あわしまマリンパーク再出発 入園料は値上げ “ビジネスの素人”が決めた覚悟
■「ラブライブ!」の聖地 放送作家の今村クニト氏が新社長
人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地として知られる沼津市の水族館「あわしまマリンパーク」が7月12日、再オープンする。施設の老朽化や来園者の減少で閉園から4か月半。放送作家の今村クニト新社長のもと、再び輝きを取り戻そうとしている。
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1984年に開園したあわしまマリンパークは今年1月、設備の老朽化を理由に閉園が発表された。ピーク時には年間13万人だった来園者は8万人まで減少。施設を補修するだけの利益を上げられない厳しい経営状況だった。
ただ、沼津市の観光地、さらに「ライブライブ!サンシャイン!!」の聖地としての人気は根強い。閉園発表後に来園者が急増し、閉園を約2週間延期した。
新たな経営陣のもとで再建を望む声が上がる中、手を挙げたのは企業ではなく個人だった。兵庫県出身の放送作家・今村クニトさん。息子の影響で「ラブライブ!サンシャイン!!」のファンとなり、アニメの舞台にもなっている場所を何とか残したいと立ち上がった。借金をして資金を用意。あわしまマリンパークを運営する会社の株式を取得して社長に就任し、次のようにコメントした。
■「悲しいことは全部背負う」 クラファンや所有権など問題山積
「ラブライブが好きで、淡島が好きで、『水族館がなくなるのは嫌だ!』とひたすら走っていたら、こういう状態になりました。僕は放送作家でビジネスの素人ですが、クラファンの件、裁判の件、ファンとして『もうやめてくれ!』と思う悲しいことは全部、僕が背負って対応していく覚悟を決めました」
「淡島が『ふつう』に楽しい場所になるように!世界に誇る『宝島』になるように!全力で頑張ります。『熱意だけではビジネスはできない』と厳しい言葉もありました。でも、皆さんの力とアイデアを貸してもらえたら絶対にいける!と根拠のない自信はあります!」
今村社長が触れたのは、前オーナー会社が実施したクラウドファンディングの返礼品が一部で未配送であることや、債権者側との間で水族館の所有権をめぐって裁判が続いていることなど、直面している問題だ。決して先行きが明るいとは言えない状況で、社長に就いている。
健全な経営を目指し、あわしまマリンパークは入園料を今までの2000円から3000円に値上げする。小人(4歳から小学生まで)は1500円で、15人以上の団体には割引きを適用する。
(SHIZUOKA Life編集部)