1年を通して常に油断は禁物!アウトドア派が知っておくべき紫外線対策
釣りやキャンプなどのアウトドアは、自然を満喫できる魅力的なアクティビティです。しかし、長時間屋外で過ごすことで、紫外線(UV)による肌や目への影響は避けられません。とくに釣りは、水面からの照り返しによって紫外線を浴びやすい環境にあり、対策がより重要になってきます。さらに、紫外線の強さは季節によって変化するため、1年を通して同じ対策を続けるのではなく、時期に応じた工夫が必要になってきます。
当記事では、アウトドアを楽しむすべての人に向けて、季節ごとの紫外線の特徴とそれに合わせた効果的な対策方法をまとめました。健康を守りながら、安心してアウトドアを楽しむための参考にしてください。
紫外線の基本知識
紫外線は波長の違いにより、UV-A、UV-B、UVCの3種類に分かれます。UV-Aは肌をすぐに黒くする紫外線で、肌の表面(表皮)を黒くするだけでなく真皮にまで影響することで、シワやたるみの原因となるのだとか。UV-BはUV-Aほどではないものの、同じく肌を黒くする作用があり、シミやそばかすの原因となるそうです。UVCはオゾン層で吸収されるため、地上にはほとんど到達しないとのこと。
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そのほか、紫外線を浴びすぎると日焼けによる肌のダメージだけでなく、皮膚がんや白内障、免疫機能の低下などの悪影響もあるといわれています。このような影響を避けるために、季節ごとに適切な紫外線対策を行いましょう。
油断しがちな春こそ、しっかりガードを
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春の紫外線
春は冬の寒さから解放されて暖かくなり、アウトドアシーズンが本格的に始まる季節です。気温がまだ穏やかで日差しもそれほど強く感じないため、つい紫外線対策を怠りがちです。しかし実際には、春先から紫外線量は急激に増加しており、3月~5月の紫外線はすでに夏の8割近くに達するともいわれています。
とくに注意したいのが、「まだ寒いから大丈夫」と思ってしまうこと。風が冷たくても紫外線は確実に降り注いでおり、知らないうちに肌がダメージを受けてしまうケースが少なくありません。春は「紫外線のギャップ」が生まれやすい季節なのです。
春は「まだ大丈夫」と思っている間に肌が焼けてしまう、「油断が命取り」な時期です。夏本番の前からしっかり備えることで、シーズンを通して快適に釣りを楽しみましょう。
春の対策ポイント
日焼け止めはSPFとPAの値が高すぎるものよりも、長時間のアウトドア活動に耐えうる持続力を備えたものを選びましょう。汗や水に強いウォータープルーフタイプがオススメです。
また、春先は風による乾燥で肌が敏感になりやすいため、フェイスマスクやネックゲーターなどで顔や首元を覆うことで、紫外線から肌を守る効果が高まります。
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さらに、目の紫外線対策も忘れてはなりません。春は太陽の角度が低いため、斜めから紫外線が降り注ぎます。また、釣りをする場合は水面からの反射も加わるため、偏光サングラスを着用してしっかりと目を保護しましょう。
夏は強烈な日差しと暑さのダブルリスクに備える
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夏の紫外線
夏は1年の中でもっとも紫外線量が多く、とくに6月~8月は肌に直接ダメージを与えるUV-Bの量がピークを迎えます。加えて気温も高く、汗や水分で日焼け止めが流れやすくなるため、「防ぐ」だけでなく「持続させる」工夫が必要になるのが夏の特徴です。
釣り人にとっては、直射日光の下での長時間釣行や水辺での強い照り返し、そして風の少ない日の熱気など、ほかの季節にはない過酷な条件が重なります。こうした環境では、通常の紫外線対策だけでは不十分になりがちです。
また、夏は紫外線対策と同時に暑さとの戦いでもあります。「肌を守る」ことと「身体を守る」こと、その両方を意識した対策が、夏のアウトドアを安全かつ快適に楽しむためのカギになります。
夏の対策ポイント
夏はまず、こまめな日焼け止めの塗り直しが基本。SPF、PA値ともに高めの製品を使いつつ、2~3時間おきに再塗布することで、紫外線から肌をしっかり守りましょう。汗や水に強いウォータープルーフタイプでも、完全な持続力はないため、塗り直しの習慣がカギになります。
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また、通気性とUVカット性能を兼ね備えたウェアの着用も、夏ならではのポイントです。長袖に抵抗を感じるかもしれませんが、直射日光を直接浴びるよりも、UVカット素材のウェアを着た方が涼しく感じられることもあります。さらに、夏場は熱中症のリスクも高まるため、日差しを防ぎつつ体温を上げ過ぎない工夫も重要です。
そして目の保護も引き続き欠かせません。夏の水辺は光の反射がとくに強く、裸眼では視界が眩しくなるだけでなく紫外線によるダメージも深刻です。偏光サングラスを着用して、視認性の向上と目の健康を同時に守りましょう。
秋は油断が招く「残照焼け」に注意
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秋の紫外線
秋は日差しがやわらぎ風も涼しくなって、アウトドアには最適な季節といえるでしょう。しかしこの快適さこそが、紫外線対策を怠りがちになる大きな要因です。実際には秋の紫外線量は夏よりやや低下するものの、依然として十分な対策が必要なレベルにあります。とくに9月はまだ夏並みに強い日差しが残ることも多く、「もう涼しくなったから大丈夫」と思って何も対策をしないと、知らず知らずのうちに肌がダメージを受けてしまいます。
また、秋は太陽の位置が徐々に低くなるため、日差しが斜めから差し込む角度が増えるという特徴があります。これにより、顔の側面や首筋、耳の後ろといった普段あまり意識しない部分が紫外線にさらされやすくなるのも、秋ならではの落とし穴です。
秋は「涼しくなった」という感覚が、紫外線対策を甘くする季節です。夏のような厳しさはなくとも「残照」の影響をしっかり意識して、見落としやすい部分まで丁寧にケアすることが、秋のアウトドアを安心して楽しむポイントです。
秋の対策ポイント
日焼け止めは引き続き使用すべきですが、夏ほど汗をかかない分、保湿成分の入ったタイプを選ぶのがポイント。秋は空気が乾燥し始めるため、紫外線と乾燥のダブルダメージから肌を守る意識が大切です。また、ウェアもUVカット機能を持ちつつ、冷え対策も兼ねられるような軽い長袖が重宝します。
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さらに、斜めから差し込む日差しには、ツバの広い帽子やサングラスが有効です。秋は夕暮れが早まり視界が眩しくなりやすいため、やはり偏光サングラスが視認性と目の保護の両方に役立ちます。
冬は反射光と乾燥が紫外線リスクを高める
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冬の紫外線
冬は紫外線量が1年で最も少なくなる時期ですが、だからといって油断は禁物です。気温が低く空気が乾燥するこの季節は、肌のバリア機能が弱まり紫外線の影響を受けやすくなるため、実は少ない紫外線でも肌に届きやすい時期でもあります。
さらに、雪や水面からの反射によって紫外線の照り返しが強まることも、冬のアウトドアにおける特徴の一つです。とくに晴れた日の釣行では、紫外線が思わぬ角度から差し込み、顔や首元にダメージを与えがちです。加えて、日差しが低い位置から差し込むため、目や頬の側面など、普段意識しない部分への影響も秋同様に見逃せません。
冬は「紫外線が弱い=対策しなくていい」という誤解が広がりやすい季節ですが、肌も目も無防備になりやすい時期だからこそ、静かに進行する紫外線ダメージに注意が必要です。冷たい空気とまぶしい光の中でも、しっかりケアして快適な釣りを楽しみましょう。
冬の対策ポイント
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冬場は汗をかくことが少ないため、保湿効果のある日焼け止めを選ぶことがポイントになります。乾燥と紫外線が合わさることでシワやくすみの原因にもなるため、予防の意識を持って対策することが大切です。また、冬は厚着をする機会が多いとはいえ、首元や顔など露出しやすい部分は紫外線にさらされやすいため、フェイスマスクやネックウォーマーでの保護も効果的です。
目の紫外線対策も引き続き重要です。冬の釣りでは、水面や雪面からの反射光がまぶしく、長時間見続けることで目の疲れや乾燥につながることもあります。偏光サングラスを使えば、眩しさの軽減だけでなく、紫外線から目を守る効果も期待できます。
1年を通して紫外線対策は重要ですが、季節ごとに異なる特徴とリスクがあります。春の油断、夏の過酷な日差し、秋の残照、そして冬の静かな紫外線。それぞれに合わせた対策を講じることで、健康的な肌と目を守り、アウトドアライフを安心して楽しむことができます。紫外線は目に見えないものだからこそ、日常的に意識して対策を続けることが大切です。
今からでも遅くはありません。季節ごとの紫外線に備え、あなたのアウトドアライフをさらに快適で安全なものにしましょう。