今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・早霧湖】
管理釣り場でさえも厳寒期はアタリが乏しくなるが、この時期でも盛期に負けず劣らずウキが動くのが静岡県伊豆市にある早霧湖。県内では珍しく長竿が振れる釣り場として人気を博し、とくに真冬は長尺竿の底釣りファンが足しげく通う。バランス底でもアタリが出るので、段差の底釣り全盛の釣り場とは雰囲気が異なるのもうれしい。近くに日帰り温泉施設もあるので、冷えた体を温めて帰るのも一興だ。
早霧湖の概況
早霧湖は静岡県伊豆市にある豊かな自然に囲まれた周囲約2kmほどの人造湖。歴史は古く、筆者も長年通わせてもらっている。以前は舟釣りと桟橋釣りの両方が主流だったが近年は後者のほうがメインとなりつつある。放流は定期的におこなわれ、今年も四国産の良型新ベラ(0.8~1kg)を1t放流済み。
なお周囲には有名な修善寺温泉や大仁温泉などの日帰り入浴施設も充実している。釣行後、湯に浸かって疲れを癒やして帰宅すれば、翌日の疲労度も軽減するだろう。
ポイント
桟橋は両面打ちが可能で、岸向きと本湖向き。水深は前者のほうが浅く逆カケアガリ、後者は沖ほど深いカケアガリになっている。また両面とも桟橋中央付近が深いが、正確な水深(竿の長さ)は早霧荘のオーナーに確認するといいだろう。
釣り座には受け木があり釣り台は基本的に不要。ただし床板にすき間があり小物を落とすと厄介だ。落下防止の敷物などがあると便利だろう。
釣り方とエサ
厳寒期の早霧湖は桟橋釣りが定番。ちょうど最深部付近であり、さらに入釣者が多くエサ打ちもされ魚の着きもいい。
釣り方は宙・底好みだが、安定感と釣趣では底釣りに分がある。ただし日並みで魚が底から離れてしまうこともあるので、宙釣りの準備もしておきたい。
底釣り
水位にもよるが、本湖向き桟橋中央付近で水深は23~24尺ほど。岸向きならさらに短い竿で底が取れるが、適正竿の目安は本湖向き・岸向き問わず早霧荘のオーナーに確認するのが手っ取り早い。
タックルは道糸0.8号、ハリス0.4号上30~40cm下40~50cm、ウキは水深にもよるがB10~12cmが目安だろう。トップは見えることを前提に細パイプもしくはムクトップなどなるべく細身がベター。とくに厳寒期はアタリが小さいので、それがウキに伝わり動きとして出てくれるセッティングにしたい。
エサはバラケにグルテンのセット。寄せるためのバラケと言うよりも、底に魚を落ち着かせるために使う。ブレンドはダンゴの底釣り夏+同冬+麩系の鉄板ブレンドも悪くないがダンゴの底釣り冬+ふぶきの軽さを意識した配合も試してみてほしい。食わせのグルテンはしっかりとハリ残りさせたいのと良型新ベラを意識して、エサ持ちとバラケ性を兼ね備えたわたグル+グルテン四季がお勧め。タッチは硬めが基本だが、手水を打ち徐々に軟らかくするのもオッケー。ハリ付けサイズは小指の頭大ほど。
タナは上バリトントンからスタート。ここから徐々に深くすることになるのが一般的で、探り幅は1cm単位。戻し→アタリにつながるズラシ幅を早く見つけることが好釣果へのキモだろう。
またタナが変わるのは底の掘れや水位変化だけとは限らない。水深が深い(竿が長い)=道糸の伸縮も大きいので、スタート前にヨリモドシ位置を確認しておき、釣りながら伸縮がないかこまめにチェックしたい。と同時に底ダテもやり直せばなおベストだろう。底釣りのタックルとエサ例は3面参照。なお本湖向きを狙うなら偏光サングラスは必携だ。
宙釣り
浅いタナでも釣れるがそれは水温がぬるみだした10時すぎが一般的。朝から竿を曲げたいなら、チョウチン釣りがベストだろう。以下はお勧めのチョウチンタックル例。
竿9~15尺、道糸1号前後、ハリス上0.5号10cm前後下0.4号40~50cm、ハリ上バラサ6~7号下リグル3~4号、ウキはB6~8cmのムクトップ。
バラケは粒戦100㏄+粒戦細粒25㏄+水150㏄+10分前後放置+セットアップ、セット専用バラケ、浅ダナ一本各100㏄。食わせエサは感嘆または力玉Sサイズを使い分けるが、アタリが出にくい時には感嘆がメイン。
釣り方は深ナジミを基本としたタテ誘い。2~3回の誘いでアタリにつながれば理想的。厳寒期のセットなので深ナジミしたまま上がってこないバラケではなく、数回の誘いで抜け落ちるくらいでいい。
またバラケをナジませない抜きバラケがいい日もあるので、当日の傾向を探り早く正解を見つけたい。
なお抜きバラケの時は、食わせを付けた状態でエサ落ち目盛を沈め気味(1~2節出し)にしたほうが釣りやすい。
また誘い方の違い(フォールの大小)でアタリが出やすくなったりするので、さまざまなパターンを試してみるといい。なお、上だけでなく下方向(穂先を沈める)がいい時もまれにある。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年1月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。