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<全国高校サッカー選手権静岡県大会>決勝注目の“2年生MF対決”篠塚怜音(静岡学園)vs川合亜門(浜松開誠館)

アットエス


11月16日に行われる第103回全国高校サッカー選手権静岡県大会の決勝「静岡学園vs浜松開誠館」で、シズサカ編集部が注目するのは静岡学園のMF篠塚怜音(ジェフユナイテッド千葉U-15出身)と、浜松開誠館のMF川合亜門(浜松開誠館中出身)の2年生対決だ。

篠塚はインサイドハーフ、川合はアンカーに入ることが予想され、試合の中で何度も対峙することになりそう。中盤の攻防でどちらが主導権を握れるか。チームの勝敗に直結する2人の戦いから目が離せない。

静岡学園 MF篠塚怜音(ジェフユナイテッド千葉U-15出身)

今大会初戦から3戦連発4ゴールで、いずれの試合もチームに先制点をもたらしている。「中学の時から自分は目立つタイプではなかった」と繰り返し口にするが、テクニシャン集団の中で今、最も輝きを放っているのがこの背番号24だ。

169センチの小柄な体で相手守備ブロックの隙間に入り込み、プレッシャーを恐れずにボールを受けていく。本来はゴールを奪うことよりも、テンポよくさばいてリズムを作っていくのが持ち味だ。

レギュラーを奪取したのは今夏の全国総体から。普段は辛口の川口修監督も「彼の良さは献身性と賢さ、ポジション取り。これまではゴール前の質が課題だったが、点を取れるようになってくればすごい選手になる」と話す。

千葉県出身。高校を選ぶタイミングでジェフ千葉ユースに昇格することもできたが、静岡学園を選んだ。「見ていて楽しいサッカーだった。いろんなチームの映像を見て、ここで試合を決められるような選手になりたいと思った」。自分の殻を突き破ろうと静岡にやって来た。

静岡学園は先制点さえ奪えれば、自分たちのペースに持ち込める。守備意識の高かった相手が点を取り返そうと前に出てきた時、さらに本領を発揮し始めるのがテクニシャン集団だ。篠塚の4試合連続先制弾が生まれた時、全国はぐっと静岡学園に近づく。

浜松開誠館 MF川合亜門(浜松開誠館中出身)

浜松開誠館中時代にエースとして全国中学校体育大会(全中)の優勝に貢献し、一躍脚光を浴びた有望株が、再び日の当たる場所に戻ってきた。

ポジションはアンカー。3バックの前で肉弾戦にかかわり、ボールを奪えばすかさず攻撃の起点となる。

1年前の選手権予選は1年生ながら10番をつけてプレーした。しかし、その後は定位置をつかみ切れず、セカンドチームに落ちたことも。

青嶋文明監督が指摘し続けてきたのは、試合中に「頭が止まり、人にベクトルを向け始めること」だった。「手旗信号のように、仲間に向かって『ここに出せ、あそこに出せ』とやり出す。そうではなくて『お前がボールを受けろ』と」

監督の指摘は、本人も自覚している。「自分でも納得いかないプレーが続いて、ずっと悩んで腐っていた時期もあったけれど、今は監督の言葉を素直に受け止めて、チームのためにできることをやっていこうと意識している」。プライドを捨てて、再び定位置をつかんだレフティーは充実感をにじませる。

指揮官の言葉には続きがある。「彼は将来のある選手。できないことをできるようにする作業が必要なので、しつこく求めていきたいと思う。もう少しで一皮剥けそうなので、何かのきっかけでベロンと剥けないかな(笑)」

全国出場は、その大きなきっかけになるはずだ。

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