってきた」「30年間米価が上がらず、農村や農業はどんどん追いやられてきた。競争社会が農村に浸透し、地域はどうなっていくのか。国民の皆さんに気付いてもらいたい」などと訴えた。
吉川区の農家で、実行委員の天明伸浩さん(56)は「農家があまりにも減りすぎていて、農村の力が落ちているのが大きな問題。一人でも多くの人に農業の大切さを感じてもらい、農業に関わってもらえたら」と話していた。
《画像:長岡市の集会へ向かい出発する軽トラック》
集会後、参加者は「百姓一揆」などと書かれたのぼり旗を掲げた軽トラックなどで上越市内を巡回し、長岡市へ向かった。