「まるでおとぎ話」な洋館で芸妓がカフェをオープン!新しい試みで思いがけないご縁も【さっぽろ芸妓日記vol.34】
札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には11名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
10月24日~11月3日の計11日間行われておりました「中島公園紅葉ライトアップ」。
今年はなんと、豊平館で「芸妓カフェ」を期間限定オープンさせていただきました!
今回はイベントの様子を、写真とともに振り返っていきたいと思います。
会場のようす
会場は豊平館の2階。大広間でお客様をお出迎え。こちらは普段、昼間は有料で見学ができるのですが、夜の姿はとってもレア。
明るい時間帯とはまた違って、まるでおとぎ話の中に出てくる洋館のような、そんなステキな雰囲気でした。
カフェ仕様に椅子とテーブルをセッティングし、お客様をお迎えしました。
会場の奥の方には簡易ステージがあり、演舞をご披露する日も。
(演舞ありの日は行列ができるほどでした!有難いですね)
豊平館とのご縁
豊平館が現在の場所(中島公園)に移築されたのが、1958年。
実は、私たちがいつも披露している「札幌小唄」という演目があるのですが、
同年開催の「北海道大博覧会」で、当時の札幌の芸者のお姐さん方が踊るために誕生したPRソングだったのです。
思いがけないご縁と札幌の歴史を感じ、感慨深いものがありました。
ちなみに「札幌小唄」は私たちのイベントや踊りの会などでもよく披露させていただいている定番ソングですので、
今後もし機会がございましたら、札幌の歴史に想いを馳せながら聴いてみてくださいね!
とても楽しい時間でした!
こちらは今回のカフェでコラボした珈琲とかぼちゃバスクチーズケーキ。私もお仕事の合間に控室でいただきました!秋の味覚、堪能させていただきました。
思いがけず、国内外を問わずたくさんのお客様にお越しいただいた今回のイベント。
「芸妓カフェ」も初めての試みでしたが、私たちもとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
今後もどんどん新しいことにチャレンジさせていただけたらうれしいなと思います!
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連載さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部あま
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。
※掲載の内容は記事執筆時(2025年11月)の情報に基づきます。