【南アフリカ】牛一頭シェア?!南アフリカの最近の物価と節約方法
南アフリカは日本より全体的に物価が安いです。しかし年々、スーパーの食材から観光地の入場料まで、全てにおいて価格は上昇傾向です。今回は南アフリカの物価と、地元の人々に聞いた節約にまつわる文化をご紹介します。
世界中で物価が上昇中。各国の物価事情と効果的な節約方法
南アフリカの最近の物価
南アフリカ大手のスーパーマーケット、Woolworthsで普段私が購入している食品の現在の価格帯は次のとおりです。
・牛乳(1L):約150円 ・サーロインステーキ(100g):約200円 ・水のペットボトル(500L):約100円 ・食パン(700g):約160円 ・ノルウェー産スモークサーモン(250g):約1600円
南アフリカで売られている物はほとんどが国産です。そして国産は海外産より全体的に安いです。例えば、ポテトチップスは米国産が南アフリカ産より約30%も高く売られています。
国際通貨基金(IMF)によると、南アフリカの物価はここ数年で約4%ずつ毎年上昇していますが、物によって上昇率の差が大きいと感じています。特にバナナはこの1年で25%程度値上がりしていて、スーパーで見るたびに高くなっています。一方、お肉はそれほど値段が変わらないかなと感じています。南アフリカのステーキは日本と比べると安くておいしいです。
■Woolworths URL:https://www.woolworths.co.za
シェア文化、ストックベル
南アフリカには「ストックベル」とよばれるシェア文化があります。節約といえばストックベル、というほど同国では定番の節約方法だそうです。
ストックベルの方法はというと、毎月一定額を複数人で貯めて、貯まったお金で買ったものを全員でシェアするという方法です。生活用品でも食料品でも、大容量で購入すると安いことって多いですよね。でも今は大容量で買えるほどのまとまったお金がない、そんな時にストックベルを利用して、ものを安く購入するんだそうです。
信頼できる友人や親戚で希望者を募って行うパターンが一般的です。参加者同士でルールや金額、買うものを決めて始めます。 筆者の友人は、クリスマスに向けて親戚一同でストックベルして牛を1頭購入し、その牛をクリスマスに全員で食べたといっていました。ちなみに牛1頭で30人分の食事ができるそうです。 キリスト教が多い南アフリカでは、クリスマスやイースターは親戚一同が集まる大イベント。その時期に向けてお酒やお肉などのためにストックベルして節約する人が多いそうです。
ストックベルはほかにもお金の貸し借りに使われたりとさまざまな形があります。 南アフリカにおけるストックベルの詳細は、以下の南アフリカストックベル協会のサイトがわかりやすいのでご参照ください。
National Stokvel Association South Africa URL:https://nasasa.co.za/
このシェア文化は世界中にあるもので、国によって呼び方が異なります。
主食をお米からパップに変えた筆者宅
日本ではお米の値上がりが連日ニュースになっていますね。筆者の家では日本からお米を輸入しているので、大打撃です。 そこで、最近は主食をパップに変えました。パップとは南アフリカの主食のひとつです。メイズミールという、とうもろこしの粉でできています。メイズミールは5kgで約500円です。我が家は1食分で250g使うので、1食分約30円です。
お米はいつも2合炊いていたので、その場合1食分300円程度でしょうか…。パップより10倍も高い! パップの作り方は非常にシンプル。メイズミールをお湯に注ぎ込んで10分ほど力一杯練るだけです。沸騰している状態で練るので、時々跳ねてやけどしそうになりますが、慣れます。
パップは、ハンバーグやステーキなどの肉料理にとてもよく合います。味は少しお米に近いと思います。外食でも提供されますが、店によっては添加物や大量のバターを入れるので味がかなり違います。手作りだとクセのない素朴な味です。 その土地のものを食べるのがいちばんの節約ですね。我が家はパップで物価高を乗り切ります。
TEXT by あんな